数年前のAIブームの時、メディアやニュースでも盛んに取り上げられたトピックが「10年後に消えている仕事」でした。
でも、すでに僕たちの周りからはたくさんの仕事が消えています。
・駅の改札 → 自動化
・ガソリンスタンドの給油→セルフサービス
・銀行の窓口→ATM、ネットバンキング
・スーパーやコンビニのレジ→セルフサービス
・証券会社の為替ディーラー→AI
・一般事務→ITシステムで自動化
こうして人から奪われた仕事を支えているのは「IT」です(ある意味IT業界への転職は奪われる側から奪う側への移動かもしれませんね。。。)
新型コロナ禍によってIT化、デジタル化の流れが一気に加速して、数年〜10年程度かけて起こるだろうと思われていた変化が数ヶ月で起こってしまいました。
何が言いたいかというと、「10年後に消えている仕事」が今消えようとしている、だから今が戦略的な転職計画=キャリアプランの見直しのタイミングになった、ということです。
新型コロナ禍でもIT業界は人材不足が続いていて、「デジタル庁」の設立など政府主導のデジタルトランスフォーメーションの加速でますますIT系職種では人材不足が加熱すると僕は考えています。
それに、転職しようという人の多くが異職種・職種未経験の求人に応募していることを知っていますか?
IT業界は比較的少なく見えますが、それでも4割が他の業界からの転職者です。

ITスキルはコミュニケーションスキルやビジネスマナー同様、どの業界職種で働いてもプラスになります。
20代〜30代の方はぜひキャリアチェンジ先の候補としてIT業界を検討してほしいと思い、今まで書いてきたIT業界関連の記事からポイントをまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。
※もし手っ取り早く自分がチャレンジできる業界・職種が知りたい方は転職エージェントの無料キャリア相談を受けてみると時間節約になるのでおすすめです。
未経験でIT業界を志望するときの志望理由

IT業界に限らず、未経験の業界への転職を目指した理由は必ず聞かれるはずです。
・なぜIT業界なのか
・なぜその会社でなくてはいけないのか
・何を実現したいのか
こうした質問に対して筋の通った理由づけを説明できないと、内定は出にくいでしょう。
異業種への転職理由を明確にするためにおすすめな方法は、今の業界とIT業界比較表を作って「なぜIT業界にチャレンジしようと思ったのか、なぜその会社をえらんだのか、その会社で何がやりたいのか」を深掘りして考えておくことです。
比較項目としては、次のようなものです。
・業界の成長性
・会社の将来性・現在の業界にとどまることのメリット・デメリット
・IT業界に転職することのメリット・デメリット
・IT業界でなくては実現できない目標
事実をベースにあなたがチャレンジする理由を説明できれば、それが筋の通った志望動機につながるはずですので試してみてください。
未経験でIT業界を志望するときの自己PR

未経験の業界に転職するときの自己PRは、転職先でもあなたが成果を出せると納得してもらえるだけの「再現性」のある実績とそのためのスキルを論理的に説明することが必要です。
大前提として、企業側がどんな人材・人物を求めているのかについてはしっかりとチェックしておきましょう。
チームワークやコミュニケーション力を重視している会社に対して、「1から10まで1人で仕事をやり切るのが得意」とアピールしても響きません。
中途採用者の場合、未経験でも価値が十分にあると評価されるのは次のような「ポータブルスキル」です。
・業界経験・知識
・マネジメントスキル
・コミュニケーション力
・英語力
・計数能力
・論理的思考力
特にITベンダーやSIerは顧客の業界経験や知識はとても貴重ですし、外資系ITであれば英語力は必須です。
また、30代以降であればマネジメントスキルは持っていないと選択肢の幅が狭まる可能性もありますので、別記事で解説した通り、マネジメントスキル相当の経験が今までの職歴に含まれていることを絞り出しておくといいでしょう。
こうした自己PRは主観的な要素が強く数字で表すことができませんから、顧客からもらった評価や評判、社内の表彰履歴などを使って客観的に見ても価値があることをアピールすべきです。
未経験でIT業界を志望するとき何を勉強すればいいのか

