入社直後にリストラされたり、突然の業績悪化発表でボーナス・給与もカット、何年勤めてもスキルアップできないし年収も上がらない。
誰も明日の自分に同じことが起こらないなんて言えない時代です。
結論から言えば、業界や会社の「将来性」「成長性」があなたのキャリアや人生を左右します。
なぜなら、消費者に求められない商品やサービスを売っても会社は成長しませんし、それを支える人材に投資しなければ将来性もないからです。
僕は成長期にある会社を転職先に選ぶことで、キャリアアップ・年収アップを加速することができました。
この記事では、成長性や将来性のある会社や仕事を選ぶためのポイントとして
の3つを解説しています。
黒字リストラや早期退職社募集のニュースばかりで会社の将来や自分のキャリアが不安になったり、転職でキャリアアップしたいならぜひ最後までご覧ください。
※「会社のことよりまず最初に自分の市場価値がどんな基準で評価されるのか気になる」なら、転職サイトの無料相談を使えば自分の年収が高いのか安いのかを確認できます。
業界や会社・仕事の将来性とは何か?

「株式会社〇〇、希望退職を500人募集 社員の10%」
日経新聞の記事によると2020年の希望退職者募集は前年比で2.5倍になったそうです。
パソコンが当たり前になり、仕事で普通にインターネットを使う様なってデジタル化がすすんで事務系の仕事がどんどん減りました。
自動化やロボット、AIが進化すると次になくなる仕事はなんでしょうか?
明日の朝刊であなたの会社がリストラを発表するかもしれません。
「将来性」は高い成長性のある業界や会社の将来に引き続き期待が持てるかどうかです。
「成長性」とは市場規模や会社業績が拡大・増大していくかどうかです。
成長性がない会社に将来性は少ないと思いますが、いまは成長していたとしても3年後には頭打ちになりそうであれば将来性は低い、あるいは限定的になります。
成長性は中期経営計画で、将来性は10年、20年といった長期的な投資対象として考えると分かりやすいと思います。
人間同様、会社にも「ライフサイクル」があります。
成長期から成熟期・衰退期にはいってしまうと思うようにキャリアも年収も上がらない場合も。
キャリアアップのタイミングと会社のライフサイクルについて解説した記事がありますので、参考にしてください。
IT技術への投資をしている
ここでは「モノ」を「成長を支えるためのIT技術力」としました。
デジタル化が進む社会では、ものづくりもサービスもIT技術なくしては成り立たなくなっています。
この点でITスキルを持った人材へ投資し、潜在的な市場を開拓し、現在の市場へ魅力的な商品・サービスを提供できる技術力を持っているかどうかがポイントです。
特にAIやIoTといった最新IT技術の活用は避けられません。
AIをはじめとする最新技術に仕事が奪われるかどうかだけの被害者視点ではなく、AIをどう活用してビジネスで成果を出していくのかを考えている会社を選ぶべきでしょう。
この技術への投資力がはっきりと現れるのが売上と利益率です。
市場が求める商品や品質でなければ売れませんし、売れたとしても利益率が悪ければ企業は成り立ちません。
利益を出すことのできるIT技術を持っている、投資していることが会社の将来性を決めると僕は思います。
社会の向かっている方向と解決すべき課題、そこから生まれるニーズを理解しているか
結論から言えば、会社選びではSDGsや脱炭素のような大きな社会の流れや方向性を理解することが重要です。
会社や業界に将来性があるかないかを判断するには次のような情報を集めて、進もうとしている方向とあっているかどうかを調べてみてください。
最初に書きましたが「将来性」とは会社や業界がこれからも引き続き成長を続けると思えるかどうかです。
つまり、成長し続けるため「ヒト・モノ」に対して長期的な投資ができているか、提供している商品やサービスが広まり、需要が増え、市場が拡大すると言えるだけの証拠がでてこなければ、要注意ですね。
昭和で言えば、白物家電や自動車、平成で言えば携帯電話や液晶テレビ、パソコン、海外旅行ですが、こうした「所有」ベースの経済から「利用」ベースの経済に急速にシフトしつつありますよね。
音楽や映画はCDやレコード、DVDではなく、ネットや携帯アプリでダウンロードし定額で聴き放題、車もレンタルです。
社会が向かう方向から社会が求める商品やサービス=市場が生まれ、会社が増え、成長するわけなのでそれと逆行していないことが重要になりますね。
時代の、世界の変化に目を向けているか
パブリックスピーカーの山口さんが最近「コロナ収束後に起きる(かも知れない?)9個の変化」をツイートしていました。
マッキンゼー&カンパニーの記事を日本語で要約してくださっています。
社会の大きな変化の流れが企業や個人の生活を大きく変えてしまうことを僕たちは2020年に経験しましたが、経営トップが急激な変化に対して
が、将来性・成長性に大きく影響すると思っています。
会社の業績を調べる時には、合わせて経営トップのメッセージもチェックしておくことをおすすめします。
会社の規模と将来性は関係あるのか?
