ぶっちゃけあなたのスキルや経験に「市場価値」があればリストラでも倒産して仕事を失ってもすぐに次は見つかります。
※「市場価値ってなんだ?」という方はまず「社内評価と市場価値がズレると転職しても降格?年収ダウン?」をご覧ください。
しかし、あなたが自分の「市場価値」を知らず、転職を考えたことすらなければリストラ・倒産は想定外の天災になります。
ある日突然あなたを襲う自然災害と一緒です。
そんな不安がよぎったら、この記事を参考に準備を始めてください。
リストラというサラリーマンにとっての想定外のイベントについて、何を準備すべきか=どんなリストラ対策を取るべきかについて解説していきます。
市場を知り、ライバルを知り、自分を知り、準備する
業績を下げている会社や業界は、
・グローバル化とIT化によって業界の参入障壁が消えて、新しいライバルが増えた
・新しいライバルたちの「新しい儲かるビジネスモデル」についていけていない
・新しいスキルを持った人材を確保できていない
・経営陣が最新のIT技術やビジネスモデルを知らない、理解できない
ことなどが主な原因と感じます。
きつい言い方かもしれませんが、泥舟に乗っている限りあなたの運命も沈んでいくしかないわけです。
僕も前々職での異動の際に当時の上司から、「君の仕事がなくなるんだけど、選択肢は二つ。A部門へ異動するか、社外に機会を求めるか。。。」と言われて前者を選びました。
なんとなく転職は考えはじめていましたが、情けないことにその当時は全く準備ができていませんでした。
ある日突然降ってくるリストラに備えて
でその後のキャリアは大きく変わってしまいます。
マーケティング用語にSTP(Segmentation/Targeting/Positioning)という言葉がありますが、自分が応募する業界を決め、企業を選び、自分の強みを知る(他者との差別化)ことが競争に勝つ絶対条件になります。
その意味で転職活動は営業活動に似ていますね。
リストラが実行されれば、同じ部門から同じ経験や能力を持った人材が同時に市場に供給されることになります。
当然あなたの同僚も同じように転職活動をするわけなので、そこではライバルとなるわけです。
ライバルたちに勝つには、年齢、経験、資格、語学力、技術力を客観的に転職エージェントに評価してもらって、今のあなたへ市場価値、企業があなたに求めるものがなんであるかを知ることが最初の一歩です。
人材市場と自分の市場価値を知る
おすすめ転職エージェント&転職サイトの記事でも紹介していますが、まず、転職エージェントのキャリアカウンセリングや転職相談を利用して、次の3点を知ることから始めます。
問題は、今の自分に足りないものがわかったとしても、資格取得にしろスキルアップにしろ時間がかかることです。
それらは実績が伴って初めて価値を持ちますから、短期間で評価が上がるものではないのです
当然リストラが始まってから慌てても間に合いませんし、転職活動にかけるべき時間が減っておろそかになるリスクも高くなります。
定期的にキャリアの棚卸しをして、突然「選ばなければならない」状況に備えておくことが生き残るための条件になっています。
現状を知るタイミングが早ければ早いほど準備する時間が生まれることになります。
転職エージェントや転職サイトに登録すれば、
など具体的な情報が手に入りますから、面接対策や条件交渉の参考にもなります。
年収をはじめとする条件の良い求人はそもそも募集数が少ないので早い者勝ちですし、見つけた者勝ちです。
チャンスをつかむために定期的な求人情報チェックをおすすめします。
「やりたいことがわからない」「求人情報じゃなくてどうやれば市場価値が上がるのかを知りたい」そんなふうに悩んでいませんか?一人で悩むと堂々巡りでいつまでたっても解決せず、時間がムダに流れてチャンスも逃します。
自分にとってベストなキャリアを作るために何をすべきか?を知りたいならマジキャリなどのプロのキャリアコーチに自己分析をしてもらって、本当にやりたいことに見つけるのもありです。
\自分の強み・弱みがわからないなら/
あなたが気がつかなかった現在のキャリアの問題点・課題、異業界や異業種への転職の可能性も広げてください。
成功率を上げて効率的に転職活動を進めるための転職エージェントの組み合わせ方については「目的別おすすめ転職エージェントランキング【転職成功率を上げる組合せ方】」も参考にしてください。
自分の会社を知っていますか?
