数年前のAIブームの時、メディアやニュースでも盛んに取り上げられたトピックが「10年後に消えている仕事」でした。
でも、すでに僕たちの周りからはたくさんの仕事が消えています。
いまこれらの仕事を支えているのは「IT」です。
(ある意味IT業界への転職は奪われる側から奪う側への移動かもしれませんね。。。)
新型コロナ禍によってIT化、デジタル化の流れが一気に加速して、数年〜10年程度かけて起こるだろうと思われていた変化が数ヶ月で起こってしまいました。
何が言いたいかというと、「10年後に消えている仕事」が今消えようとしている、だから転職計画=キャリアプランの見直しのタイミングになった、ということです。
この記事では未経験でIT業界に飛び込み業界歴25年を超えた僕の経験から、未経験でIT業界を目指す人向けに、業界の現状や求められるスキル、転職活動で周囲すべきポイントを解説していきます。
人材獲得競争が激化しているIT業界
新型コロナ禍でもIT業界は人材不足が続いていて、現状でさえ足りていないITエンジニアはこれからもっと足りなくなることが確実です。
これは経済産業省の発表資料でもはっきりしています。
参考:経済産業省 「IT人材需給に関する調査(概要)」
また「デジタル庁」の設立など政府主導のデジタルトランスフォーメーションの加速で、ますますIT系職種では人材不足が加熱してしまいました。
それに、転職しようという人の多くが異職種・職種未経験の求人に応募していることを知っていますか?
IT業界は比較的少なく見えますが、それでも4割が他の業界からの転職者です。
ITスキルはコミュニケーションスキルやビジネスマナー同様、どの業界職種で働いてもプラスになります。
20代〜30代の方はぜひキャリアチェンジ・スキル転換の候補としてIT業界を検討してほしいと本当に思います。
そこで、今まで書いてきたIT業界関連の記事からポイントをまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。
※もし手っ取り早く自分がチャレンジできる業界・職種が知りたい方は転職エージェントのキャリア相談を受けてみることをおすすめします。
未経験でIT業界を志望するときの志望理由
IT業界に限らず、未経験の業界への転職を目指した理由は必ず聞かれるはずです。
こうした質問に対して筋の通った理由づけを説明できないと、内定は出にくいと思います。
異業種への転職理由を明確にするためには、今の業界とIT業界比較表を作って
を深掘りして考えておくことです。
比較項目としては、次のようなものです。
事実をベースにあなたがチャレンジする理由を説明できれば、それが筋の通った志望動機につながるはずですので試してみてください。
未経験でIT業界を志望するときの自己PR
未経験の業界に転職するときの自己PRには押さえるべきポイントがあります。
転職後にあなたが成果を出せると納得してもらうこととそのためのスキルと経験があることをスジを通して説明することです。
大前提として、企業側がどんな人材・人物を求めているのかについてはしっかりと調査してチェックしておきましょう。
チームワークやコミュニケーション力を重視している会社に対して、「1から10まで1人で仕事をやり切るのが得意」とアピールしても響きません。
中途採用者の場合、未経験でも価値が十分にあると評価されるのは次のような「ポータブルスキル」です。
・業界経験・知識
・マネジメントスキル
・コミュニケーション力
・英語力
・計数能力
・論理的思考力
特にITベンダーやSIerは顧客の業界経験や知識はとても貴重ですし、外資系ITであれば英語力は必須です。
30代以降であればマネジメントスキルを持っていないと選択肢の幅が狭まる可能性もあります。
マネジメントスキル相当の経験が今までの職歴に含まれていることを絞り出しておくといいでしょう。
具体的なやり方について興味があれば、次の記事を参考にしてください。
こうした自己PRは主観的な要素が強くて数字で説明しにくいので、
などを活用して、客観的に見ても価値があることを面接担当者や役員レベルにアピールすべきです。
未経験でIT業界を志望するとき何を勉強すればいいのか
IT業界へ未経験でチャレンジする場合、最低限独学で身につけておくべきスキルについて解説します。
