IT製品やサービスのコールセンターやカスタマーサポート、企業向けサービスデスクといった1次受けサポート窓口はIT業界への入り口のとしておすすめの一つです。
特にIT業界やIT系職種が未経験の方には。
英語力があればエンジニア並みの年収になるチャンスもあります。
僕自身、未経験・異業界からIT業界へ転職したときは、サポート系でした。
ただし、キャリアを積むにはそれなりに時間がかかります。
「シニアの方が未経験でチャレンジ」するのは正直リスクが高いと思います。
そうした注意点含めて解説しますので、
という方はぜひ最後までご覧ください!
年収についてはあくまで僕の経験に基づく金額と転職サイトなどでの情報をもとにしています。それぞれのポジション・職種の想定年収についてはご自身で確認をお願いします。
コールセンターは未経験者がIT業界にチャレンジするときにおすすめしたい入り口の一つ
まず僕がコールセンターやカスタマーサポートをおすすめ理由は以下の通りです。
基本的なITトレーニングを提供し派遣社員・正社員への転職を斡旋する仕組みを持つ派遣会社もあります。
基本的なITスキルを学ぶにはある程度お金がかかりますよね?
その費用がかからず就職先も斡旋してくれるので、いますぐIT業界へ転職したいならいいチャンスになります。
サポート系の仕事が5年10年で無くなることはないと思いますが、新型コロナの影響でITサポートのあり方も少し変わりました。
将来性についてはしっかりと情報を集めて判断する必要があります。
給与は、未経験でIT業界に入っても年収400万前後は期待できます。
リーダークラスの経験があれば、600万以上も十分可能。
また、バイリンガルならそれプラスで50ー100万の上乗せも可能なポジションも結構あります。
では、具体的にどんなキャリアパスが考えら得るのでしょうか?
コールセンターからのキャリアパス
下の図は僕が管理職として働いていたSIerでプロジェクトを担当していたときに、チームメンバーが歩んでいった典型的なキャリアを簡単にまとめたものです。
当然これ以外にも様々な選択肢がありますので、一例としてご理解いただけたらと思います。
まず図の解説ですが、概要以下のとおりです。
もちろん、エンジニアやプログラマーとして管理職には付かずにひたすら技術力を上げていく道もあります。
ただAIの進化やオフショアの開発力の強さ・大きさを考えると、ITサポート系のキャリアとしておすすめは管理職へ進む道です。
実際に自分にとってどんな道があっているのかはなかなかわからないと思います。
特に転職が初めての方、他業界・異職種からの転職であればまずは転職サイトやエージェントから転職の可能性や難易度、足りないものなどアドバイスをもらうと成功率が上がるはず。
「目的別おすすめ転職エージェントランキング【転職成功率を上げる組合せ方】」で詳しく比較しているので参考にしてください。
コールセンター系のキャリア
ここではコールセンター系のキャリアとエンジニア系にキャリアチェンジするときのキャリアを分けて見ます。
各ポジションの特徴、身に付くスキル、大まかな年収などについて解説しますね。
大規模なコールセンターの場合は100名単位の大きさになることもよくあります。
海外のコールセンターの場合は数百から1,000名という規模になることも。
想定年収については、日系か外資系か、英語力が求められるか求められないか、外注サービスが企業の社員かによっても幅がありますので注意してください。
コールセンター・カスタマーサポートメンバー
ここがIT業界への入り口になります。
主な仕事は、
になります
職種の名前にもなっていますが「コールセンター」と呼ばれる場所に数名から数十名、数百名の担当者が一ヶ所に集められ、顧客や社内ユーザーからのメール、電話、チャットでの問い合わせに対応します。
24時間営業のところもあれば、企業の業務時間内に限るところもありますね。
どちらの場合も大体10時間程度はサービス時間として設定していて早番と遅番に分かれるなどシフト制で運営されているのが一般的なパターン。
連休や週明けの月曜日、新製品発表直後、サービスのアップデートなどのイベントの翌日は問い合わせや障害が多くなります。
特定の曜日だけの勤務のパートさん、午前だけ・午後だけのパートさんなどもいます。
雇用形態は正社員、契約社員、パート、個人事業主など様々です。
IT系コールセンターやカスタマーサポートの場合年収はスキル次第ですが、大体300万〜500万、外資系の場合はそれにプラスして50〜100万といったところです。
コールセンター・カスタマーサポートリーダー
コールセンター・カスタマーサポートのリーダーは、大体3〜5名、多くても10名以下のチームを取りまとめます。