自分のキャリア棚卸しに合わせて、自社の業績も定期的に確認します。
について、投資家向けのIR資料(年次報告書、有価証券報告書、中期経営計画)や株価情報、業界紙などを通じて確認します。
特に株主の評価は経営に大きな影響を与えますから、会社がどう評価されているか、経営陣が何を求められているのかについては知っておいて損はありません。
例えば、株主や証券会社のアナリストからコストダウンを求めるような意見が相次いでいれば、一般的な対策として調達先の変更、不要な資産の売却、そして人件費の削減、つまりリストラですよね。
「自分がいなければ仕事は回らない」なんてことは絶対にありません。社長が変わったって会社は何事もなく続くんですから。
愛社精神を否定はしませんが、あなた自身そしてご家族を守るためにもあなたのキャリアを最優先で考えておくべきと思います。
そのために知っておくべき情報がたくさんあります。
会社や業界の成長性・将来性に興味があれば、次の記事を参考にしてください。
外資系企業の動きはやい
実力・成果主義の外資系の場合、日系企業よりも素早く行動しますから、「早めの準備」ではなく「常に準備」しておく必要があります。
外資系企業も国内法人で日本人を雇っていれば当然日本の労働法を守る義務があります。
グローバルでは大企業でも日本国内では中小企業サイズの場合、労働組合がケースも多いですね。
大手日系企業に比べると整理解雇になりやすいですし、「日本から撤退」という選択をするリスクが高いことは覚えておいてください。
僕自身外資系が長くなりましたので、常に社内外のアンテナを張って情報を集めるようにしています。
例えば、主なものは次のような情報です。
これに加えて、最低でも年に1回は信頼のおける転職エージェントと情報交換することがおすすめ。
現在の自分の状況と次のキャリアアップの希望などを説明し、市場のニーズと照らし合わせて今転職するとしたらどういう選択肢があるかを確認しています。
40代のリストラ対策
40代を超えてシニアのキャリアになってくると、転職はぐっと難しくなってきます。
ここでも外資系同様常に情報収集をして、自分の市場価値の定期的なチェックと次のキャリアを想定したスキルアップ計画を持っておくことが生き残れるかどうかの分かれ道になります。
業界大手・大企業に勤めているから転職も問題ないだろう、管理職だから求人はあるだろうと考えるのは間違いです。
なんの見通しも持たずにいると人生までもリストラされますので、年に1回は絶対に自己査定・キャリア査定をするようにしてください。
全てはその事実=今の自分の「市場価値」を知ることから始まります。
ライバルを知る
自社同様、業界全体の状況も定期的に確認しましょう。
こうした外的な要因について、総務省、厚生労働省、経済産業省、財務省などが発表する資料をもとにこれから何が起こるのかを知っておくと、キャリアを考える時の道しるべとなってくれます。
この時、自分の所属する部門の業界情報を集めるのは当然です。
加えて、周辺業界の情報も積極的に集めておくと転職先を検討するときに選択肢を広げることができます。
多くの職種でどの業界にも共通する業務はありますから、その「共通項」を見つけておくと異業種・異業界へチャレンジするときのとっかかりになります。
他の記事で紹介している「ポータブルスキル」もこの共通項の一つです。
興味があれば次の記事を参考にして考えてみてください。
この共通点は第三者の方が見つけやすいので、転職先の選択肢を広げたいときは転職エージェントのキャリア相談などを活用して利害関係の薄い第三者の意見をもらうこともおすすめです。
現状の経験とスキルで転職を考えるのであれば競合が転職先の有力候補になりえますから、競合の業績を自社の業績と同時に定期的に確認することはとても役に立つでしょう。
技術革新、外国人労働者、オフショアというライバル
毎日AIやロボットに奪われる仕事が奪われる!というニュースが流れていますが、これはこれから奪われるものではなく、すでに奪われているものもたくさんあります。
定型化できるものは、基本的に自動化できてしまいます。あなたの仕事のうち、何割がこうしたルーティンで行なっている作業でしょうか。
もしそれが3割であれば、同じ仕事の人三人分の仕事を一人にをまとめられます。単純計算でコストが1/3になるということです。
また、同じことを海外の安価な労働力を使って数分の一にすることはもはや当たり前の手段になっています。
自分の仕事の付加価値がこれから上がるのか下がるのか、そもそもその仕事はこれからも「人間」がやるものなのか、機械化・自動化されていくのであれば、それはいつか、なども考えておけば、そのこと自体が準備にもなりますよ。
顧客を知る
そして、自分の実績への評価を考えるときに大切なことは、所属する会社の顧客が誰かとう言う点です。
自分の給与の出所を辿っていくと、最終的には一人一人の、あるいは一社ごとの顧客になります。
その顧客が何を求めているのかが会社の製品やサービスに影響を与え、あなたに求める能力が決まるわけです。
例えば、あなたの会社が海外での売り上げを拡大させたいとします。
まずはアジア圏の顧客を狙い、中でも市場規模の大きい中国を最初のターゲットにしてみましょう。