会社規模が大きいから将来性があるわけではありません。
ありきたりですが「ヒト・モノ・カネ」がバランスよく充実していることが大切です。
人に投資している
社員への投資観点では、次のようなものです。
こうした点を総合的に評価しているのが企業クチコミサイトや働きやすい会社ランキングですね。
将来性・成長性の高い会社が求めている人材とは?
将来性・成長性の高い会社に転職したいのであれば、会社が投資をする「優秀な人材」とはどういう経験・スキルを持った人なのかを知っておくことが大切です。
この質問に答えることができて初めてキャリアアップのために今日やるべきことがわかります。
ただし、ゴールがわかっても今のあなたがどの位置にいるかでやるべきことも変われば難易度も変わります。
もし今の仕事についてから一度もキャリア相談や年収査定をしたことがないなら、転職エージェントのキャリアカウンセリングを利用して確認しておくことをおすすめします。
「目的別おすすめ転職エージェントランキング【転職成功率を上げる組合せ方】」で詳しく比較しているので参考にしてください。

自分の現在位置を知らないと、高望みをしすぎて失敗なんてことにもなりかねませんから。。。
高い利益率で資金を生み出している
新型コロナで企業の明暗を分けたポイントの一つが資金力でした。
大手企業でも資金力が乏しければ緊急時に対応できませんし、成長性を高めるための投資もできません。
新型コロナが起こる前は「内部留保」は悪役でしたが、誰も予想しなかったパンデミックが「備えることの大切さ」をあらためて教えてくれたとも言えます。
資金力の元は利益率ですから、会社の経常利益率は成長性・将来性のある会社選びの基準の一つになりますね。
有望な会社はどこに投資しているのか?
いくら資金力があったとしても必要以上に溜め込んでいるだけでは成長しません。将来に向けて人材や新しい技術、サービス開発への「投資」が必要です。
会社の将来を背負う優秀な人材の確保は年々難しくなり採用・雇用コストも高くなってきています。
働きやすい環境の整備、ダイバーシティや脱炭素社会へのコミットメントも成長性・将来性のある会社選びをするときの大切な基準ですね。
経済産業省「健康経営優良法人」
優秀な人材を集めるためにも社員の健康に投資することは重要です。
経済産業省は「健康経営優良法人認定制度」で社員の健康を守り、健康を増進するための経営を実践している企業を顕彰し、公表しています。
経済産業省「新・ダイバーシティ経営企業100選」
差別のない働きやすい環境づくりに取り組んでいる企業を認定・表彰する制度が経済産業省の企業経営の「新・ダイバーシティ経営企業100選」です。
海外進出を掲げている企業でこの100選に選ばれていることは優秀な人材を確保するための投資をしている企業と考えることができます。
その業界は成長するのか、しぼむのか?

転職を検討するときに給与や福利厚生を重視することも多いと思いますが、その原資となるのは言わずもがな会社の売上や利益です。
業績が下がれば給与も下がり、福利厚生も削減されるだろうことはご理解いただけるかと思います。
一度転職をしたら、通常は3−5年程度が平均的な就業期間です。
しかし経済のグローバル化は大企業でさえ短期間で業績が一気に悪化してしまうリスクに直面するようになりました。
私達の目の前で起っている凄まじい勢いのIT技術の進展は、全ての業界に大きく強い影響を与え、私達に変化することを強制しています。
今、この変化の時代に変わることができるのか、変われずに業績を落として大規模なリストラや倒産へと転落していくかは、①環境変化への対応力・体力と②経営層のビジョンと行動力に左右されます。
環境の変化に耐え自らの改革に使う資源を確保できるだけの体力があるのか
みなさんも電気自動車のテスラはご存知だと思います。
ニュースにもよく出てきますが、予約してもモデルによっては納車まで3年かかるそうです。
先進国の多くは将来的にガソリンや灯油といった化石燃料で走る車を禁止して、電気自動車へと移行する計画を持っていて、多くの自動車メーカーが電気自動車へと舵を切っています。
電気自動車ですので、当然いままでのようなガソリンやディーゼルのエンジンは載っていません。
代わりに乗っているのは電気モーターです。
そうすると何が起こるか、、、
エンジンを構成する部品すべてがいらない?!
