
・未経験だけど、管理職の経験を積んで付加価値をつけていきたい。でもどうすりゃいい?
・マネジメントスキルを身につけて管理職にキャリアアップしたい。けど、何から始めれば?
ITエンジニアでも一般職・総合職でもキャリアアップの選択肢として一般的なものに管理職があります。
日系の会社であれば、係長から始まって、課長、部長と登っていくと思いますが、管理職で求めれられる「マネジメント経験・能力」は明確に定義があるわけではありません。
初めて管理職にチャレンジする場合、内部での昇進と昇進を待てずに転職して管理職に就くパターンがあります。
この記事では、主に転職で管理職にチャレンジする方向けに解説します。
マネジメント経験とは何か

大まかに定義する場合、マネジメント経験とは「メンバーの管理業務経験」を意味することが一般的です。
内容的には、勤怠管理に始まり、人事考課のための目標管理、チームで取り組む業務の進捗管理などが含まれます。
ただし、転職の際の求人には具体的なタスクを前提としポジションごとに様々な要件が追加されるのが通常です。
・チームをまとめる力
・プロジェクトをまとめる力
・人材育成経験
・店舗管理・売上管理経験
・予算管理(規模は色々)
どんなスキルや経験が求められるのか
管理職に求められるスキルはメンバーが持つスキルを1つ上のレベルで持っていることや、事務的能力、コミュニケーション能力など幅広い能力が求められるのが普通です。
業務経験が豊富
一番必要なのは、担当業務に関する知識と経験です。
自らに経験がなければチームを導くことも目標を達成することもトラブルに対応することも難しいからです。
この点から、転職で管理職を狙うとき異業種、異業界へのチャレンジは相当壁が厚く、高くなることを覚悟したほうがいいと思います。
コミュニケーション能力
まずなんと言っても大切な能力がコミュニケーション能力です。
これは担当するチームや部門に対してだけではなく、他チーム・他部門との組織横断的な巻き込み力や交渉力も含まれます。
例えば、メンバーが設定した目標を達成できるようにときには背中を押し、ときには立ち止まらせて考えさせ、モーティベーションを維持しながらチームとしての目標達成に向けて業務を進めるのもコミュニケーション能力です。
メンバーの入れ替えや異動などの際に、他チームや人事、上司と交渉して自チームが担当する業務へマイナスの影響が出ないように優秀な社員を確保する。
トラブルに備えて定期的な部門間会議をアレンジする。
問題発生時には自ら最前線に立ってチームをリードする。
様々な場面でコミュニケーション能力は求められます。
計数能力
管理職になると必ず必要になるのが「数字」に関する能力です。
どんな小さなチームでも、その仕事は全て最終的には「予算」つまりお金に紐づきます。
売上・利益目標、メンバーの稼働率、稼働の内容、人的リソースの過不足、四半期、半期、年次でのコスト予測などが主なものですが、管理職のレベルによって責任範囲は異なります。
数人のプロジェクトチームであれば、売上、稼働率に関して年間の予算を守るくらいが普通です。
人的リソースのリスク管理
管理職の責任で一番厄介なものがメンバーの突然の離脱などのリスク管理です。
例えば、突然の異動、退職、その他コストカットなどの命令でチーム体制を矯正的に変更しなければならないことはよくあります。
起こってから考えればいいという受身ではなく、起こった場合にどういう対応が取れるか準備しておくことが必要です。
・業務に支障が出ないようにするためにはあらかじめどんな準備をすべきか
・必要なリソース・予算を得るために誰と交渉しておくべきか
・入れ替えが発生したときに新人が立ち上がるまで何日かかるのか
・その間のフォローは誰に任せるべきか
これができるかどうかで、管理職としての評価が全く違ってしまうと思ってください。
リスク管理を効率的に行うために大事なポイントは、チーム構成を考える時自分がやりやすいメンバーを選ばず、目標達成に必要なリソースが何か、そのために必要なスキルは何かを客観的に把握した上でメンバー選定をすることが大切です。
マネジメント経験が必要なポジションでは、部署・部門レベルの経験か、プロジェクトレベルの経験かで求めれる内容が異なります。
コミュニケーション能力やリソース管理はそれほど異なりませんが、計数管理についてはかなり異なります。
プロジェクトレベルではプロジェクト期間中のコスト管理が中心ですが、部門・部署レベルになると年間予算、売上、利益、コスト全てに及びますし、単年度だけではなく中期計画に沿った形での予算管理も必要になります。
初めてチャレンジする場合はプロジェクトもしくは部門内の一業務が普通ですから、まずはメンバーの勤怠・稼働率管理が中心と考えていいでしょう。
管理職ポジションは数が少なくて、競争が激しい
管理職ポジションは数が圧倒的に少ないので、チャンスが来たときに逃してしまうと次のチャンスがいつ来るかわかりません。
しかも、重要なポジションになればなるほど業務上の機密維持から公開求人には出てこない場合もたくさんあります。