当然社員に求められる能力に中国語が入ってきますし、中国人のバイリンガル社員の採用も始まりますよね。
ターゲットにしている顧客や市場を見ていると、どんな能力がいつ必要になるかのメドを立てることができるんです。
大きな流れを意識して、自分の価値を高めるための方法を考えておくことがリストラ対策の第一歩だと思います。
目標を立て自分に合った方法を考える
現状を把握し、キャリアの棚卸しも済んだら次にすべきことは具体的にどう進めるかを考えます。
理想と現実のギャップを確認し、目標を決める
よくなりたい自分となれる自分は異なるといます。これは中高年の転職に特に当てはまります。
どんな仕事であれ一定以上のポジションを望むのであれば、その業界・業務で必要な経験があり、求められる経験を積むにはそれなりの時間が必要だからです。
30代に残された時間と40代に残された時間は全く違います。
その違いを計算に入れずになりたい自分、やりたい仕事を決めても実現性がありません。
転職を考えるときには、捨てなければいけないこと、やらないことを知り、何を選ぶかを決めなくてはダメです。
目標を達成するためのプランを作る
目標が決まったら、それを実現するためのタスクリストを作ります。
ゴールから逆算して、今日何をやるかを決めるのです。何を、いつまでに実施し、それにどれくらいの時間と費用がかかるのかを試算しましょう。
例えば、TOIEC800点以上にビジネス英語力を1年以内に身につけると言う目標を立てます。
でも、現時点のTOIECスコアが500点だったら、あまり現実的な目標ではないですし、達成するとしても毎日相当の時間を勉強に割かなければいけません。
これが1年以内ではなく、2年以内という長期の目標であればちょうどいいと言えるかもしれませんが。。。
あまり時間かけてもストレスになりますので、細かなプランを立てすぎないことが大事です。
少なくとも自分が1週間にスキルアップに何時間使うことができるかくらいは計算して、1年間に投資する時間を割り出し、それを何に投資するかを決めます。
このとき、あれもこれもやりたくなると思いますが、多くても2つくらいに絞った方がいいとおもます。
一つのスキルを実務レベルで身につけるには1万時間必要という説もあります。限られた時間で最大の効果を出すためには集中的に時間を投資しないと中途半端なスキルしか身につきません。
成果を出すための目標の立て方に興味があれば、次の記事をぜひ参考にしてください。
あなたの価値を知る人のネットワークを作る
人を雇う側に立った時の僕の経験ですが、社内で活躍している人の友人・知人として紹介で入社する人(いわゆる「リファラル採用」)は、実際のパフォーマンスが高いだけではなく、ストレス耐性も強く、長く組織を支えてくれる人が多かったように思います。
※「リファラル採用」について興味のある方はこちらの記事を参考にしてください。
これは誰にでもできることで、すぐ実行できるやり方です。つまり、自分のファンを増やし、自分を売ってくれる人を増やすということです。
こうした「自分を売ってくれる人」とは定期的にあっておくことが、いざという時の助けになることはよく理解していただけると思います。
自分の経歴を棚卸しする際には、自分の人脈の棚卸しも同時にやって、転職活動を始めるときにはまず飲みにでも行って「情報交換」すると思わぬチャンスが生まれてきますよ。
まとめ 〜プランBを準備しておく〜
ここまでの話は予防策でしたが、リストラされることを想定して考え、準備を進めておくことも重要です。
新型コロナのように想定外を考えることはできませんが、「最悪のパターン」は考えられるはずです。
明日リストラされた場合に必要になるものは何かを今検討してみませんか?
一般的にはやはり「貯蓄」になると思いますが、まず以下を確認し、書き出します。
- 家族を含めて1年間働かなくても食べて、学んで、健康に暮らせるだけのお金はいくらか
- 現預金はいくらあって、足りないのはいくらか
- 足りない現金を今の給与で貯めるにはどのくらいかかるか
- 貯蓄のペースを上げるために切り捨てられる支出は何か、節約できるものは何か
- 退職金やボーナスをあてにして支払いを予定しているものは何か
- 持ち家の場合、売却できるか。いくらくらいを期待できるか
次に考えるのは、リストラされた後どうやって仕事を見つけるかです。そのために確認すべきことを書き出します。
- 同じ業界で転職できる可能性はあるか
- 実家や親戚、知人のツテを頼って転職できる可能性はあるか
- 今住んでいる場所から通えるところで働けるか
- パート、バイト、自営業などで働ける可能性はあるか
- 実家がある場合にIターン、Uターンで働けるか
- 黒字経営なのに後継者がいない事業を買う選択肢はありか
可能性のあるものについては、具体的にどうするかをシュミレーションします。
できること・できないことを書き出して整理することで不安は少なくなりますし、準備すべきこともわかりますから、一度試してみてください!
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