リーダー自身もコール対応をしますが、その他以下のような業務を担当します。
一般企業の係長職に近いポジションとも言えます。
年収についてはメンバーからそれほど大きくは変わりません。
500〜600万前後となります。これも契約形態や英語力の要否で50〜100万程度上下すると考えてください。
スーパーバイザー・マネージャー
スーパーバイザーは複数のチームを取りまとめて特定の製品やサービスに関する問い合わせ窓口の責任を持つポジションです。
主な業務は、以下のとおりです。
スーパーバイザーは問合せ窓口対応業務のプロ。
顧客のビジネスや業界に関しても幅広い知識と経験が求められます。
営業が新規提案を作成するときのヘルプや顧客へのプレゼンテーションに同行することも。
営業やコンサルタントとしての意見を求められることもありますから、営業職へキャリアチェンジする人もいますよ。
年収は600万〜800万前後です。
当然ですが年収が上がるほど、求められる経験・スキルも上がります
コールセンターマネージャー
コールセンターのマネージャーは、100名以下の小・中規模のコールセンターの場合は「コールセンター長」である場合も多いです。
エンジニア系マネージャの場合の違いは、サーバー、ネットワーク、セキュリティ、アプリケーションベンダーなど外部のパートナーとの協業が多くなります。
マネージャーの主な業務は以下の通りです。
年収は600万〜1,500万と幅があります。
これはコールセンターの規模、製品やサービスの価格、求められるサービス品質、マネージャーの経験・実績・スキルによって変わるため。
参考までに外資系の企業内サービスデスクのマネージャーの場合、大体1,000万〜1,500万が相場でした。
もちろん、ビジネスレベルの英語力が必須で、TOIECスコアは800以上と考えてください。
コンサルタント
スーパーバイザーやマネージャーになると、コールセンターやWeb開発といった特定分野だけではなくネットワークやサーバー、セキュリティやアプリケーションといった他のIT分野への知識も求められるようになります。
顧客業務・業界経験に加えてIT分野の幅広い知識があれば、コンサルタントとしてキャリアを積むことは十分に可能です。
コンサルタントと呼ぶ場合もあればプリセールスや営業と呼ぶ会社もありますので、この辺の境界はややあやふやですが、提案業務が中心の職種と理解してください。
想定年収は800万以上で、上限は実力・業界・会社次第で大きく差が出てくるクラスです。
サポートエンジニア・プログラマー系のキャリア
コールセンターやサービスデスクでIT業界に入った後のキャリアにはどんなものがあるでしょうか?
独学もしくは社会人向けの夜間学校やオンラインスクールなどでITスキルやプログラミングスキルを身につけてエンジニアやプログラマーにキャリアチェンジする人も少なからずいます。
注意点は、コールセンターで働くだけではこうしたキャリアチェンジは絶対にできないという点です。
コールセンターやカスタマーサポートはITエンジニアとしての初歩的な知識やIT業界・顧客業界の業界知識・業務知識は身につきます。
でもサポートエンジニアやプログラマーとしてのテクニカルスキル・経験は身につきません。
必ず何らかの形で投資をして学ぶ必要があります。
サポートエンジニア(テクニカルサポート・デスクサイドサポート)
サポートエンジニアの主な業務は以下のとおりです。
個人ユーザーからの問い合わせに応じて訪問サポートしたり、企業に派遣されて常駐したりする訪問エンジニアも含まれます。訪問サポートエンジニアの場合は、自宅から直行・直帰するのが通常です。
多種多様なトラブルに対応するため、サーバーエンジニア並みに幅広い知識が求められることもあります。
企業に常駐してトラブルが発生した際ユーザーの席に直接駆けつける「オンサイト」サポート・訪問エンジニアの場合は、直接対面サポートする場合も多いのでコミュニケーション能力も重要となります。
想定年収は400〜600万で、外資系企業で英語力が求められる場合はプラスで50〜100万円が期待できます。
リードエンジニア
コールセンターのスーパーバイザー同様、チームをまとめるポジションです。
主な業務は、以下のとおりです。
企業IT部門のリードエンジニアの場合は、中期経営計画に沿って3〜5年程度のシステム運用計画立案に参加したり、年間予算の割り振り、外部ベンダーの管理なども含まれれます。
Web系エンジニア・プログラマー
Webエンジニアはインターネット上のショッピングサイトや企業のホームページなどの構築、運用、保守を担当します。
