市場価値とか言われても、結局なんなの?よくわからないんだけど・・・?

職種やポジション、業界によっても市場価値の中身は変わりやすいので、確かにわかりずらいですよね。。。
自分の「市場価値」をわかりやすく伝えるにはどう話せばいいのか、僕も転職の時にかなり悩みましたね。
シンプルに言えば「市場」は取引の場所、取引されるものがサービスであれモノであれ、人であれ「価値」は値段で決まります。
つまりは自分の相場なんですよね。
そこで、この記事ではITエンジニアを例にして、どんなポイントがあなたの値段を決めるのかについてまとめてみました。
例がITエンジニアなので、プロジェクトマネージャーやプログラマー、プリセールスなどIT関連の仕事をしている人にも参考になると思います。
大前提として忘れて欲しくないことは、スキルや経験それ自体が年収をあげてくれるわけではなくて、それが会社や組織にとって価値がある場合=あなたが仕事で成果を顧客に届けられると判断された場合に価値を持つ、ということです。
あなたの市場での評価=年収が決まる仕組みを知ることで、何が自分に足りないのか、いつまでに何をしなければいけないか、何を選ばなければいけないのかの判断できるようになると思います。
転職は情報戦でスピード勝負=椅子取りゲームですから、ルールをおぼえたら即行動です!

この記事があなたのキャリア作りに役立つように頑張ってまとめましたので、ぜひ最後まで読んでください。
ITエンジニアの例で考える市場価値の具体例

最初に例を一つ。
AさんとBさんの年収はどれくらい違うと思いますか?
異なる点は勤務地、企業のタイプ、業界、そして企業の人事制度か。。。
Aさんはラクラク年収1,000万を狙えます(2,000万と言われても僕はぜんぜん驚きません)が、地方で働くBさんは勤務地の平均よりは高めですが、良くても大体400~600万でしょう。
※外資系転職エージェントのロバートウォルターズが毎年発表している給与調査2020では、東京都で働くサーバー(クラウド)エンジニアの年収レンジは1,000~1,600万でした。

もしAさんがアメリカのシリコンバレー勤務なら、控えめに言っても余裕で2,000万オーバーかと。。。
企業の人事制度の違いやビジネス的な価値をどこに、何に対して求めるか、市場の規模はどれくらいかによってエンジニアの価値は大きく変わってしまいます。
※人事制度の違いがキャリアにどう影響するかについては次の記事で解説していますので、参考にしてください。
転職でどのように市場価値が判断されているのかをサーバー(クラウド)エンジニアの例で説明したいと思います。
※以下「サーバーエンジニア」とします。
※細かな説明はいいから自分の値段が知りたいという方は、転職エージェントにあなたの現在の市場価値を調べてもらってください。
非公開求人情報を手に入れたり自分の市場価値を知ることで転職成功率は間違いなく上がるので、転職エージェントを活用することをおすすめはしますが、使う・使わないはあなた自身のご判断かなと思います。
20代・第二新卒に特化した【マイナビジョブ20’s】、第二新卒・既卒で正社員を目指す方でITベンチャーにも興味があるなら【ハタラクティブ】、関東エリアの20〜30代向けIT・WEB系求人が豊富な【マイナビIT AGENT】、業界最大手で非公開求人も多い【doda】あたりなら、求人数も多くて質も高いと思います。
成功率を上げて効率的に転職活動を進めるための転職エージェントの組み合わせ方については「目的別おすすめ転職エージェントランキング【転職成功率を上げる組合せ方】」も参考にしてください。
「自分にはどんな仕事がむいているのかわからない」「何に価値を感じるのか見つめ直したい」という気持ちがあるなら、改めて「自分のキャリアにとって大事なことは何か」考える時間を持ってみませんか?
マジキャリなどのキャリアコーチングを活用してじっくり答えを探すことも選択肢の一つです。
>>【マジキャリ】キャリアと向き合う60日間!有料キャリアコーチング自分では気がつかなかった市場価値のある経験やスキルの組み合わせに気がついたり、異業界や異業種への転職の可能性も広がtたり、現在のキャリアの問題点・課題も教えてもらえますよ。
ITエンジニアの市場価値を決める7つの要素
サーバーエンジニアを例に説明を進めます。
サーバーエンジニアを含むITエンジニアの市場価値を決めるのは、大きく分けて次の7つです。
市場価値を決める 項目 | 内容 |
---|---|
①スキルの種類と レベル | エンジニアが持つべきスキル・技術力、 業界や職種が求める他にない能力 |
②業務で積み上げた実績 | スキルを使って達成した業務、成果、年齢とのバランス、業界の特徴 |
③スキルの将来的なニーズ | ビジネス成果を達成するために必要なスキルや知識、経験 |
④年齢とのバランス | スキルや経験・実績が年齢とバランスが取れているか |
⑤人事制度 | ジョブ型の人事制度と年功序列・終身雇用型の違い |
⑥性別 | 男性か女性かが市場価値に影響するか |
⑦勤務地 | 生活コストの違いはある程度年収に反映される |