↓
エンジンの部品を作る会社が不要とり、倒産?
↓
業界自体が消えてしまう?!仕事も消える?!
無論、日本電産をはじめとする多くのメーカーが電気モーターの構成部品の開発に乗り出しています。
自動車産業のライバルは家電メーカーやベンチャー企業で、全く異なる業界からやってきて自分たちにない技術力を持つ会社と戦わねばならない厳しい状況に置かれてます。
今までの知的財産とものづくりのノウハウを捨てて、ゼロから構築できるのか、覚悟も問われています。
この成長と衰退、そして生まれ変わりが同時に起こっている激しい環境下にあって、生き残る企業の条件はどんな条件で、その業界の各社がどのような計画を立てているのかを知らずに会社を選ぶことのリスクをお分かりいただけるかと思います。
ITによるデジタル化の進展と新型コロナ禍は、金融、運輸、小売、建築をはじめとする多くの業界に根本的なビジネスモデルの変更を迫る大きな波になりました。
今いる会社や興味のある会社がそうした変化の影響をどの程度受けるのか、影響の程度を経営層や業界がどう捉えてどんな対策を打とうとしているのかを知ることが、キャリアパスを作るときに重要な情報になることはわかっていただけたと思います。
やりたかった仕事が消えて、全く未知の仕事が増えていくのが今起こっている変化なんですよね。。。
デロイトが毎年発表している企業の成長率ランキングも参考にすると、投資の集まる場所がどこなのか、それらの企業の顧客は誰なのかを知ることができますので、ぜひ参考にしてください。
ビジョンや戦略、ビジネスモデルがその変化の先にくる新しい環境に適応するだけのポテンシャルがあるのか
業界に将来性がなく成長もしていなければ、その業界に所属する会社はたとえ大手であったとしても遅からず衰退していきます。
最近ニュースになった業界で言うと、勝ち組と負け組にはっきりと分かれそうな代表は金融やエネルギー業界です。
特に銀行はフィンテックと呼ばれるIT技術の進展で、石油はバッテリー技術の進化にともなう需要の減少が業界の変化を推し進めています。
やりたかったことが特定の技術や産業にあるのなら、その業界が今後3−5年でどうなっていくのかついてよくよく調べておく必要があると思います。
業界の将来性を考えるとともに、会社のライフサイクルについても考えておくことが大切です。
あなたにとってキャリアアップのベストなタイミングでも、転職先の会社が成長期から停滞期、衰退期に移りつつあるならキャリアアップではなくてキャリアダウンになりかねないからです。
会社のライフサイクルについてまとめた記事がありますので、興味があれば読んでみてください。
「非経済的な価値」で業界・会社の成長が決まる?

パワハラや過労死問題を放置する会社の商品やサービスは欲しくないですよね?
温暖化に無頓着な企業の製品やサービスに魅力を感じますか?
今までは利益追求と株主への利益還元が会社の主な活動目標でした。
しかし公害や貧困・差別を生み出し助長した反省から、温暖化対策、貧困対策、ダイバーシティに代表される非経済的な価値を企業に対してより強く求めるようになっています。
いわゆる「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」と呼ばれる17の目標です。

社会に否定されては会社は生き残れませんし、そもそも商売が成り立ちません。
非経済的な価値を目標に掲げている企業は自分たちの将来性がどこにあるのか、何が必要なのかをよく理解していると言えます。
経済的な価値を求めてはいけないのか?
非経済的な価値は大切ですが、経済的な価値を求めてはいけないわけではありません。
ゼロか100かではなく、バランスの問題です。
経済的な価値と非経済的な価値を高いレベルでバランスさせて、市場の求める商品やサービスを開発してそこからの利益で社会にも貢献できる企業にこそ成長性=会社の市場価値、が生まれるのです。
会社の成長性=市場価値はどこにあるのか
会社の成長性を支える力は、
です。
この市場を拡大する力と市場創造力を支える投資が
です。
ここに予算を割り振ることのできる利益を稼ぎ、戦略を立てられる会社が成長性を手に入れる会社と言えますね。
経済や社会の動きについてもっと対極的な観点から知りたいなら次の本が参考になります。
生き残る企業にはどんな特徴があるのか?

