「将来性」からみたIT業界への転職リスク【有望な職種解説つき】

・IT業界に転職したいけど、将来性が不安。全く経験のない業界なので不安。

・IT系で2回目の転職。現状と将来の見通しやおすすめの分野があれば知りたい。

IT業界へ転職を考えている方の悩みに答えます!

【新型コロナ禍の影響に注意】
こらから転職活動を始めようとしている方は、希望する業界や会社が新型コロナでどういう影響を受けているか、どう舵を切ろうとしているかの情報を継続的に集めてください。 

上場企業であれば、四半期ごとの有価証券報告書や決算短信の内容、株主総会の資料などに目を通すことをお勧めします。

目次

IT業界の現状はどうなっているか?

ocean during daytime

新型コロナの影響下でも、dodaのIT求人倍率は5倍を超えていて他業種と比べるとその倍率の高さは異常ですが、それも中から見ると理解できます。

今年の春先は一旦採用が中止していましたが、5月後半になると途端に出入りが激しくなってきていましたしね。この状況でもデジタル化・IT化の波が止まる様子は全く見えていませんし、企業によってはこれをチャンスととらえて投資を加速していますので、「どんな企業がいま投資をしているのか」を探してみるとチャンスが見つかりやすいと思います。

IT業界をおそう「2025年の崖」

その背景にあるのは、経済産業省が発表した「2025年の崖」の影響も大きいと思います。

簡単に背景をまとめると以下の通りです。

  • デジタル化・IT化の波に加えて、古いシステムの刷新期限が迫っていて、そちらにも莫大な資金・人材が必要となっている
  • 新しい技術で作られた新しいシステムへの移行を強制されるのは、古い技術やシステムを知る人材を供給できないことも原因
  • 最先端のデジタル技術への置き換えを進めてIT投資を効率化し、ビジネス投資効果の高いところに資金を集中

まさにIT人材の争奪戦真っ只中という感じがします。

ただ、これは一つ大きな問題が隠れています。それが「古い技術しかもたない技術者」のいき場所がなくなりつつあるということです。

経産省のDXレポートでも45万の新しい技術を持ったIT人材が不足する一方、古い技術しか持っていない人材が10万人余るというのです。そこで45万人の不足を少しでも補うために、この10万人が新しい技術を学ぶことを求めています。

【くまたの裏情報】
古い技術しか持っていない中高年も、新しい技術を身につけることでステップアップできる可能性があるということですが。。。僕はそうすんなりとはいかないと思います。

会社のビジネス基盤をなっているITシステムを新しくするには、数億〜数百億かかるケースが多く、おいそれと投資できる金額ではないからです。

新型コロナの影響範囲がまだ見切れていない状況であり大きな投資に踏み切れる会社は限られていますから、このIT人材不足の問題は新旧両方のシステムからの需要によって、さらに人材獲得競争が加熱するのではと感じています。

そうは言っても企業の人材への投資が徐々に最先端のスキルにシフトしていくことは間違いないと思います。

IT人材の需要と共有に関する情報や技術動向、新しい技術が生み出すビジネス、ベンチャー企業の動きなどには特に注意を払い、情報を集め、キャリアプラン=戦略をアップデートしましょう。

IT業界へ転職するリスクと将来性

3 men in brown and black camouflage uniform standing

結論から言うと、全く問題ありません。IT人材の需要は高まる一方です。

やる気のある方、どんどん来てください!と言いたいです。

まず大前提となる市場規模を見てみましょう。

図は矢野経済研究所が毎年発表している「国内民間企業のIT投資実態と今後の動向について調査」からの抜粋です。

2019年11月27日発表なので新型コロナの影響は考慮されていません。また、直近数年はメガバンクの基幹システム更新等の大型案件特需があったこともあり、拡大傾向が続いていました。

こうした特需が消えたこと、新型コロナの影響を考えると2020年〜2021年は縮小傾向になる可能性もありますが、極端に落ち込むことはないと思います。

市場調査会社のITRの発表でも、新型コロナによってIT戦略が加速すると答えた企業が71%と過半数を大きく超えています。テレワークの推進、リモートアクセス環境の整備、会議・商談・面接などのオンライン化、電子書類・電子署名への移行、店舗中心の販売チャネルからECサイトへの移行などが主なものですが、いずれもハード・ソフト両面での投資が必要になります。

AIやバーチャルリアリティはこれからが本番ですし、ブロックチェーンの活用も進んできています。5Gネットワークが動画をはじめとする大量のデータ通信が可能となることで、消費するコンテンツの増大はソフトウェア産業を刺激し、またそれを支えるデータセンターなどのIT基幹産業もますます規模を拡大させるはずです。

