8つのポータブルスキルを磨いて市場価値と希少価値を上げる方法

「結果を出した人に高い給料を払う」成果主義の人事評価の広がりや人口減少による人手不足に合わせるように、中途採用時の評価の内容も変化してきています。

転職者の約半数が異職種・異業界への転職という事情もあり、未経験者の能力を何をもとに評価するのかが採用側の悩みです。

採用基準に一つの指針を与えたのが厚生労働省の「ポータブルスキル」でした。

業界や職種に特化したスキルや経験だけではなく、どの仕事にも求められる基本的な能力を評価することで業績に貢献できる人材を選ぶための基準でもあります。

この記事では、このポータブルスキルの内容と何がどう評価されるのかについて解説します。

未経験の業界・職種に挑戦しようとしている方がキャリアプランを考える際の参考になればうれしいです。

目次

評価の軸が変わってきている

腕時計の針

年功序列で人事評価している会社だからといって能力が求められないわけではありません。年功序列の問題は突出した能力があっても能力の差ほどに給与に差が出ない点です。

例えばある仕事に3日かかる人と1日で終えてしまう人がいたとしても、給与は3倍にはなりません。

もちろん、昇進のスピードは上がると思いますが、一般社員と部長職で年収が3倍にはならないでしょう。

しかし、これではもう優秀な人を雇うことはできません。

世界的に見ても人材は奪い合いであり、給与面だけではなくどれだけ働きやすい環境を提供できるかなども会社選びの基準になっています。

成果主義になって評価軸が変わってきている

では、成果主義が評価の基準になったとして、採用の時に評価する基準はなんでしょうか。

当然ですが、成果を出すためにはスキルだけではなく、チームワークで働く必要がありますので、業界や業種に特化したスキル以外にも様々な能力を求めることになります。

外資系が年齢、性別、国籍にこだわらないのは、成果を出すための課題解決力を重視していることもありますが、グローバル化した経済環境では1人で高い成果を出すことが難しいことをよく理解しているからです。

ポテンシャルとポータブルスキルは異なる

未経験者を採用するときによく使われる言葉に「ポテンシャル採用」がありますが、これはポータブルスキルとは別の内容になります。

ポテンシャルには、その人が入社した後にスキルを身につけ業務経験を積んだ後に会社の業績に貢献するだけの能力があり、それまでに会社がかけた投資に見合うリターンをもたらすだろうという見込みがあることを意味します。

一方、ポータブルスキルはすでにその人が持っている能力で、業界や職種が変わっても失われな汎用的なスキルです。

つまり、ポテンシャルの中にはポータブルスキルが含まれる場合があります。

採用基準はどう変わったか

GoogleMapが示す道順

誤解のないように最初にお伝えしますが、今でも学歴や職歴、スキルが評価されなくなったわけではありません。

そうした客観的に証明できる能力の他にも高く評価されるスキルとしてポータブルスキルが出てきたと考えてください。

ヒト軸からコト軸へ

採用側にとっても転職者にとっても一番避けたいことは入社後のミスマッチです。

ミスマッチが発生する理由別記事で詳しく解説しているのでそちらも参考にしていただきたいのですが、採用時の人事評価という切り口から説明すると「その人何者なのか」という俗人的な観点(ヒト軸)からだけの評価に偏っていたからということができます。

それを補う形で「その人がどんな課題を解決してきたのか」を評価の軸(コト軸)に加えるようになりました。

① ヒト軸→人の属性しか見ないので、本質的な能力を見落としてしまう
・どんな人を採用したいのか
・どんな仕事をしてきた人なのか
・どんな経験を積んできた人なのか

②コト軸→業種・職種を超えた共通の課題解決
・どんな課題を解決したいのか
・どんな課題を解決してきたのか

この「課題解決力」を支えるのが「ポータブルスキル」です。

では、ポータブルスキルの具体的な内容を一つ一つ説明します。

ポータブルスキルとは何か

ポータブルライト

厚労省の「ポータブルスキル」定義

「ポータブルスキル」の厚生労働省の定義を引用します。

※ポータブルスキル・・・業種や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力のこと。「専門知識・専門技術」の他、「仕事のし方」(課題を明らかにする・計画を立てる・実行する)、「人との関わり方」(社内対応(上司・経営層)、社外対応(顧客、パートナー)、部下マネジメント(評価や指導))で構成。 

出典:厚生労働省「ミドル層のキャリアチェンジにおける支援技法」より

この定義からも分かるとおり、ポータブルスキルはTOIECスコアのように点数にすることはできませんし、「どれくらいやったら身につくのか」という量で測ることもできません。

とても主観的で評価者によって基準も評価の結果もブレが出やすいあやふやな基準とも言えます。

にもかかわらず多くの企業や政府機関が重要視する理由は、ポータブルスキルが業績貢献に欠かせない重要なものと考えるようになったからです。

これも年功序列・終身雇用を維持できなくなったことや「平等」な人事制度では優秀な人材が集まらないことも背景にあるはずです。

僕にとって「ポータブルスキル」とは、「過去の実績や貢献を再現する力」であり、業界や業種を選ばない汎用的なスキルと理解しています。

これが企業に伝われば、必ず「会いたい」と思われるので、履歴書や職務経歴書でどう伝えるか、面接で説得力をもって説明できるがが今の転職活動の重要なポイントになっていると思います。