企業のライフサイクルと寿命
200年を超える「老舗」と言われる企業がある一方、東京商工リサーチの発表によると2014年に倒産した企業の平均寿命は23.5年だそうです。
自分が勤めている会社や興味を持っている転職先は創業から何年目か知っていますか?
もちろん「来年には23年を超えるから危険だ!」なんて単純な話ではありません。社歴を振り返り、中期計画を知り、将来性=リスクを評価する良いきっかけになると思います。
すでにコメントしましたが、企業のライフサイクルや寿命について興味のあるなら次の記事も参考にしてください。
業界や会社の成長性とは何か?
業界・会社の成長性を予想するために必要な情報は、「成長を続けるために何に投資しているのか?」を知ることです。
まずは、事実確認です。
次に業界や会社が成長のためにどんな取り組み・投資をしているかについても確認することが大切です。
この質問をすることで、例えば優良大企業がなぜ「黒字リストラ」をするのか、会社や業界の行動の背景についても理解できるようになります。
成長している会社はどういう会社でしょうか
みなさんがご存知のアマゾンを例に見てみましょう。
一般的には、書籍や音楽を始めとしたネット通販の会社だと思われていると思いますが、IT業界の中でも巨人です。
もしかしたら耳にしたことがあるかもしれませんが、「クラウド」と呼ばれる企業向けのITサービスでダントツの業界トップです。
しかもこの「クラウド」業界は、年率で30%を超えるものすごい勢いで成長し続けているのです。
その会社に関する情報をちょっと集めるだけで、馴染み深い企業のいろいろな顔=可能性が見えてきます。
もちろん、それは可能性であるとともにリスクでもありますから、選ぶに際して知って置かなければいけません。
ここに企業研究の面白みと怖さがあります。
口コミサイトだけで終わるのではなく、是非自分の目でその会社が公開している様々な一次情報を集めて見ましょう。
このランキング上位にいる会社にどんなイメージを持っていますか?
成長性や将来性がない会社は、きっとその逆です。
ざっと上げると以下のような会社ではないでしょうか。
転職時の待遇だけで決めてしまうと、後々後悔することにもなりかねません。
あなたの知っているあの会社は、実は本当の姿ではないかもしれないのですから。。。
時代の流れを捉え、多様性を持っていることが鍵
アマゾンは世界がどうなっていくのかを予測し、自分たちがその世界で「どうなりたいのか」を具体的にイメージして、それを実現するために今日何をすべきかを教えてくれます。
例えば先程の自動車業界の中で、ある大手の会社は自分たちを「自動車を作る会社」ではなく、「移動手段を提供する会社」として考えていました。
この定義であれば移動手段は車である必然はなく、飛行機でも宇宙船でもどこでもドアでも良いわけです。
「俺達は車屋だ!」と「移動手段を提供する!」では出てくるアイディアは全く違います。
そうなると、企業のあり方も変わりますし、必要とされる人材や技術も変わるでしょう。
ここから生まれるものが企業の持つ多様性であり、変化し続けるための原動力なのです。
変化を恐れない、ビジョンを持った会社で仕事をしたいのであれば、自分に求められる能力や期待される成果を相手の期待に沿った内容でアピールする必要がありますね。
選ぶことは選ばれることでもあるのです。
長く勤めたいと思える会社の特徴
企業が成長し、長期に渡って市場に受け入れられ続けるため の基礎はやはり「人材」です。
ここでは長く勤めたいと思える会社の特徴をまとめてみました。
① 頑張ってくれた人には報いる
個社ごとの違いはあれど、客観的かつわかりやすい仕組みを持っている会社は人が集まります。
逆算して、自分がいいと思う会社の人事制度を調べてみると自分が会社に求めるものが何か、行きたいと思える会社がその制度を実現しているかを知っておくとミスマッチしにくい会社選びができます。
社員に対して「社外で戦える力=転職力」を身に付けろと言い続けていた社長さんがいらっしゃいましたが、まさしく理にかなったわかりやすい基準だと思います。
優秀な人を雇おうとすれば人材市場での評価が基準になりますので、「このレベルでこの給与?」のようにはなりにくいものです。
社員に実績や貢献を求めるのであれば、必然的にそれに見合った教育制度を整えなくてはその会社の商品の品質も保てませんし、社員のやる気やロイヤリティも保てません。