つまり、これからも巨額の投資が流れ込んでくる分野ということです。

逆にどこまで広がるか僕は想像ができません。例えば、他の業界はITに仕事を奪われるのではなく、デジタル化やIT化していくからです。AIをはじめとする最先端の技術は、「作業」を人の代わりに行い、人はより創造的な「仕事」に集中できるようになると僕は思います。

次の記事の中でも人材不足のIT業界の現状を解説していますので、興味があれば読んでください。

この背景には、ビジネスのグローバル化や顧客が物を手に入れることそれ自体よりも、物やサービスを使うことでより良い「体験」を求めていることが背景にあります。

つまり、買って終わりではなく、買ったあとそれを使ってどう楽しむか、豊かな時間を過ごすかに価値観が移ったわけです。例えば、

  • 自動車が欲しいのではなく、快適に移動したい。
  • 旅行に行くのは大切な人との思い出づくり。
  • 素敵な洋服は気持ちよく過ごすため。

これら全てに共通するのがいつ・どこでといった購入者の「行動」や年齢や性別、職業などの「属性」データです。この大量のデータを処理して売り上げをあげたり利益を出すための最適解を生み出すにはIT化・デジタル化が絶対条件になっていますが、まだまだIT化・デジタル化が進んでいない業界・会社が非常に多いのです。

つまり、現状でさえ足りていないITエンジニアはこれからもっと足りなくなる。これは経済産業省の発表資料でもはっきりしています。

参考:経済産業省 「IT人材需給に関する調査(概要)

グローバル化で英語をはじめとした外国語力を持った人材が足りなくなり政府は英語教育を強化しましたが、次はIT教育として小学校からプログラミングを必修としました(もちろん、その内容は小学生向けにアレンジされていますが)。

さらに3Dプリンター、スマホ、AI、VR(バーチャル・リアリテ=仮想現実)、AR(オーギュメンテッド・リアリティ=拡張現実)などの最先端技術が新たなビジネス=雇用を生み出します。

政府自ら人材不足を叫び、教育に投資をしていることからも、IT人材不足への危機感が現れていますね。

IT業界で将来性のある有望な職種は何か?

「有望」の定義をより需要が増える高い給与とするなら、Webプログラミング、AI関連、サイバーセキュリティ、ネットワーク、ユーザーサポートで、になると思います。クラウド関連はそれら全てを支える基盤ですので、クラウド系のエンジニアも重要度はとても高くなると思います。

クラウド化については、業種によってはまだ積極的に採用できない理由がある場合もあるのですが、流れとして変わることはないと思います。それだけビジネス上投資効果=付加価値の高い技術だからです。

【くまたの裏情報】
どの職種もそうですが、リモートでの作業が可能ですので日本住んでオフィスに通う必要性が薄くなっています。インフラ系のエンジニアは自分の強みを活かしたオフショアエンジニアとの差別化を考える必要があると思っています。

どういうことかというと、IT人材不足が海外のオフショアエンジニアにとってはチャンスとなり、仕事を奪われる可能性も十分にあるということです。実際日本語が堪能なインド人エンジニアはどんどん増えています。

ビジネス部門と協働してシステムを運用していくノウハウや効率的に高い利益を生み出すためのシステム設計力・提案力・企画力、それを支える「業務経験」、海外エンジニアと協働できる英語力などが日本にいるITエンジニア付加価値・強みになると思います。

↑IT業界未経験者向けの記事でも基本的な職種は解説しましたが、以下では今後有望な職種という切り口から解説します。

カスタマーサクセスマネージャー

2018年にビジネスSNSのLinkedinが今後最も有望な職種Top10の一つとして選んだのが「カスタマーサクセスマネージャー」です。

ユーザーサポート製品の障害問い合わせに対して(受動的(=リアクティブ)」障害から速やかに復旧するための手助けをし、ビジネスへの影響を最小限にすることが目的ですが、カスタマーサクセスの仕事は顧客ビジネスの推進・成功のために「能動的(=プロアクティブ)」に製品の利用・活用を促し、また助けることを使命としています。

最近多くの製品やサービスが「サブスクリプション」と呼ばれる月額・年額の課金方式で提供されるようになりましたが、このビジネスモデルでは「解約率」をいかに低く抑えるかがビジネスの成否を分けることになります。

例えば100社が加入したとしても、翌月に110社が解約した場合ビジネスが成り立ちません。常に加入社数>解約社数でなければいけません。

解約を防ぐには製品やサービスを利用してもらい、売り上げや利益が増加することが必須ですから、カスタマーサクセスマネージャーは中長期の活用計画を立てて顧客と合意し、売上や利益目標を達しするために両者が協力しながら計画を実行していきます。