だいたいどの職種でも評価の対象となるスキルはこの7つと考えていいと思います。
①スキルの種類とレベル
ITエンジニアの市場価値を決めるもので一番大切なものは言うまでもなく技術力です。
などですね。
それぞれのスキルは難易度や経験値、他のスキルをどれくらい持っているかなどでもレベルが変わっています。
例えばサーバーエンジニアの場合、サーバーに関することだけわかっていればいいわけではありません。

サーバーはネットワークにつながって初めて機能しますし、ネットワークにつながると言うことはセキュリティの問題が出てきます。
相互に機能を補い合って、会社のシステムは作られています。
また、業界や職種が求める特別な知識やスキル、他にない能力が加わる場合があります。
例えば銀行などの金融機関の場合は金融庁の監査などが抜き打ちで入る場合があります。
監査内容やそれに付随する手続き、日頃から準備しておかなければならないことなど、その業界、会社、仕事にしかないスキルや経験です。
これは他の会社・業界・職種で役に立つ場合と立たない場合がありますが、多くは伝え方次第で価値を持ちます。
例えば、先程の金融庁監査の例で言えば、突発的な対応力、政府組織のプレッシャーに耐えるメンタル、監査対応のための組織マネジメント力、交渉力、調整力などでしょうか。
日常業務の中にこそスキルや経験、キャリアとして市場価値を持つものが眠っている場合もあります。
履歴書や職務経歴書を作成する際には、今までやってきたことや経験したことをノートなどに書き出せるだけ書き出して、あなたの中に眠っている金脈を探してみてください。

転職経験のない方は、この金脈探しにはプロの目で評価してもらった方が効率も精度も上がりますから、転職エージェントをアドバイザーとして活用するべきだと思います。
②業務で積み上げた実績
さらに、サーバーを組み立てたあとはOSやアプリケーションの導入、設定を助け、ユーザーが毎日の仕事で問題なく使えるように運用する必要があります。
運用費の計算や予算計画や故障時の対応プランを立てる力も欠かせないスキルと言えますね。
上級レベルのサーバーエンジには、こうした技術の周辺も含めてスキルや知識を持ち、実績を積み上げることで上級サーバーエンジニアとして評価されるわけです。
また、業務内容や求められるレベル・難しさは業界によって異なり、それが評価に影響することは覚えておいてください。
例えば、小売と金融ではサーバーエンジニアに求められるレベルが全く異なりますし、傾向として大企業の方が評価が厳しくて、年収も変わります。
最近はジョブ型人事制度の広がりで企業の大きさではなく求められるスキルや経験の質によって評価が変わるようになってきましたので、個別に調べておく必要がありそうですね。
③スキルの将来性とニーズ
サーバーエンジニアも他のITエンジニア同様、最新の技術についての知識がないとあっという間においていかれてしまいます。

つまり、エンジニアとして役に立たなくなる=価値を失うと言うことです。
サーバーエンジニアとしての価値を保つためには、スキル・知識を常に最新にしておく必要があります。
また、②の業務で積み上げた実績同様、業界の特徴は持つべきスキルやニーズに影響することを覚えておいてください。
自分から積極的に情報を集め、勉強していかないとすぐライバルたちに置いていかれるでしょう。
スキルが古くなれば仕事で必要とされず経験や実績もつめなくなります。
つまりエンジニアとしての需要=市場価値を失うと言うことです。
「将来的な需要」=仕事の将来性というポイントからおすすめのIT系職種をまとめた記事がありますので、こちらもぜひ参考にご覧ください。
④年齢とスキル・経験のバランス
また、当然ですが、経験値やスキルレベルが年齢とバランスが取れているかも重要です。
例えば、40代後半の人が新人レベルのサーバーエンジニアを希望してもマッチする求人はほとんどないと思います。
35歳以上であれば、管理職経験やエンジニアとして業界トップクラスの実力がないとニーズがなく、高い評価はもらいにくいからです。
未経験もしくはそれに近いレベルで転職するとき、年齢の壁は厚くなり、ポテンシャル採用の成功率は歳をとるごとに低なっていくと思ってください。
ただし、他業界ですごい実績をあげていてそれが他の会社でも価値があるとか普通は持っていない人脈があるなど、特別なものを持っている人は年齢の壁を超えやすいと思います。