「自立できる社員を育てる」ことを目標に持ち、そのための投資ができていれば、いい会社である可能性が高いのではないでしょうか。
一方、社長や役職者に極端な権限が集中していたり、年功序列制度が基本にあって、個別の評価の割合が極端に低いような場合は長期の就業を考えたときに不満が出やすい時代になっています。
当たり前に思えて実は手をつけていなかったり、社内政治に影響されたり、自分の希望するタイミングで実施されなかったりと、昇給については不満を持ちやすいもの。
無論、ワンマン社長に気に入られてうまくいくケースもあるでしょう。
でも自分の時間やNoが言えなくなるのでギブアンドテイクの側面が強く出てしまい、社内政治に巻き込まれて何をしに会社に来ているのかわからなくなっては意味がありませんから、社風の調査も重要です。
また、日系企業の場合は昇進と昇給のタイミングがあっています。
外資系だと昇給は一定の条件を満たして特定の日程のトレーニングと試験を受けた上で決まるようなシステムを取っているところもあります。
外資系希望なら注意が必要です。 折角年度の数字を達成し上司の評価が良くても、いざ昇進・昇給となると別のプロセスで評価がされて、望む結果を得られなかったなんて話もよく聞きます。
この辺は入社後に変更がき泣かない点になりますから、事前の確認がとても重要です。ぜひ気をつけていただきたいポイントですね。
② 比較的新卒採用に重点を置いている
5年・10年といった長い期間開発が必要な商品やサービスを売っている会社では、新卒からじっくりと時間をかけて人を育てるために新卒中心もしくは新卒以外採用しない会社もあります。
自動車等の金型を作る製造業の技術職が典型的だと思いますが、一人前になるまで10年、20年かかります。
業務や技術だけではなく、ファシリテーションやプレゼンスキルといったコミュニケーション能力、財務や法務の知識・経験を身に付けられるような育成プランがあり、専門のトレーニング施設を持っているところもあります。
こうした仕組みも設備も整っている会社は資金力のある外資系や上場企業に集中しているかもしれません。
ただし、気をつけてみておきたいポイントは、仕組みがあれば能力が上がるわけではないこと。
与えられた自己研鑽の環境を計画的に活用する力も評価されていることに気が付かずに「仕組みはあったけど・・・」なんて話を面接でしてしまわないように気をつけてください。
③ 社員の持つ課題を明確にし、定期的なローテーションを考えている
仕組みとして社員の能力開発をしている会社は多いと思いますが、立派な仕組みを作るのはうまくても実効性のある結果を出している会社は少ないように思います。
ローテーションの仕組みを作る際に、社員が自らキャリアをデザインできる自由度を持たせてしまうと費用がかさみ、投資効果が全く出ないことも考えられます。
仕事のローテーションと教育・OJTを組み合わせていれば、比較的効果の見込める仕組みになっているかもしれません。
面接や知人に確認するときに、社員の能力開発の仕組みを作った背景、目的と実際のところについて聞いておくと人材開発力やマネジメントスキルのアピールになります。
ただし、ジョブ型雇用・成果型人事制度採用の流れからは、なんでもできるジェネラリストを育てようとするいままでの日系企業のやりかたは年功序列・終身雇用の終わりと共に消えつつありますね。
④ 「お陰様」のキモチ
僕が「ああ、いい会社だなぁ」と思う時、その会社は社員のことだけではなく、お客様と社会への貢献を具体的に考え、実行しています。
イベント企画がボランティアで行われているだけではなく、自発的にそうした活動へ参加する社員の割合が高いように思います。
しかも、皆さんそれを楽しんでいらっしゃる。
これらを支えているのは経営陣のビジョンと教育だなと思います。
そうした「出会い」も大切なポイントとして含めておきたいものですね。
お金が生きていく上で欠かせない、大切なものですが、仕事に生きがいとやりがいを求めたいなら、給与はある程度妥協しないと転職の満足度は上がらないと思います。
「お陰様」の気持ちを忘れず仕事にも人にも接している姿をたくさん見てきましたが、そうした姿勢を持っていたなら自然と次の道も開けて行っていたように思います。
キャリアをかける価値のある会社を選ぶ基準はなにか?