サブスクリプションモデルのビジネスは、Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信サービス、アマゾン・プライムなどの動画・書籍サービス、Hulu、Netflix、YouTubeなどの動画配信サービス、Kindle Unlimitedやdマガジンなどの書籍サービス、プレイステーション・ナウやニンテンドー・スイッチ・オンラインなどのゲーム、最近では洋服、アクセサリー、バッグなどファッション系、レストランやカフェなどの飲食のサブスクリプションサービスも増えてきました。

こうしたサービスを支えるカスタマーサクセスマネージャーの需要は今後も高まっていくと思います。

クラウドエンジニア

すでに多くの企業が様々なシステムをクラウドに移行していますが、今後はより重要なビジネス基盤をクラウド上で構築する企業が増えます。

大企業の多くは複数のクラウドシステムを併用する「ハイブリッドクラウド」で運用している企業が増えています。

企業内のクラウドエンジニアや運用を委託されているSIerなどのIT企業は単独のクラウドシステムの構築運用から、ビジネス基盤と密接に連携したハイブリッド・マルチクラウドの環境を構築・運用・保守し、ビジネス部門への説明責任も負う重要なポジションになると思います。

ユーザーサポート(ユーザー教育含む)

個人的に思い入れのある仕事ですが、これからも重要度を増すと思います。

その理由は、ビジネス部門の仕事がITへの依存度をどんどん高めているからです。

今までは、マイクロソフト社のオフィスアプリ、ワード、エクセル、パワーポイントでしたが、こうしたアプリケーションのトレーニングはしっかりとした需要がありますし、経理などのバックオフィス系でもSAPなどの基盤システムが更新されたら、それに伴うオンライン・オフラインのトレーニングやユーザーポートのニーズが発生します。

こうしたトレーンング系はすでにオンライン化が進んでいますので、最初のとっかかりとしてはアリですが、キャリアパスとして目指すべきところではなくなっていると思います。

「ビジネス基盤」になったITシステムは、常に問題なく動くことが業績に影響するようになりました。

現在でも保守・運用部門の役割は単純なシステム管理から売上や利益に責任を持つようになってきていますが、ますます責任が重くなるとともに、ビジネス視点でのITスキルとビジネス部門とのコミュニケーション能力が求められると思います。

セキュリティアナリスト

個人的にはサイバーセキュリティ系の職種は全て将来性の塊だと思っているのですが、その中でも特に人材の少ないポジションで、興味のある若手の方にはチャレンジして欲しい仕事です。

主な仕事はサイバー攻撃を受けたときのその攻撃手法を分析することです。

一言でいってしまうと簡単そうに聞こえますが、仕事の難易度は技術職で1番高いんじゃないかと思っています。

攻撃の手法に関する知識を支えるのは、ハードウェア、OS、ネットワーク、データベース、クラウド、アプリケーション全てに渡りますし、それらの最新情報を常に追いかけていなければなりません。

今後はサイバー攻撃もAIをどんどん活用してくるでしょうから、AIの知識や活用スキルも必要です。

今は需要に対して供給が全く追いついていないので激務の現場も多いと思いますが、ほんと、増えて欲しいんです。大切な仕事ですし、やりがいもあると思いますし、なんと言っても給料いいですから!(しっかり会社を選べば、ですが。。。)

データベース管理者

AIが世界を席巻していますが、実はブームとしてはこれが3度目です。

1度目は1960年代、2度目が1980年代、そして最近の第三次ブームです。

これまでとの大きな違いは「機械学習」と「ディープラーニング」。AIが自身で学習する仕組みのことで、「仕分け方」を学ぶ機能のことです。「機械学習」のAIは仕分けの基準を人間が指定しなければなりませんでしたが、「ディープラーニング」機能を持ったAIはデータから自動的に仕分け基準となる「特微」を抽出できる点で大きく進化しています。

AIのスゴさを支えるのは「教師データ」と呼ばれるAIに学習させるための膨大なデータです。AIを活用するには機械学習のためのデータを整備する必要があり、データベース管理者の需要が多くなっているわけです。

コンピュータビジョンエンジニア(AR・VR)

聴き慣れない職種かもしれませんが、非常に需要が高くなっている分野です。

身近なところではインターネットの画像検索、デジタルカメラの顔認識機能、3Dスキャナおよび3D顔認識システムなどが含まれます。「VR(仮想現実)」「AR(拡張現実)」「MR(複合現実)」「SR(代替現実)」と言った人の感覚の仮想化を支える技術ですね。

わかりにくいので活用例を説明しますね。文字だけだとわかりづらいと思いますので、一部リンクを貼っておきますから参考にしてみてください。

AR(拡張現実)の事例:スマホのゲームアプリ。ポケモンGoのようにスマホの位置情報を使って、画面内に実際の風景にキャラクター重ねて表示し、そこにキャラクターがいるかのような疑似体験を提供するもの