数少ないチャンスを手に入れるには①転職サービスに自分の希望条件を登録して、②求人が発生した時点ですぐに連絡が届くように設定しておくことをお勧めします。

どんな経歴があればチャレンジできるか

通常、管理職ポジションに未経験者を割り当てるときは、その部門やチームサブリーダーとして管理職者の仕事ぶりを学び、トレーニングを受けた社員から選ばれるのが普通です。
このプロセスを飛ばして中途採用者に担当させるときは、当然その人に求める経験としマネジメント業務は含まれていなければなりません。
ですので、マネジメント経験なしで転職先で管理職のポジションを希望してもそのまま採用されるケースはあまりなく、通常はサブリーダーとして一定期間その会社の業務を身につけながら管理職の働き方を学び、適性がありと判断されたら昇進するというパターンが多いと思います。
つまり、転職してもしなくても、最初は見習いから始める必要があることになります。
ただ、現在の会社でその見習いのポジションさえ手に入るか全くわからないという状況であれば、転職してチャレンジするという選択肢は間違っていないと思います。

実は僕自身も最初の転職の際に、プロジェクトマネージャーとしての経験が積めることを条件に入社しました。
もちろん、入社前に僕の仕事ぶりを見て評価してくれた人がいたおかげですが、未経験だとしても客観的に問題ないレベルと評価されれば、リーダーやマネージャーのポジションを手に入れることは可能です。
何を期待されるのか

リーダー、マネージャー、課長、部長など役職の呼び名がなんであれ、会社が管理職に求める成果にそれほど違いはありません。
プロジェクトリーダーは売上責任は負わないかもしれませんが、売上拡大のためにチャンスを広げることはできます。
どんなポジションの管理職であっても、組織をまとめ、業績に貢献し、顧客に成果を届けるということに違いはありません。
よく1つ上のポジションの視点で仕事をしろと言われますが、足元をしっかりと見据えた上で、上司や顧客の視点で仕事を見て進めることができたら、チャンスは途切れなくやってくるはずです。
未経験者のアピールの仕方
いよいよ転職活動を始める段階になったら、何を準備すればいいのでしょうか。
一般的な流れはこちらの記事を参照してください。
>>初心者向け転職活動の始め方。リスク管理とPlan Bで生き残れ!
ここでは未経験で管理職ポジションへチャレンジする場合に自己アピールをどうまとめるかに絞って解説します。
実績を数字で説明する
管理職に求められるスキルに「計数能力」があることは説明した通りですが、経験のないあなたは「数字で考える力」を証明すればいいのです。
例えば、サポートセンターでユーザーからの障害連絡を受けて初期対応を担当していたのであれば、自分が月間何件受けて、1次解決率がどの程度だったのか、それは全体の何番目か、どうやって改善したのかなどです。
加えて、自分の成功パターンをチーム全体に展開し、チームの1次解決率がxx%上がったなどの実績があればより高い評価になることは間違いありません。
経験・実績に再現性があることを証明する
そして、そうした活動に「再現性」があることが重要です。
つまり転職しても、与えられた環境で論理的に同じように現状分析し「改善活動」を企画、計画、実行できることが相手に理解できるようなアピールにすることです。
先ほどの例で言えば、1次解決率を上げるために何に注目してどう課題やKPIを設定したのかなど具体的な方法を盛り込んでおく必要があります。
また、チームへその方法をスムースに展開するために各チームのキーパーソンと事前に打ち合わせをして周知を徹底してもらう、一度にやらずにチーム毎に実施時期をずらして現場にかかる負担を最小化するなどの工夫があれば、より高い評価を得られるでしょう。
まとめ

ここまでの説明を簡単にまとめます。
・マネジメント経験に求められる内容は、会社や業種によって異なる
・マネジメント能力として求められるものはコミュニケーション力、計数力など
・マネジメント経験は再現性のあるアピールの仕方が必要
・マネジメント経験の先を見据えて、1つ上の視座で仕事をする
マネジメントスキルはITスキルや英語力と同じくどの会社に転職してもあなたの市場価値を上げてくれる「ポータブルスキル」です。
キャリアアップのチャンスを広げる積極的にチャレンジする価値があるスキルです。
ぜひ積極的にチャレンジしてください。
あなたの転職の成功をお祈りしています!