IT業界へ未経験でチャレンジする場合、最低限独学で身につけておくべきスキルについて解説します。
ブラインドタッチと一定以上のタイピングスピード
IT業界でどんな職種につくにしろブラインドタイプができないと話になりません。
特にコールセンターやカスタマーサポートなど電話やメールでのコミュニケーションが中心の職種では、タイピングスピードが命です。
無料で利用できるサービスもありますので、転職前にスピードアップしておきましょう。
OS、アプリケーション、ハードウェアの基本知識
IT系のコールセンター・カスタマーサポートにとって必須の知識がWindowsなどのOSの知識、マイクロソフトオフィス製品の知識とスキル、PCやプリンター、ネットワークに関する基本知識です。
通常、ITコールセンターでのトレーニングにはそのコールセンターでサポートしている範囲や製品サービスに関する詳しいトレーニングは受けられますが、OSやワードやエクセルといった業務で使うアプリケーションについてはゼロから丁寧に教えてくれることはありません。
転職前に独学やオンライン学習で学んでおくことが必要です。
一方、PCメーカーの訪問修理の場合は、お客様先でPCの修理が必要になるので、3週間から1ヶ月程度実機を使った製品トレーニングが提供されます。
コールセンターでOSやオフィス製品の知識経験に磨きをかけた後、訪問修理でハードウェアの知識経験を身につけるというのも一つの手段です。
以下の記事での詳細を説明していますので、ぜひ参考にしてください。
未経験でIT業界を志望するときおすすめの資格は?

IT業界は資格よりも実務経験のほうが圧倒的に大切です。
IT技術は陳腐化するスピードも速いので、国家資格のような汎用的な資格以外は現場で見につけたスキルと業務経験のほうが重要視されます。
セキュリティ系の資格やプロジェクトマネジメント系の資格など、資格保有が業務やプロジェクトで必須とされるようなケースはあります。
IT関連資格の種類
IT関連資格は、①国家資格かベンダー資格か、②エンジニア系資格かマネジメント系資格か、に大きく分類できます。
大まかにですが、図にまとめてみましたので参考にしてください。

難易度の高い上位資格のほとんどが実務経験を受験の前提条件にしていますので、業務経験がないと受験ができないものも多くなっています。
また、ベンダー系の上位資格は筆記試験だけではなく実際に機器や製品を使った実技試験を行うことで、資格としての有効性を高めようとしています。
取得に前提条件があり、試験にも実務経験が問われるような難易度の高い資格は「実力を裏付ける」という点で転職でもアピールになります。
一方、ITコンサル系は企業の経営層と相対することが多いので、技術系の資格に加えて中小企業診断士や会計士、ビジネス法務などがあると役に立つと思います。
未経験でIT業界への転職をチャレンジするには?【世代別】

世代別のIT業界転職戦略については別記事を参照していただきたいのですが、ここでは一点だけ注意していただきたいことを解説します。
それは「残された時間からキャリアを逆算で計画する」ことです。
例えば、現在20代の方と40代の方ではサラリーマンとして残された時間が全く違います。
40代の方は「投資できる時間」が同じでも投資効果を回収できる可能性が低くなるという点です。
例えば40代後半で未経験でIT業界に転職した場合、業界知識や顧客との人脈を活用してITコンサルに就職できれば十分な投資効果が期待できますが、そうした「売り」もなくコールセンターなどからキャリアを再スタートさせる場合、キャリアアップしていく時間があまり残されていません
シニアの転職は家族への影響も大きくなります。
転職を検討する際に、
・今の業界内もしくは周辺業界で転職する場合
・未経験のIT業界に転職する場合
とで投資効果がどう変わるのかをドライに判断すべきでしょう。
未経験でIT業界を志望するとき学歴は必要?