VR(仮想現実)の事例:プレステやオキュラスといったヘッドセットを使ったゲームなど。ヘッドセットのディスプレイに映し出された「仮想世界」で自分の動きに合わせて画像が動き、そこにいるような体験ができるもの

「MR(複合現実)」の事例:3Dホログラムなど。ヘッドセットを使って現実の空間にデジタルで描いた物体(自動車、テーブル、動物)を映し出すもの。

「SR(代替現実)」の事例:まだ研究段階のものが多いのですが、これからどんどん出てくると思います。現実世界に過去の映像を差し替えて映すことで、昔の出来事があたかも現在、目の前で起きているかのような錯覚を引き起こします。

DevOpsエンジニア

クラウド化はインフラエンジニアへのインパクトだけではなく、開発系エンジニアにも大きな影響を与えています。

クラウド上のアプリケーションは、ユーザーが意識することなくバージョンアップや改善を進めています。そのためアジャイル開発やCI/CDなどを取り入れたより高速な開発を行う必要がありますが、その開発現場を管理し効率的な運用を指揮するのがDevOpsリーダーです。

製造業に例えると、製品の開発、製造、テスト、発売、保守・運用までみることになりますから、その責任は非常に重く、ネットワーク、サーバー、データベースなどのインフラ知識、開発スキルなど幅広い知識と経験が求められます。

それゆえに当然ビジネス側との接点も多くなりますのでコミュニケーションや交渉力も重要なスキルになります。

開発経験を積んだ方には次のキャリア候補になるのではないでしょうか。

ブロックチェーンエンジニア

もし、金融業界でITエンジニアを目指しているなら、ブロックチェーンエンジニアは有力な選択肢になるはずです。

ビットコインなどの仮想通貨バブルで注目を集めてた技術ですが、ブロックチェーンの本質的な価値は「データベースの一部(台帳情報)を共通化して利用者全員で管理すること」にあります。

メリットは以下の通りです。

  •  情報の改ざんが実質不可能
  •  台帳を共有している個人間であれば信頼性の高い取引が可能
  •  データを分散型するのでリスクも分散される
  •  大規模なインフラが不要なので、システム構築コストが安価

もっと詳しく!と言う方向けにNTT DATA の解説を貼っておきますので、ご参考までに。

個々のシステム内に同一の台帳情報を保有するという「分散型ネットワーク」の基盤技術にあります。
一般的にはブロックチェーン領域で活動しているエンジニアという意味合いで使われており、大きくは以下の2種類に分けられると思います。

業界としては金融だけではなく、医療、流通、製造など従来の業界に加えシェアリングエコノミーとの相性も良いので、今後どんどん広がっていく技術であり、エンジニアへのニーズも増える可能性が高いと思います。

ITスキル x 英語力で転職の幅を広げる

何度も繰り返しているので相当しつこいヤツと思われても仕方がないのですが、何度でも言います。

ITエンジニアに英語は必須です。

経済のグローバル化を促したのはIT技術です。インターネットがなかった、こんなスピードで経済のグローバル化は進まなかったのではないでしょうか。

それゆえに英語ができるとITエンジニアにとってはメリットしかありませんが、一番は職業選択の幅が広がり、給与も増えると言うことです。

下の図は時価総額ランキングTOP10のうちIT企業を抜き出し、参考までにトヨタを加えたものです。

会社名時価総額ランキング平均年収
アップルアメリカ2$121,000
マイクロソフトアメリカ3$119,000
アマゾンアメリカ4$102,000
アルファベット(Google)アメリカ5$120,000
フェイスブックアメリカ6$129,000
テンセント中国7
アリババ中国8
トヨタ※参考日本46851万
株価時価総額ランキンTOP10入りしたIT企業(2020年6月現在)
※12万ドル=1284万(1ドル=107円換算)

悲しいことに日本のIT企業は見当たらず、トヨタでさえ46位です。

圧倒的にアメリカ、そして中国。そして平均給与の差。。。

英語ができるだけで給与が爆上げするとは言いませんが、少なくともチャンスは広がるので、キャリアを見直すときにはぜひ英語力アップも項目に加えてください。

IT業界の将来性に関するまとめ

細かいことはいろいろ書きましたが、ポイントとしては以下の通りです。

  • 市場も需要も拡大を続けている。ただし、短期的には新型コロナの影響を見守りつつキャリアプランを考える必要あり。
  • 既存の技術は最新の技術へと置き換わっていく段階。エンジニア経歴の長いベテランはスキルのアップグレードが必要
  • 新しい分野にチャレンジするのは市場が大きくなる前の今が旬。
  • グローバル化はこれからも続くので英語力を伸ばすことがおすすめ

未経験の人もさらにキャリアアップしたいエンジニアの人も、この業界で働くことを楽しんでもらえたらなぁと思います。チャレンジに見合うものは絶対に手に入りますよ!

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