ITエンジニアとして働くために必要な最低限のスキルですから、必ず身につけるようにしてください。
ブラインドタッチと一定以上のタイピングスピード
IT業界でどんな職種につくにしろブラインドタイプができないと話になりません。
特にコールセンターやカスタマーサポートなど、未経験者にとって転職の壁が低い職種では電話やメールでのコミュニケーションが中心ですからタイピングスピードと正確さが命。
無料で利用できるサービスもありますので、転職前に練習して正確さとスピードを上げておきましょう。
OS、アプリケーション、ハードウェアの基本知識
IT系のコールセンター・カスタマーサポートにとって必須の知識がWindowsなどのOSの知識、マイクロソフトオフィス製品の知識とスキル、PCやプリンター、ネットワークに関する基本知識です。
通常、ITコールセンターでのトレーニングにはそのコールセンターでサポートしている範囲や製品サービスに関する詳しいトレーニングは受けられます。
ただし、OSやワードやエクセルといった業務で使うアプリケーションについてはゼロから丁寧に教えてくれることはありません。
転職前に独学やオンライン学習で学んでおくことが必要です。
一方、PCメーカーの訪問修理の場合は、お客様先でPCの修理が必要になるので、3週間から1ヶ月程度実機を使った製品トレーニングが提供されます。
コールセンターでOSやオフィス製品の知識経験に磨きをかけた後、訪問修理でハードウェアの知識経験を身につけるというのも一つの手段です。
以下の記事での詳細を説明していますので、ぜひ参考にしてください。
未経験でIT業界を志望するときおすすめの資格は? 学歴は?
IT業界は資格よりも実務経験のほうが圧倒的に大切です。
IT技術は陳腐化するスピードも速いので、国家資格のような汎用的な資格以外は現場で見につけたスキルと業務経験のほうが重要視されます。
セキュリティ系の資格やプロジェクトマネジメント系の資格など、資格保有が業務やプロジェクトで必須とされるようなケースはあります。
IT関連資格の種類
IT関連資格は、①国家資格かベンダー資格か、②エンジニア系資格かマネジメント系資格か、に大きく分類できます。
大まかにですが、図にまとめてみましたので参考にしてください。
難易度の高い上位資格のほとんどが実務経験を受験の前提条件にしていますので、業務経験がないと受験ができないものも多くなっています。
また、ベンダー系の上位資格は筆記試験だけではなく実際に機器や製品を使った実技試験を行うことで、資格としての有効性を高めようとしています。
取得に前提条件があり、試験にも実務経験が問われるような難易度の高い資格は「実力を裏付ける」という点で転職でもアピールになりますよ。
一方、ITコンサル系は企業の経営層と相対することが多いので、技術系の資格に加えて中小企業診断士や会計士、ビジネス法務などがあると役に立つと思います。
ITスキルを身につける勉強する環境を作りも忘れずに
未経験でIT系職種やIT業界にチャレンジするために必要な最低限のスキルや資格がわかったとしても、それを身につけるためには時間もかかればお金もかかります。
特に独学するための時間をどうやって確保するかがすごく大切です!
いまの仕事が忙しくて思うように時間が取れなかったり、小さなお子さんのいる方は家に帰ると育児や家事で時間が取られたりすると思います。
そんな中で勉強する時間をどうやってどれくらい確保できるのかを見積もっておかないといつまで経ってもスキルが身につきません。
例えばブラインドタッチを身につけるために100時間必要だとします。
1日1時間タイピングの練習ができたとしても3ヶ月以上、1日30分なら半年以上かかる計算です。
あなたが転職を実現したい期限と1日に勉強にあてることのできる時間数から逆算して、ざっくりとした計画を立ててください。
計画がなければ何も実現しませんから。。。
目標を達成するための計画の立て方がよくわからないという方は「市場価値の上げ方は転職勝ち組に学べ!時間投資と目標設定で人生激ヘン?」という記事で目標設定の方法を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
未経験でIT業界を志望するとき学歴は必要?