課題発見力、課題設定力、課題解決力

ポータブルスキルの中心は次の3つの力です。

① まだされも気が付いていない、しかし業績や将来に大きく影響する課題を見つける力
② 見つけた問題を経営課題として具体化する力
③ 具体化された経営課題から目標と現在の状況のギャップを分析し解決策を立て、業績に貢献する力

②と③はある程度経験を積めば身につけることができますが、①については意識して訓練することなしには身につきませんし、チームワークが必要な場合もあります。

様々な要素が複雑に絡み合うために変化の幅も大きくスピードも速いグローバル経済の中では、潜在的な課題を見つける力が会社の業績や将来にものすごく影響することはわかっていただけると思います。

対人マネジメント力

人間関係を管理するスキルも重要なポータブルスキルの一つで、コミュニケーション力を含みます。

大きく次の3つに別れます。

① 上司や経営層など社内のステークホルダーとの関係
② 顧客やパートナーなどの社外のステークホルダーとの関係
③ 部下の育成・指導・評価

僕は「巻き込み力」ということが多いのですが、関係者との信頼関係を作り、維持し、協力をえて設定した目標(業績)を達成する力と理解しています。

この対人マネジメント能力はどのポジションにいても必ず必要であり、日常業務の中で意識して磨いていくことができるスキルです。

この力が弱いと、仕事を1人で抱え込んでしまって失敗を繰り返したり、顧客に迷惑をかけた結果社内で孤立し退職、という負のスパイラルに巻き込まれていく話もよく聞きます。

コミュニケーションスキル=巻き込み力を伸ばす秘訣は、まず自分が巻き込まれることです。

例えば、部門横断的な仕事やイベントなどの業務とは関係のない仕事に率先して参加して社内人脈を広げるなどはとても効果のある方法だと思います。

また、プライベートの趣味を広げてたり、英会話や社会人大学で学び直すこともいいと思います

力が欲しいなら、まず自分から飛び込んでみてください。

計数力

見落としがちなスキルが「計数力」です。

これはプロジェクトのコスト管理や時間管理もそうですが、業績指標を理解できるくらいの管理会計・財務会計知識は持っておきたいところです。

最近は会社の数字をわかりやすく解説したビジネス本も多いので、手に取って自社・顧客の決算書を分析することから始めてください。

特に自社の決算書は会社の将来性や現在のリスクなどを理解することにも役立ち、あなたのキャリアプランを支える力となりますからぜひチャレンジしてください。

論理的思考力・プレゼンテーション力

論理的思考力は業務の全てにおいて求められますので、普通に仕事をしていればある程度は鍛えられると思います。

しかし、プレゼンテーション力は全く別です。

ランダムに与えら得たテーマについて自分の意見をまとめて10分間きっちり発表してください、と言われてパッとできる人は相当プレゼンに慣れている人です。

プレゼンは論理的思考力、情報収集力、論理的構成力、課題発見・設定・解決力、そして表現力=伝える力が総合的に求められます。

プレゼンテーション力の優れた人の履歴書や職務経歴書は説得力にあふれ、「この人に会いたい」と思わせることがとても上手です。

短期間で身につけることができないものですが、上記のようにその内容を分解して理解することで、少しづつでも身につけ磨いていくことはできます。

実務経験や業界知識に掛け合わせることであなたの市場価値を上げてくれるスキルでもありますから、キャリアプランに加えて自分から取り組んでみませんか?

英語力

大切なことなので何度でも書きますが、英語はグローバルプラットフォームです。

グローバルな仕事は英語という土台の上に成り立っています。

もちろん通訳やGoogle翻訳でできることもありますし、それで十分という人が大半でしょう。

しかし「大半」=希少価値を持っていないということでもあります。

人材市場であなたの市場価値を上げる手段としてぜひ英語力アップにも取り組んでください。

まとめ

机の上のビジネスバッグ

ここまでの内容をまとめます。

・年功序列・終身雇用の崩壊、人口減、経済のグローバル化で採用基準が変化している
・評価の軸は「ヒト軸」と「コト軸」の2軸評価へ変化
・ポータブルスキルは課題を解決する力であり、業界・職種を選ばない
・ポータブルスキルは日常的身につけられるものが多い
・ポータブルスキルは市場価値を上げる重要なスキル

相次ぐ災害や新型コロナ禍によって多くの「想定外」が起こり、変化を強制されました。

これからもこうした予期していなかったことが起こり続けるでしょう。

そして、変化した環境には僕たちが気が付かないリスクとチャンスが潜んでいます。

ポータブルスキルを身につけて仮説をたて、仲間を巻き込み、課題や問題を掘り起こして先手を打って成果を届ける力を育てませんか?

その力は必ずあなたの市場価値を上げてくれるはずです。

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