インターネット上のこうしたサイトでは企業ブログやチャットサービス、商品説明動画など様々なサービスが提供されていますが、それぞれデザインやプログラミングが必要です。
Webエンジニア・プログラマー主な業務は
です。
想定年収は400〜500万ですが、英語力が求められる場合は50〜100万程度上振れする場合が多いと言えます。
Web系シニアエンジニア・シニアプログラマー
シニアクラスのポジションはコールセンターやエンジニア同様管理系業務が大きく増えます。
想定年収は500〜800万ですが、英語力が求められる場合は50〜100万程度上振れする場合が多いと言えます。
IT業界未経験者にまず必要なスキル
IT業界へ未経験でチャレンジする場合、最低限独学で身につけておくべきスキルについて解説します。
ブラインドタッチと一定以上のタイピングスピード
IT業界でどんな職種につくにしろブラインドタイプができないと話になりません。
特にコールセンターやカスタマーサポートなど電話やメールでのコミュニケーションが中心の職種では、タイピングスピードが命です。
無料で利用できるサービスもありますので、転職前にスピードアップしておきましょう。
OS、アプリケーション、ハードウェアの基本知識
IT系のコールセンター・カスタマーサポートにとって必須の知識は次のようなものです。
・WindowsなどのOSの知識
・マイクロソフトオフィス製品の知識とスキル
・PCやプリンター・ネットワークに関する知識
通常、ITコールセンターでのトレーニングにはそのコールセンターでサポートしている範囲や製品サービスに関する詳しいトレーニングは受けられます。
でもOSやワードやエクセルといった業務で使うアプリケーションについてはゼロから丁寧に教えてくれることはありません。
転職前に独学やオンライン学習で学んでおくことが必要です。
一方、PCメーカーの訪問修理の場合は、お客様先でPCの修理が必要になるので、3週間から1ヶ月程度実機を使った製品トレーニングが提供されます。
コールセンターでOSやオフィス製品の知識経験に磨きをかけた後、訪問修理でハードウェアの知識経験を身につけるというのも一つの手段です。
将来性のあるエンジニア職は何?
これから5〜10年の間にIT業界で市場価値のあるスキルは大きく変わっていきます。
>>IT業界の将来性と転職リスク【おすすめのIT系職種解説つき】
新型コロナの影響もあって、その変化のスピードが一気に加速したといってもいい状況です。
日本はある意味特殊なので、コールセンターやカスタマーサポートが一気に減ってしまうことはあまり考えられません。
でもIT業界へ「未経験」でチャレンジするなら、
・これから主流となっていく技術は何か
・その技術を身につけるためにはどんなキャリアを計画すればいいのか
を転職エージェントや各種のセミナー、ネットの情報を集めて定期的に考え、見直す癖をつけて欲しいと思います。
英語力も身につけよう
別記事「英語ができないと生涯年収で5千万円以上ソンする理由【おすすめ英語学習法】」でも解説していますが、エンジニアに英語力は絶対に必要です。
もちろん英語力がなくてもエンジニアとして生きていけますし、英語が話せなくても楽しく働けます。
もしあなたが選択肢を広げ、望むキャリアを手に入れ、給料を高くしたいのであれば、英語は必須です。
エン・ワールドの調査でも英語レベル「上級」では、年収1,000万円以上が約60% という調査結果が出ています。
僕の周りを見渡しても、これは実態にすごくあっている感覚があります。
派遣会社の同じトレーニングを受けた仲間の中では頭ひとつ抜けて時給が高かった(200円程度)ですね。
英語力以上にリターンのいい投資はないと僕は信じています。
まとめ
ここまでの内容を簡単にまとめます。
・未経験であればコールセンターやカスタマーサポートはIT業界の入り口としてお勧め
・コールセンターやカスタマーサポートでキャリアを積むことで年収1,000万は狙える
・コールセンターやカスタマーサポートで基礎を学んで、プログラマーやWebエンジニアへキャリアチェンジも可能
・英語力があると選択肢も広がり、年収も上がるので絶対におトク
・これから数年でITスキルの市場価値が大きく変わる。常に情報を集めること
どんな職種についても、仕事以外の時間を投資して学び続けることができないとスキルアップはできません。
学んだことを仕事で再投資してさらにスキルを上げ、成果を出し、次のキャリアにつなげていくことを忘れずにチャレンジしていただけたら、キャリアアップは必ずできます。
みなさんの成功を祈っています!
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