日系企業でも外資系企業でも学歴を重視する会社もあれば、それほど重視しない会社もあります。
また、職種ごとに求められる学歴にも差があります。
例えば、研究開発職では特定領域での修士・博士号などが必須となることもありますし、外資系企業のように学歴以上に経歴・実績・ご学力を重視する会社もあります。
ポジションごとに求められる前提条件は、転職エージェントなどを活用してあなたの希望と学歴にマッチした求人をピックアップして貰えばいいでしょう。
未経験でIT業界への転職をチャレンジするには?【世代別】
世代別のIT業界転職については別記事を参照していただきたいのですが、ここでは一点だけ注意していただきたいことを解説します。
それは「残された時間からキャリアを逆算で計画する」ことです。
例えば、現在20代の方と40代の方ではサラリーマンとして残された時間が全く違います。
40代の方は「投資できる時間」が同じでも投資効果を回収できる可能性が低くなるという点です。
例えば40代後半で未経験でIT業界に転職した場合、業界知識や顧客との人脈を活用してITコンサルに就職できれば十分な投資効果が期待できます。
しかし、「売り」になるスキル・経験もなくサポート系の職種からキャリアを再スタートさせる場合、キャリアアップしていく時間があまり残されていません
シニアの転職は家族への影響も大きくなります。
転職を検討する際に、
・今の業界内もしくは周辺業界で転職する場合
・未経験のIT業界に転職する場合
とで投資効果がどう変わるのかをドライに判断すべきでしょう。
未経験でIT業界を志望するときはポータブルスキルをアピール
結論から言えば、ポータブルスキルは「どんな職種・業界・ポジションで働いても活躍するために必要なスキル」です。
未経験だからといって、アピールできるものがないわけではありません。
あなたが気がついていない自分の市場価値を「見える化」することで、未経験からのキャリアチェンジのチャンスは広がります。
その一つが最近注目を集めている「ポータブルスキル」です。
未経験の業界にチャレンジする人にとってだけではなく、働く人全てが身につけておくべきスキルとも言えます。
しかし、それだけに個人差が出やすく、達成しているレベル、習熟しているレベルが異なります。
だからこそ今までの経験をわかりやすく伝えるための「見える化」が書類審査や面接次の自己PRで大切になってくるのです。
僕も転職の際に転職エージェントのキャリアカウンセラーのおかげで自分では気が付かない業界・ポジションへの可能性を見つけることができました。
もし「具体的に何をどうアピールすればわからない」「自分の経験にそんな都合のいいものが眠っている気がしない」という方は、先ほども紹介した転職エージェントの無料カウンセリングを受けてみてください。
ポータブルスキルにつては次の記事でも詳しく解説していますので参考になると思います。
IT系職種で非正規から正社員にキャリアアップするハードルは高い
リクルートワークス研究所の調査によると、前年に非正規雇用だった人が翌年に正規雇用になった比率はここ3年大体7%ほど。
つまり100人の非正規労働者のうち7人しか正社員にキャリアアップできていないというかなり高いハードルになっています。
僕の体感としてもこの数字はあっていますので、人手不足が続くIT業界・IT系職種でも正社員として確保したい人材の条件を満たしている人は少ないといえます。
では、どんな条件を満たせばチャンスをつかめるのでしょうか?
僕のおすすめは、①戦う場所を変えてみることと、②ITエンジニアが持っていると価値が上がるのに持っている人が少ないスキルを身につけることです。
戦う場所を変えてみる 〜灯台下暗し〜
IT業界・IT系職種といってもITの会社だけで募集しているわけではありません。
今やどんな業界、どんな会社でもIT無くして仕事は成り立ちませんよね。
なので、いまあなたが働いている会社や業界のIT部門で求人がないかを探してみてください。
メリットとしては、業界知識があり社内人脈など社外の人が持っていない経験に加えてITスキルをアピールすることができる点です。
ITエンジニアが持っていると価値が上がるのに持っている人が少ないスキルを身につける
僕のおすすめスキルは英語とセキュリティです。
市場のニーズに対して圧倒的にITスキルとの組み合わせで持っている人が少ないスキルで希少価値が出るからです。
セキュリティ関連スキルも色々種類があり求められるレベル・実務経験も高いので数ヶ月で身につくものではありませんから、年単位で計画を立てる必要がありますが、それに見合ったリターンはあります。
英語はもうITに限らずどの業界・どの職種でも希少価値・市場価値を上げてくれるスーパースキルですからゼッタイおすすめします。
「英語ができると生涯年収が5千万円上がる理由【おすすめ英語学習法】」でも詳しく紹介していますので、そちらも参考にしてください。
未経験IT転職失敗例から学ぶ
隣の芝は青く見えるのは皆一緒です。
波に乗り遅れまいと周りが見えなくなっている時が一番キケン。
キャリアアップすることが目的のはずが、転職することを目的にしてしまうこともあります。
十分な情報も集めず、第三者の意見も聞かず、「会社を辞めたい、転職したい」だけで動いて失敗する人が多いことも事実です。
でも、ちょっとだけ立ち止まって失敗した人から学んでみませんか?