例えばイチローだったら、トヨタの役員向けのメンタルトレーナーとかにもなれそうじゃないですか?
特定の会社や業界にしか響かない場合もありますし、こればかりは調べてみないとわからないことなので、あなたに心当たりがあれば転職エージェントに相談してみてください。
また、外資系の場合は少し事情が異なります。
外資系企業の場合、基本的に年齢、性別、国籍、宗教などでの差別は規則で禁じられている場合がほとんどです。
問われるポイントは「その仕事、ポジションに相応しい実力と人格があるかどうか」です。
それゆえにジョブ型人事制度を採用し、職務範囲を限定し、それに見合う給与を設定していますから、未経験でも応用が聞いて成果を出せると評価されれば、採用の確率は上がります。
全く異なる職種や業界より、似ている仕事、関係のある仕事、隣の業界などを選ぶと未経験の転職は成功率が上がりますので、ぜひ検討に加えてください。
⑤人事制度の違いによる影響
ジョブ型・成果型人事評価制度と年功序列・終身雇用型人事評価制度ではスキルやニーズに対する評価の仕方も変わります。
ジョブ型の場合、ある範囲のスキル・経験に絞っている分、とんがったレベルの人にはとんがった給与を提案します。
日系大手SIerがAI人材に3,000万出すというニュースも流れていましたが、欧米並みにジョブ型が広がればこういった例も増えるでしょう。

外資系は、年齢的な制限・制約が日系企業に比べると少ない点は覚えておくと応募先候補が広くなりますね。
年功序列・終身雇用型の人事評価制度では、長期雇用と極端な年収ダウンがないことを約束する代わりにジョブ型・成果型人事評価制度のような年収の上がり方・下がり方はしません。
安定してリスクは少ないけれども、頑張っても金銭的な見返りは少ないということになります。
企業経営的に見るとコストの一番大きな人件費のコントロールがやりやすいというメリットがありますし、高い技術を持った職人を育てるために長期間の技術研鑽が必要になる高度経済成長期の製造業のニーズとマッチした制度だったとも言えますね。
⑥性別で市場価値は変わるか?
この点はITエンジニアの場合、性差がスキルや経験値の及ぼす影響はほとんどありません。
そもそも「ダイバーシティ」が常識になりつつある中、評価に性別を持ち込むような会社は生き残れませんので、対象から外しましょう。
コールセンターやサポートエンジニアであれば、女性の管理職も珍しくありません。
年収も男性に比べて差別があるという話もあまり聞きませんね。

男性か女性かという点は、市場価値の有無よりも社風が影響するポイントではないでしょうか。
⑦勤務地で給与は変わるのか?
どこまで影響するかは職種や企業の事情によって変わりますが、一般的に首都圏や大阪などの大都市圏はそれ以外の地方よりも生活費がかかりますので、年収レンジは高くなります。
例えば、地方で500万の年収をもらっている人が、同じ職種同じポジションで東京で転職先を探す場合、10%程度の年収アップは見込めるはずです。
ただし、生活費も上がるわけですから差し引きゼロになることも・・・。
市場価値を支えるポータブルスキルとは?

ITエンジニアとしてのスキル・経験・実績に加えて、ビジネスパーソンとして(社会人として)常識を持ち、社員として効率的・効果的にに仕事を進めるためのスキルが必要となります。
詳しいことは「鍛えると市場価値が上がる8つのポータブルスキル&アピール方法」を参照して欲しいのですが、代表的なポータブルスキルは次の通りです。
代表的なポータブルスキル | 内容 |
---|---|
課題発見・設定・解決力 | 業務成果を出すために何をすべきかを設定し、 問題があれば解決する力 |
コミュニケーションスキル | 効率的に仕事を進めるための力 交渉力や巻き込み力を含む |
計数能力 | サーバー運用管理に必要な計画・ 運用コストの試算などに必要 |
IT法律関連知識 | デジタル化されたビジネス環境に必要な個人情報・ 機密情報を守るための知識 |
英語力 | 最新のITスキルを保つために 海外の情報を入手するための力 |
課題発見・設定・解決力
エンジニアに最も求められるスキルがこの課題発見・設定・解決力です。
サーバーをはじめとするIT関連システムは、家電製品のようにボタンひとつで動くものではありません。
会社ごとに、場合によっては部門ごとに様々調整・設定・運用が必要になることもあります。
結果として、一度問題が発生すると原因究明・対策立案にものすごい労力が必要になります。