いろいろな指標はあると思いますが、気をつけるべきポイントは前年比で成長しているかどうかではなく、3〜5年のトレンドを見て、それを継続する力や投資を持っているのかではないでしょうか?
「今」いい商品がある、株価が高い、人材も豊富で経営陣もビジョンが明確だ、優良顧客も多いなど単純な強みだけではなく、それを継続・維持するために何をしているかを調べることです。
例えば、大規模なリストラで大きく収益をあげている場合は、リストラの理由が、
で評価は全く異なりますよね。
こうした場合には、会社の口コミ評価も情報源として活用する価値があります。
ただし、通常口コミは退職者が書き込むことが多いですから、ネガティブ評価になりがちです。引き止められつつ惜しまれつつ辞める人ばかりではありませんから、鵜呑みにしないように注意してください。
まとめると、過去5年程度のトレンドを把握すると同時に、今後5年の傾向予測と、その変化に対して経営層がどういうビジョンで目標を設定し、どんな投資を行っているのかを調べることです。
転職エージェントを利用する際には、応募する企業選択の際に調査した内容を共有して相談するして、少しでも転職成功の確率を上げるための前準備が大切です。
では、具体的に何をどう調査するのかについて解説します。
情報収集の前にやっておくべき準備
就業人口減、団塊世代の引退、終身雇用の崩壊を背景に、有効求人倍率は上昇を続け、転職市場は活気を帯びています。
これに合わせて転職に関する情報もメディアを選ばず巷にあふれていますね。
といっても、情報があふれすぎていて、自分が必要とする情報ほど実は手に入りにくいのではないでしょうか。
勉強でも仕事でも同じかと思いますが、自分の中に情報を評価し、取捨選択する「基準」を持っていないと、意思決定をするために必要な情報が選べなくなります。
転職理由やそのリスクを洗い出し、キャリアの棚卸しをしたあとであれば、それらを決める基準ができているのではないでしょうか。
リスクの洗い出しのところで調べるべきことを幾つか書き出しましたが、ここではもう少し範囲を広げかつ深掘りしてみたいと思います。
財務諸表を読んでみよう
まずは何と言っても、その会社は大丈夫なのか? すぐ潰れたりしないか? 直近の業績は?といった、その会社の基本的な情報を知らねばなりません。
その点でまず目を通すべきは「財務諸表」と呼ばれる株主・投資家向けの資料で、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」が主なものです。
これらは上場企業であれば各会社のホームページの投資家向けのページに掲載されているのが通常ですが、「会社四季報」にも掲載されていますので、一冊手元においておくことをおすすめします。
会社四季報編集部が公開している「四季報らくらく活用」も、無料ですので是非目を通してみてください。
貸借対照表は、資産、負債、純資産のそれぞれについて、項目ごとに金額を記載し一覧にまとめたものです。
一覧の左側が資産の部、右側上段に負債の部、下段に純資産が書かれています。資産の部=負債の部+純資産の関係になっていることから、バランスシート(B/S)とも呼ばれています。
純資産合計を負債純資産合計で割ると「自己資本率」が算出できます。この比率が高いほど、借金で経営を賄っている度合いが少ないことになりますので、経営が健全であるといえます。
当座資産を流動婦さんで割ると「当座比率」を求められますが、これは借金を手元の資金・現金(もしくはそれに準ずる資産)で賄えるかどうかを教えてくれます。
資産の部
資産は、流動資産、固定資産、繰延資産に分けることができます。
流動資産は、現預金や手形、株式、売掛金が代表的な科目ですが、決算日から1年以内に現金化が可能な資産のことです。特に現預金や手形はすぐに現金化しやすいものは「当座資産」と呼ばれています。
固定資産は、不動産や著作権が含まれ、通常1年を超えて保有する資産を指します。
繰延資産は、創立費、開業費、開発費、株式交付費、社債発行費が該当します。
負債の部
負債は、支払手形や買掛金といった「流動負債」と銀行からの長期借入金や社債といった「固定負債」に分けられます。
純資産の部
純資産は、「自己資本」とも呼ばれ、株式発行によって手に入れた出資金と事業活動からの利益です。
損益計算書
損益計算書は、会計期間における経営成績をまとめた文書で収益(かせぎ)と費用(コスト)とを比較して、利益(もうけ)がどれくらい出ているのかを計算したものです。
売上、原価を引いた粗利、営業利益が主な項目です。
この計算書を読むことで、儲かっているかどうかだけではなく、その会社の収益力=どうやって利益を出しているのか、を知ることができます。
これと有価証券報告書を合わせ読むことで、あなたの希望する職種から配属されるだろう部門がだいたいわかるのであれば、その部門がその企業に(株主に)どれくらい貢献しているのを知ることができます。