もしかしたらあなたも同じ罠にハマって、貴重な時間、お金、チャンスを不意にしようとしているかもしれません。
IT業界への未経験転職でよくある6つの失敗パターンをまとめてみましたので、いまのあなたの状況を振り返りつつ学べることがないか参考にしてください。
IT系職種にはどんなものがあるのか?
IT系職種はざっと20種類ほどに分かれます。
系統は大きく3つ。エンジニア系、マネジメント系、コンサルタント系です。
まずエンジニア系は次の14種類です。
- Webエンジニア
- カスタマーエンジニア
- 組み込みエンジニア
- サーバーエンジニア
- サポートエンジニア
- システムエンジニア
- セキュリティエンジニア
- データベースエンジニア
- テストエンジニア
- ネットワークエンジニア
- プリセールスエンジニア
- ブリッジエンジニア
- プログラマー
つぎに営業・マネジメント系3種類。
- プロジェクトマネージャー
- プロジェクトリーダー
- アカウントマネージャー
最後にコンサル系3種類。
- ITコンサルタント
- デジタルトランスフォーメーションコンサルタント
- セキュリティコンサルタント
それぞれについて主な仕事内容と必要なスキル、あると有利な資格をまとめました。
Webエンジニア
主な仕事内容は、WebサイトやECサイトなどで使われるシステムの設計・開発・運用・保守を行うエンジニアで、サイトの見た目をHTMLやCSS、JavaScriptなどの言語で開発する「フロントエンド」とサイトの裏側のデータ処理をPHP、Perl、Pythonなどの言語で開発する「バックエンド」に分かれる。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
Webデザインん全般の知識(UX/UIなど)、OS全般の知識。
以下のプログラミング言語のスキル。
フロントエンド:HTML, CSS, JavaScript
バックエンド:PHP, Perl, Python
カスタマーエンジニア
主な仕事内容は、パソコンや社内システムのユーザーがトラブルで困った時に相談に乗ったり、不具合の調査、PCの交換、アプリケーションのインストールなど、システムの保守・点検・修理を行うのがカスタマーエンジニア。
個人ユーザーからの問い合わせに応じて訪問サポートしたり、企業に派遣されて常駐したりするエンジニアも多い。訪問サポートエンジニアの場合は、自宅から直行・直帰するのが通常。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
Windows, Linux, UnixなどのOS全般、マイクロソフトオフィスアプリケーション、ネットワーク・セキュリティ関連の知識、パソコン、プリンターなどサポート対象のハードウェア製品知識
資格:MCSA、CCNA
組み込みエンジニア
主な仕事は、洗濯機やエアコン、テレビなどの家電製品や工場のラインで稼働するロボット、工作機器などに組み込まれたコンピューターを制御するためのシステムを指す。
制御用プログラム開発が中心だが、家電や工作機械自体の開発にも関わることが多い。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
C, C#, アセンブリ
資格:基本情報技術者、応用情報技術者
サーバーエンジニア
主な仕事内容は、企業や大学などの教育施設、官公庁などで大量かつ複雑な処理をするための専用のコンピューター群を指す。
サーバーエンジニアは組織が必要とするデータ処理能力をもとにサーバー群の構成や導入後の保守・運用を設計し、管理する仕事。
サーバーはネットワークで繋がれるためネットワーク関連知識も求められるし、サーバー上では様々なシステムが動いているので、アプリケーションやプログラミング、セキュリティなど幅広い知識と経験が求められる。
また近年企業は自社内にサーバーを置かずにクラウド利用が進んでいるので、クラウド関連知識、データセンター関連知識も必須となっている。
クラウド化によって仕事が増える反面、運用系のサーバーエンジニアのポジションは流動的かもしれない。
特にグローバル展開しているまたはしようとしている企業や大企業の場合、サーバー運用部隊をインドなどのオフショアにまとめてリモートで運用してコスト削減するケースが多く、日本国内で企業に常駐して運用を担当するエンジニアは少なくなっているので情報はこまめに集めておこう。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