これを予防し、発生した時に速やかに解決する力はエンジニアとして以前にビジネスパーソンとして持っておくべきスキルですね。
コミュニケーションスキル
スムースに仕事をこなす上でコミュニケーションスキルが重要です。
ネットワークエンジニアやセキュリティエンジニアだけではなく、ITシステムを利用するユーザー部門との交渉、社外のベンダーの管理、契約交渉や事務処理など、他の仕事と変わりません。
また、リーダークラスになればチームメンバーのメンタル、勤怠、スキル管理なども必要になります。
コミュニケーション能力を磨いていくことは、会社のビジネスを支えるシステムを創り・守るエンジニアだからこそ必ず必要になるスキルです。
最後に、コミュニケーションスキルの一部として知っておいていただきたいスキルが「カスタマーフェーシング」スキル、つまり顧客との交渉・折衝力です。
社内エンジニアとして働く場合でもある程度は必要ですが、ITベンダーでサーバーエンジニアとして働く場合、顧客への報告・相談・連絡や、新規顧客への提案の手伝いなど、社外の人とのコミュニケーションは社内エンジニアとして働くよりも圧倒的に多くなります。

このエンジニア+カスタマー対応が営業よりに進むと「プリセールス」という職種につながって行きます。
計数能力
サーバーエンジニアは、社内のユーザーや部門がどれくらいの量のデータを使うかを把握し、サーバーのサイズや性能を設計し、構築し、運用する必要がありますから、予算管理も重要な能力になります。
すごく性能の良いサーバーを購入して、スピードやレスポンスが早くてユーザーにも喜ばれたとしても、予算を大きく超過して部門予算が赤字になってしまっては評価はマイナスです。
IT法律関連知識
計数能力同様、最近のエンジニアには必須のビジネススキルが法律です。
いま社会は個人情報の取扱にものすごく敏感です。
毎日のようにどこかの会社でハッカーに顧客情報が盗まれたとか、社員が機密情報を社外に持ち出したなんてニュースに溢れていますよね?
セキュリティ事故を予防し、発生した場合には速やかに回復するためにも法律の知識を持っていることは重要なスキルの一つになってきていますし、管理職以上は必須のスキルといえます。
英語力

ここでも僕は英語力を上げておきたいと思います。
市場価値を維持し、スキルを伸ばすためにも最新の情報を知ることは重要であると解説しました。
IT関連技術のほとんどは海外特にアメリカ発です。
英語力があれば、常に最新かつ1次情報を手に入れることができますから、身につけて絶対損のないスキルです。
英語力と年収の関係から見える市場価値
バイリンガルに特化した人材サービスを提供するヒューマングローバルタレントの調査によると、英語力を持つビジネスパーソンは、全年代においてコロナ後に年収がアップしたそうです。
注目して欲しいのは、英語力のあるなしで各年代で年収が大きく違うということ。

20代では20万円ですが、30代で103万円、40代で119万円、50代になると255万円も違います。

単純計算でも50代の10年で2,550万円違うって凄まじいですね。。。
新卒から定年まで考えると5,000万円?!家が立つしマンションが買える?!
ITエンジニア向けですがお金をかけずに独学する方法からおすすめのオンライン英会話教室の情報を記事にまとめていますので、興味があればチェックしてみてください。
まとめ

ここまでの内容を簡単にまとめておきます。
・ITエンジニアの市場価値を決めるものは、スキル、実績、需要、企業規模や業界特性、年齢とのバランス、勤務地がある
・ポータブルスキルはビジネスパーソンとしての基礎であり、ITエンジニアにとっても市場価値を支えるもの
・語学力は年収レベルと一つ上にあげてくれるから、ぜひ身につけておくべき
この内容からもお分かりになると思いますが、どの点も短期間で身につけ、育て、または改善することが難しいものばかりです。

毎日の仕事の中で意識して育てる必要があります。つまりキャリアプランが大切になってくると言うことでもありますね。
他の職種やポジションでもこの点だけは変わりません。
意識するだけで伸びるスキルはたくさんありますので、明日からの仕事にぜひ役立ててみてください!
コメント