流動負債は1年以内に返済する必要のある借金ですので、流動資産よりも流動負債が大きい場合はいわゆる「黒字倒産」のリスクが高くなります。
営業利益を売上高で割った「営業利益率」は、その企業のサービスや製品がどれだけ「付加価値」を持っているかが分かります。
中小企業庁の「業種別主要係数票表」を参考に会社の財務状況を評価してみると分かりやすいと思います。
キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書は、手元にどれくらいの資金が残っているか、増減があればその内容は何かを教えてくれる文書です。主な記載項目は以下のとおりです。
営業キャッシュフロー
会社が一年間に得た利益を表し、その会社の収益力を示します。対前年比で利益が減少している場合は、営業活動に問題があります。
投資キャッシュフロー
主に固定資産の取得や売却で増減したキャッシュの量を表します。固定資産は長期保有が通常なので、投資キャッシュフローも通常はマイナス値になります。
営業キャッシュフローが思わしくなく、投資キャッシュフローがプラスになっているような場合は、資産売却で損失の穴埋めや利益の上乗せをすることになっていないか注目しましょう。
財務キャッシュフロー
資金不足が発生したときにどうやって穴埋めをし、余剰資金が生まれたときにどうやってそれを使ったのかを表した文書です。
プラスになっている場合は、金融機関からの借り入れや社債発行での資金調達、マイナスの場合は借入返済や社債償還の借金返済が進んでいることになります。
フリーキャッシュフロー
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計値で、手元資金を表します。これがマイナスになると金融機関からの借り入れや社債発行で市場から資金調達が必要になりますので、資金面の健康状態を図る指標となります。
有価証券報告書
有価証券報告書は金融商品取引法で事業年度ごとに作成が義務付けられている企業情報の開示資料で、過去の財務状況を報告する文書です。
といってもわかりづらいですね。具体的な内容をみてみましょう。
通常100ページを超える文書ですので、時間節約のためにも目的を絞って読む必要があります。
僕は、「会社の概況」で社風を判断する参考にしたり、「事業の状況」で経営上のリスクから経営層が現状をどう評価し、対策を考えているのかを知る資料にしました。
こうした情報と貸借対照表を読み合わせることで、数字からわかりにくい資産の実情を理解し、より具体的にその会社のことを知ることができるでしょう。
アニュアルレポート
アニュアルレポートは、情報公開の観点から、企業が投資家や株主に向けて発信する経営内容についての総合的な情報を取りまとめた文書で、「総合報告書」や「年次報告書」とも呼ばれています。
内容的には前年度の業績報告と説明、経営理念、今後の成長戦略の説明がされています。
有価証券報告書とはことなり、写真や図、グラフが多用されていますので、企業の成長や発展、課題がトレンドとして把握しやすく、とてもわかりやすい内容になっていて読みやすいですよ。
また、経営層の考え方、部門運営の方針も明確に説明されていますので、その会社の将来性や社風を理解する上でもとても貴重な資料となっている点が特徴です。
日本企業が発行するアニュアルリポート(年次報告書)の中で特に優れたものを表彰する日経主催の「アニュアルレポートランキング」も目を通すと会社ごとの違いがわかって面白いと思います。
生活の中にもたくさんの情報は転がっている

最後に、ここでは身近な情報源をまとめてみました。
日頃から気になっている会社については意識するだけでもいろいろな情報が目に留まるし集まるものです。
自分で集めた情報はあとから役に立ちます。
「セルフディベートでキャリアプランをまとめてみよう」にも書きましたが、長所短所を分けて一覧にしてまとめてみてください。
準備として、本質的な情報を把握する
こうした他人のバイアスに左右されないためにも、口コミサイトを覗く前にまず自分で気になった会社の経営状況を調べることをおすすめします。
上場企業であれば「IR情報」や「投資家向け情報」のページにその会社の決算情報、アニュアルレポート、中期経営計画が掲載されていますので、ぜひ読んでみてください。
書店で手軽に入手可能なものだと「会社四季報」、ネットであれば日経のサイトで様々な企業情報が集められます。
特定企業のニュースであれば、その会社のホームページに掲載されいているニュースや、Googleアラートにその会社名を登録して関連ニュースを集めるのも良い手段です。
創業から10年以上経過している会社で業績も悪く兼ねれば、それだけ市場が肯定的な評価をしているといえます。問題は、勢いが良いけども若いベンチャー企業でしょうか。
知人をあてにする!