OS全般の知識、サーバー、ネットワーク、ストレージ、セキュリティ、データベース、クラウドなど広範なシステム関連知識、プログラミング能力、ハードウェア製品知識、データセンター関連の知見
資格:Linux技術者認定資格(LPIC)、 Cisco技術者認定資格(CCNA)、マイクロソフト認定プロフェッショナル(MCSA: Windows Server)
サポートエンジニア
主な仕事内容は、個人・企業の一般社員を対象として、パソコンや携帯、プリンターなど、日常利用する機械の設定、導入を支援し、トラブルが発生した時の復旧サポートをするエンジニア。
多種多様なトラブルに対応するため、サーバーエンジニア並みに幅広い知識が求められるとともに、企業に常駐してトラブルが発生した際ユーザーの席に直接駆けつける「オンサイト」サポートエンジニアの場合は直接対面サポートする場合も多いので、コミュニケーション能力も重要となる。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
Windows, Linux, UnixなどのOS全般、マイクロソフトオフィスアプリケーション、ネットワーク・セキュリティ関連の知識、パソコン、プリンターなどのハードウェア知識、サポート対象の製品知識
資格; Cisco技術者認定資格(CCNA)、マイクロソフト認定プロフェッショナル(MCSA: Windows Server)
システムエンジニア
主な仕事内容は、SEと呼ばれることが多いが、一般的に企業を顧客として、企業が求めるデータ処理、業務プロセス、セキュリティなどの企業のIT基盤とその運用など上流工程(「要求分析・要件定義」「基本設計」「詳細設計」「テスト」)を設計・管理し、構築・導入計画だけではなく予算も含めてプロジェクト全体をコントロールする。
ただし、プロジェクトの内容によっては、役割がかなり異なってくる場合も多い。後述のプロジェクトマネージャーをSEがたんとする場合もある。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、文章力、洞察力、製品知識、プレゼンテーション力、計数能力
資格:基本情報技術者、応用情報技術者、中小企業診断士、ITストラテジスト
セキュリティエンジニア
主な仕事は、サーバーやネットワークに関連する情報セキュリティを専門に担当するエンジニア。
サーバーエンジニアやネットワークエンジニアが兼務することも多いが、最近はサイバーセキュリティの複雑化、高度化を受けて役割も深く広くなったため、独立したポジションを置く企業も増えている。
システム系のセキュリティとアプリケーション系のセキュリティは異なるので注意したい。
また、他のエンジニアに比べて高い経験値が求められ、最新情報を入手するために英語力も比較的重要なので圧倒的に数が少ない。エンジニアの中でも超売り手市場。
ただし、セキュリティ関連はIT系職種の中でも特に最新の情報を追い続けなければならない仕事。発生する問題も緊急度の高いものも多く、昼夜・休日を問わずに対応を迫られることもあるので、ライフワークバランスを取りたい人には向かないかもしれない。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、文章力、洞察力、製品知識、プレゼンテーション力、計数能力
資格:ネットワーク情報セキュリティマネージャー(NISM)、公認情報セキュリティマネージャー(CISM)、情報セキュリティスペシャリスト
僕自身、採用に一番苦労したのがセキュリティエンジニアでした。
そもそも数が少なく、それゆえ候補者ごとにスキルレベルの開きが大きいので、求める人材が候補に上がってくるだけで3ヶ月、半年と待たされることがよくありました。
性質上緊急度が高い仕事が多く、関係者もピリピリしていますから、コミュニケーション能力が高いこともとても大切な点ですね。
データベースエンジニア
主な仕事内容は、企業が持っている様々なデータ(顧客データ、売り上げデータ、財務・会計データ、通信データなど)を管理するシステムを設計・導入・運用・保守するエンジニア。
企業の価値や財産、信用を守る仕事でもある。サーバーエンジニア同様、幅広い知識が求められる。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、文章力、製品知識、プレゼンテーション力、計数能力
資格:ORACLE MASTER、データベーススペシャリスト
