
・来年からジョブ型に変わり始めると会社で発表されたけど、ジョブ型ってなに?
・成果主義が導入されてから、成績評価がすごく厳しくなって年収が下がってしまった。
これじゃあ、終身雇用じゃなくて終身奴隷だよ。
会社の人事制度の変更・変化はキャリアにも人生にも大きな影響があります。
この記事では、なんとなくわかる気がするジョブ型、成果主義、年功序列、終身雇用について内容、メリット、デメリットを解説します。
人事制度が大きく変わろうとしている
最近ニュースになることも多い「ジョブ型」や「成果主義」は一部の大手企業で導入が始まっていますが、元々は外資系企業が選ぶ採用・人事制度。
もちろん日本は「年功序列・終身雇用」。
新卒一括採用で社会人になったら定年退職までひとつの会社を勤め上げることがステータスにすらなっていました。
しかし、いまや企業の寿命はあなたのサラリーマン人生よりずっと短いのです。
つまり、実際は終身雇用は一部の大手企業や市場シェアが高く経営が安定した優良かつ長寿企業で生きながらえている制度になりつつあります。
日本人は安定が何よりも好きなので、公務員や大手企業の「終身雇用」への憧れが強かったとも言えますね。
※企業のライフサイクルと転職のタイミングについて知りたい方は次の記事を参考にしてください。
ところが、バブル崩壊、大震災、そして新型コロナ禍と世界と日本をおそった厄災や経済のグローバル化・複雑化は企業の人事制度にまで影響しています。
いま転職は当たり前になりましたし、35歳転職限界説もすでに伝説です。
トヨタをはじめとする国内のトップ企業も新卒一括採用・年功序列・終身雇用は継続できないとはっきりいっています。
※年功序列の崩壊について知りたい方は次の記事をご覧ください。
もちろん、多くの企業がトヨタのように方向転換できるわけでもありませんし、する必要もないかもしれません。
それでも、日本の人事制度が大きく変わろうとしていることは間違いありませんし、この流れは加速していくはずです。
会社の人事制度を支える「等級」「評価」「報酬」制度

会社の人事制度を支えるものを大きく分けると次の4つになります。
① 等級制度
能力や仕事の内容ごとに階級分けして給与や役職を決める仕組みです。
一般的には5〜8段階程度に分かれて、それぞれに評価の基準や給与の幅、賞与の比率が決められています。
② 評価制度
社員のパフォーマンスを評価するための基準を決める仕組みです。
等級ごとに評価する項目が決めれられているのが普通で、技術力、管理力、やる気、成績・業績などが数値化されて評価されます。
③ 報酬制度
等級を元に給与や賞与の内容を決め、評価によって金額を決めるための仕組みです。
例えば部長で評価が高ければ、基本給は年額ベースで720万円、賞与は部長職の場合基本給の年収部分の15%だから108万円、高評価の場合賞与は20%増になるので130万円といった感じですね。
④ 昇格制度
スキル・経験・実績が高く評価されれば、当然上位の等級へ「昇格」となりますが、この昇格の条件を定めた仕組みです。
会社によっては条件を満たした上で、昇格試験を受けて合格しないと昇格できない場合もあります。
企業の人事制度のあり方を決めるのが「成果主義」・「年功序列・終身雇用主義」です。
例えば成果主義の会社であれば、評価はより業績や個人の成績よりになりますし、昇格制度も実績評価が中心です。
年功序列・終身雇用主義の会社であれば、成績・業績の結果だけではなくやる気・管理力・就業態度といった間接的な貢献度も大切な要素として評価するようになります。
ジョブ型、成果主義、年功序列、終身雇用の内容、メリット、デメリット

まずはジョブ型とメンバーシップ型採用、成果主義と年功序列・終身雇用主義について内容、メリット、デメリットを働く側の視点で表にまとめましたので、ご覧ください。
個人的には、
が一般的なイメージかなと思っていますが、次のようなパターンもよくありますね。
しつつ、成果については職種によって重みづけをする
結果を出せばある程度収入が増える