日系企業でも外資系企業でも学歴を重視する会社もあれば、それほど重視しない会社もあります。
また、職種ごとに求められる学歴にも差があります。
例えば、研究開発職では特定領域での修士・博士号などが必須となることもありますし、外資系企業のように学歴以上に経歴・実績・ご学力を重視する会社もあります。
ポジションごとに求められる前提条件は、転職エージェントなどを活用してあなたの希望と学歴にマッチした求人をピックアップして貰えばいいでしょう。
参考に外資系企業の場合をまとめた記事をご紹介しておきます。
未経験でIT業界を志望するときはポータブルスキルをアピール

結論から言えば、ポータブルスキルは「どんな職種・業界・ポジションで働いても活躍するために必要なスキル」です。
未経験だからといって、アピールできるものがないわけではありません。
あなたが気がついていない自分自身の市場価値を「見える化」することで、キャリアチェンジのチャンスは広がります。
その一つが最近注目を集めている「ポータブルスキル」です。
未経験の業界にチャレンジする人にとってだけではなく、働く人全てが身につけておくべきスキルとも言えます。
しかし、それだけに個人差が出やすく、達成しているレベル、習熟しているレベルが異なります。
だからこそポータブルスキルを自分の強みとしてアピールするには、今までの経験をわかりやすく伝えるための「見える化」が書類審査や面接次の自己PRで大切になってくるのです。
僕も転職の際に転職エージェントのキャリアカウンセラーのおかげで自分では気が付かない業界・ポジションへの可能性を見つけることができました。
もし「具体的に何をどうアピールすればわからない」「自分の経験にそんな都合のいいものが眠っている気がしない」という方は、一度転職エージェントの無料カウンセリングを受けてみてください。
※ 国内最大級の転職支援実績を持っていて応募書類の準備から面接対策まで、親身な転職サポートをしてくれますので、転職初心者はまずここ。

IT・Web業界での転職なら【レバテックキャリア】
※IT/Web系のエンジニア、クリエイターに特化。職務経歴書の添削、模擬面談で事前準備を徹底サポートしてもらえる。各企業の方針、社風、採用ポイントも把握しているので転職初心者や交渉が苦手な人におすすめ。

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ポータブルスキルにつては次の記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。
未経験IT転職失敗例から学ぶ

隣の芝は青く見えるのは皆一緒ですが、波に乗り遅れまいと周りが見えなくなっている時は、キャリアアップが目的ではなく転職自体が目的になってしまうこともあります。
十分な情報も集めず、第三者の意見も聞かず、「会社を辞めたい、転職したい」だけで動いて失敗する人が多いことも事実です。
でも、ちょっとだけ立ち止まって失敗した人から学んでみませんか?
もしかしたらあなたも同じ罠にハマって、貴重な時間、お金、チャンスを不意にしようとしているかもしれません。
IT業界への未経験転職でよくある6つの失敗パターンをまとめてみましたので、こちらも参考にしてください。
まとめ

ここまでの内容をまとめます。
・志望動機は現職・現業界との比較表を作ってギャップから導き出すと筋の通った内容になる
・未経験での自己PRはポータブルスキル中心に、語学力などのスキルの掛け合わせでアピール
・資格よりも今までの実績をどうアピールするかが大切。ただし、基本となる知識スキルはあるので、事前に独学で身につけること
・40代の未経験転職は投資効果を計算してドライに判断する
記事で書くと簡単に見えるかもしれませんが、実際はチャレンジの毎日です。
絶対に結果を出して、キャリアを上げていくという強い意志がないと新しい業界では成功しないでしょう。
とはいえ、IT業界はこれから全ての産業の基本・基礎となる社会インフラであり、将来性や成長性が最も期待できる業界ですので、新しい世界を楽しみながらキャリアを上げて行ってください。
あなたの成功をお祈りしています!
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