テストエンジニア
主な仕事内容は、ソフトウェアやパソコン、サーバー、プリンター、ネットワーク機器などのIT製品、スマホや計測器などの電子機器が設計通りにきちんと動くか、想定外の使い方をした時にどんなエラーを発生冴えるのかなど、テスト段階や販売直前の製品品質をチェックするエンジニア。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、製品知識、JSTQB認定テスト技術者資格
テストエンジニアは「テスター」とも呼ばれることがあります。
僕自身も最初はテスターでIT業界に入りました。
作業が定型化されていることも多いので、スキルの低い業界未経験者にも任せやすかったのでしょう。
扱う製品にもよりますが、パソコンなどのエンドユーザー向け商品の場合には、オペレーティングシステムやアプリケーション、周辺機器などテストを実施する上で幅広い知識が必要になってくるので、ここで基礎を学べたことは幸せだったなぁと今でも思います。
新しいもの大好きだったので、セキュリティの厳しい新製品専用のラボで開発中の新製品とかドキドキしながらテストしていことが懐かしいです。。。
ネットワークエンジニア
主な仕事内容は、コンピューターネットワークの構築・保守・管理が主な業務。
ただし、個人のインターネット回線から企業のIT基盤としてのネットワーク、国家間のネットワークなどその種類や規模は多岐に及び、求められる技術力も非常に幅が広く深い。
ITインフラの生命線、動脈を維持・管理する重要な仕事。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、文章力、製品知識、プレゼンテーション力、計数能力
資格:ネットワークスペシャリスト
プリセールスエンジニア
主な仕事内容は、企業へ提案に行く際に営業に同行し、技術面から企業の問題点や課題を洗い出し、その解決手段を設計・提案するエンジニアのこと。
SEやサーバー、ネットワークエンジニア、プログラマーからキャリアチェンジしたり、異動で担当するようになった人が多い。
営業と一緒に業務を行うため、顧客との接点も多く、技術だけではなくコミュニケーション能力も求められる点はカスタマーエンジニアと共通する部分がある。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、文章力、洞察力、製品知識、プレゼンテーション力、計数能力
資格:エンジニアとして取得した資格、ITストラテジスト
ブリッジエンジニア
主な仕事内容は、一般的には海外に展開する企業が国外の子会社や関連会社のITシステムと連携・統合するようなプロジェクトを担当し、国内・国外のプロジェクトの設計に間違いがないかや予定通りに実行されているかを管理・調整するエンジニア。
当然英語もしくはその他の外国語が必要になる場合がほとんどなので、バイリンガルは必須要件となる。
技術力、プロジェクトメネジメント力、コミュニケーション力、外国語力と求められるスキルの種類が多いため求める人材を得ることが難しいポジションの一つ。
ブリッジエンジニアの場合、どの程度の権限・責任があるかで仕事の面白みも大きく変わります。場合によってはただの技術通訳・翻訳者になりかねないので、業務の内容と雇用契約の内容には十分注意してください。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、文章力、洞察力、製品知識、プレゼンテーション力、計数能力
資格:エンジニアとして取得した資格、語学力(TOIEC800以上)
プログラマー
主な仕事内容は、システムやアプリケーションの開発を担当する。システムやアプリケーションといってもデータベース、アプリケーション、ネットワーク、セキュリティ、組み込みなど様々で、種類によって用いるプログラミング言語は異なるため、興味のある分野をしっかり見据える必要がある。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、文章力、洞察力、製品知識、プレゼンテーション力、計数能力
資格:Oracle Certified Java Programmer、PHP技術者
その他:競技プログラミングで上位ランク
プロジェクトマネージャー
主な仕事内容は、開発、運用、導入などITシステムの様々なプロジェクトの計画、実行、を予算面、人員面、スケジュール面から全て管理する総責任者。