もともと市場のニーズ的にも少ない法務や財務など社歴が長いほど仕事の質が高くなりやすい仕事は応募数が少ないため、候補者を探すにも苦労します。
こうした調達が難しいポジションの社員が不満を持って転職しないよう、年功序列・終身雇用制度をとる会社も、一部成果主義的な評価制度を取り入れるようになってきていますね。
会社がどういう制度を取るかに加えて、その仕事の特性によって評価の範囲や重みづけ(給与へ反映させる比率など)が変わることを理解しておくと、転職先候補を絞り込むときの参考になりますよ。
人事制度が変われば身に付く経験・能力・スキルも変わる

転職でキャリアや年収を上げたいなら、人事制度があなたのキャリアや働き方にどう影響するかについても考えておくことが大切です。

スペシャリストになりたいのに年功序列・終身雇用でジェネラリストの幹部候補生が出世する会社にいっても経験もスキルも上がりにくいと思います。
転職前後で評価の対象、基準がどう変わるかを確認しないまま転職すると、自身はあったのに全く結果が出ず評価もされなかったなんてことはよく聞きます。
興味のない仕事・職場への異動や海外転勤がありますから、スキル的にはゼロからの再スタートです。
それまでに身につけたスキルや経験はどんどん時代遅れになっていきます。
新しい仕事を学びながら、キャリアとして磨きたい仕事のキャッチアップは相当難しいはずですよね?
あなたがスペシャリストを目指すのであればジョブ型制度を取る会社を選んだほうが効率がいいと思います。


ジョブ型でない場合は、少なくともあなたのキャリア作りをあなたの意思に従って選べるような制度を組み入れている会社を選ぶできです。
例えば、もしあなたが年功序列・終身雇用制度をとっている日系企業に新卒で入社して10年働き、35歳になる前にバリバリのジョブ型外資系へ転職してスペシャリストを目指したいなら、次の2つのポイントをしっかりとアピールできることが大切です。
① 現在の経験・スキルの市場価値を客観的に知っていること
⭕️ 複数の転職エージェントにキャリア査定しもらっている、他の候補で内定がすでに出ている
❌ 色々な職務を経験してきたのでやったことはあるからきっと大丈夫!
② 過去の実績が再現できることを論理的・具体的に証明できること
⭕️ どんな方法でやれば期待する結果が出せるか、リスクも含めて説明できる
❌ 経験・実績あり!
ジョブ型の人事制度をとっている外資系や国内の日系グローバル企業で求められるのは、あなたがどうやって会社の売上・利益に直接的な貢献ができるかです。
どんなポジションであれ、それは何らかの数字=KPI(業績指標)で求められます。
KPIベースで日常業務を評価する文化を経験したことがなく、上記の違いに気が付かないと転職後のリスクはとても大きなものです。
転職がうまくいっても入社後に結果を出せなければ意味がありません。
人事制度の違いを正確に理解して、あなたがパフォーマンスを最大に引き出せる環境・職場・会社を選んでください。
まとめ

ここまでの内容を簡単にまとめます。
・会社の人事制度の変更・変化はキャリアにも人生にも大きな影響あり
・制度の違いを理解しないままに転職先を選んでしまうと、失敗するリスクが高くなる
・スペシャリストとジェネラリストでは、選ぶべき人事制度が違う
・ジェネラリストからスペシャリストを目指すなら、客観的な市場価値査定をしておかないと転職後に失敗しやすい
人事制度は会社の成長や社会環境の変化によって変わっていきます。
成果主義か年功序列・終身雇用かという2択ではなく、両者の中間に色々なパターンがあります。
また新しいタイプの人事制度・仕組みも生まれていくでしょう。
社内価値と市場価値が違うことを解説した記事でも書いていますが、転職で大切なことは、まずのあなたの「いま」の市場での評価を正確に知ることです。

転職成功・キャリアアップ・年収アップの期待値をあげすぎて失敗しないように気をつけてくださいね!
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