これに敵う情報源はないでしょう。
ただ、その会社ではなくその会社ライバル、その業界や卸業の周辺に属する他社でもとても役に立ちます。
なるべくターゲットに近いところの口コミが集められればなによりです。
企業クチコミサイトを読む!
一方、手頃さでいえば、やはり企業口コミサイトが一番でしょう。
有名所だとOpenWork(旧Vokers)や転職会議、キャリコネあたりでしょうか。
Yahoo!知恵袋なにも具体的な企業の情報を求めて質問が出ていたりしますので、そちらも参考になるでしょう。
注意しておいたほうが良い点は、こうした口コミサイトは比較的不満が集まりやすい点です。
自分がいま所属している会社や以前勤めていた会社の情報を提供する代わりに自分の欲しい会社のクチコミ情報を手に入れる仕組みになっています。
つまり「転職したい」人の意見が強く反映されていることを念頭において読む必要があります。
減点法が好きな日本人は、口コミでは長所より短所に目が行きがちで、またいい評価は心にしまいがちです。
「サイレントマジョリティ」なんて言葉を聞いたことがありませんか?
多数意見はなかなか表に出にくいのが日本です。1サイトでの評価に惑わされないように「口コミ以外の情報」を十分に集めることで情報の精度や確度は上がると思います。
短所は長所以上に目立ちやすいですから、調べるときには短所と並べて長所を紙に書いてまとめると書き込まれた意見の偏りが見えやすくなるので、一歩引いて客観的に読むことができるのでオススメです。
非上場企業、ベンチャー企業の情報は足で稼ぐ!
情報集めに苦労するのがベンチャー企業や非上場企業です。
今時大抵はホームページを持っていますが、公開されている情報が所在地や提供サービスの概要くらいで実態がわかりにくいケースも多いので、足で稼ぐ必要があります。
例えば消費者向けの物販の会社であればその製品を買って、使って、購入者向け窓口に電話をしてみるとか、店舗があれば足を運んで働いている人に直接接してみるのもいい手ですね。
Yahoo!知恵袋で質問してみる!
先程も書きましたが、気にかる会社の内部にいる人の情報を得る手段としては「Yahoo!知恵袋」のお悩み解決サイトで質問するのもアリです。
回答者も身分を隠しているので、自分を特定されかねない詳細な情報までは期待できません。
信憑性に一抹の不安もありますが、どこを探しても情報がない場合は試す価値アリと思います。
求人サイトの内容から探る!
また、その会社が求人広告を出していれば、ぜひそれを見てみましょう。
当然どんな会社で何をやっているのかの説明はありますし、「先輩社員の声」を掲載している場合もあります。
また、頻繁に募集を繰り返しているようであれば経営に何らかの問題があり可能性もありますから、定期的にチェックしておくと良いでしょう。
「目的別おすすめ転職エージェントランキング【転職成功率を上げる組合せ方】」で詳しく比較しているので参考にしてください。

まとめ

この記事の概要をもう一度まとめておきます。
・業界や会社の将来性は、ヒト・モノへの投資力
・成長する会社・業界はSDGsやカーボンニュートラル、「非経済的な価値」がこれからの企業価値を決めていく
・成長する会社・業界は、社会が求める企業のあり方を積極的に取り入れている
・会社(商品やサービス)のライフサイクルを確認して、自分のキャリアアップのタイミングと合っているかを知る
・成長する会社を知るには財務諸表のポイントを押さえること
・身の回りにも重要な情報がたくさん転がっている。常にアンテナを張っておく
会社が生き残っても「消えていく職業」を選んでしまうと「あなたの将来性」がなくなります。
キャリア=業界(市場) x 会社 x 職種
とも言えますから、どれか一つでもゼロになると全てゼロになってしまいます。
自分の仕事の将来性を考えることも大切なポイントですので、転職支援サービスを活用してあなたの現在の市場価値や仕事の将来性も査定しておくことをおすすめします。
転職を考え始めたら次の記事もぜひ参考にしてください!