プロジェクトがソフトウェア開発であればプログラマー経験者が、サーバー・ネットワーク構築であればサーバー・ネットワークエンジニアが、コールセンターであればカスタマーエンジニア経験者がキャリアアップする場合が多い。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、文章力、洞察力、製品知識、プレゼンテーション力、計数能力
資格:PMP、プロジェクトマネージャー、ITストラテジスト、応用情報技術者
プロジェクトリーダー
主な仕事内容は、小規模のプロジェクトもしくは大規模プロジェクトで複数チームがある場合に、小チームを管理するポジション。プロジェクトマネージャー同様、そのプロジェクトで構築するシステムの経験者が担当することが多い。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、文章力、洞察力、製品知識、プレゼンテーション力、計数能力
資格:PMP、プロジェクトマネージャー、ITストラテジスト、応用情報技術者
アカウントマネージャー
主な仕事内容は、顧客に対して全責任を負う責任者を指すことが多い。全責任とは、営業的な責任だけではなく、システムの導入、運用、保守などその顧客が対価を払った全ての業務に対する責任を含む。
PM、SE経験者がキャリアアップすることも多い。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、文章力、洞察力、製品知識、プレゼンテーション力、計数能力
資格:ITコーディネータ、中小企業診断士、プロジェクトマネージャー資格、ITストラテジスト
ITコンサルタント
主な仕事内容は、SEがシステムの課題や問題を洗い出して解決手段を提案することに対して、ITコンサルはよりビジネスよりの課題や問題をIT技術をどう使って解決ずるかの提案をする。Bizコンサルト呼ぶ場合もある。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、文章力、洞察力、製品知識、プレゼンテーション力、計数能力
資格:ITコーディネータ、中小企業診断士、プロジェクトマネージャー資格、ITストラテジスト
DXコンサルタント
主な仕事内容は、最近流行のデジタルトランスフォーメーション(DX)を提案するコンサルタント。ITコンサルとの境界線はあやふや。ITコンサルがシステムよりとするなら、DXコンサルは企業の顧客向けサービスをどうやってデザインし、実現するかに注力しているとも言える。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、文章力、洞察力、製品知識、プレゼンテーション力、計数能力
資格:ITコーディネータ、中小企業診断士、プロジェクトマネージャー資格、ITストラテジスト
セキュリティコンサルタント
主な仕事内容は、企業のサイバーセキュリティの課題・問題を洗い出して、その解決を提案する。
セキュリティエンジニア同様の知見に加えて、ビジネス観点からの提案力も必要。
必要なスキルや持っていると有利な資格としては以下の通り。
技術力、論理的思考力、コミュニケーション力、文章力、洞察力、製品知識、プレゼンテーション力、計数能力
資格:CISSP、ネットワーク情報セキュリティマネージャー(NISM)、公認情報セキュリティマネージャー(CISM)、情報セキュリティスペシャリスト、中小企業診断士、ITストラテジスト
まとめ
ここまでの内容をまとめます。
・志望動機は現職・現業界との比較表を作ってギャップから導き出すと筋の通った内容になる
・未経験での自己PRはポータブルスキル中心に、語学力などのスキルの掛け合わせでアピール
・資格よりも今までの実績をどうアピールするかが大切。ただし、基本となる知識スキルはあるので、事前に独学で身につけること
・40代の未経験転職は投資効果を計算してドライに判断する
記事で書くと簡単に見えるかもしれませんが、実際はチャレンジの毎日です。
絶対に結果を出して、キャリアを上げていくという強い意志がないと新しい業界では成功しないでしょう。
とはいえ、IT業界はこれから全ての産業の基本・基礎となる社会インフラであり、将来性や成長性が最も期待できる業界です。
新しい世界を楽しみながらキャリアを上げて行ってください。
まずはあなた自身の現在位置=市場価値を確認して、確率の高いキャリアアップ計画を立ててみることから始めてみませんか?
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