書類選考が通らないときの対策で一番悩ましいのは、なぜ落ちたのか企業側から理由が開示されないことです。
「今回はご縁が・・・」と言われても、なんのご縁がなかったのかさっぱりわかりませんよね?
しかし、大抵の場合は第三者の目で客観的に書類をチェックしていない場合が原因の一番の原因です。
この記事では書類選考に通過するか心配な方向けに応募書類作成の作成ポイントをまとめました。
だれが見てもこれは通りにくいだろうという履歴書・経歴書には共通項があります。
・書類選考に通らないのは年齢が35を超えているから?
・転職回数が多いから落とされるのかな。。。?
・「落ちる履歴書」ってあるのか?その特徴は?
そんなふうに悩んでいるなら、この記事で解説している改善ポイントや注意点を参考にしてください。
書類選考に通過しない典型的なパターン

書類選考に通るために大切なポイントは、募集要件にあなたの経験やスキルがマッチしている=企業のニーズを理解することと企業側が知りたがっていることをきちんと伝えるということです。
求人情報の要件=企業のニーズを理解する
応募先の選定にあたって注意することは、企業側のニーズと自分の強みがマッチしているといことが絶対条件です。

自分の行きたいというキモチだけで応募しても企業ニーズにマッチしていなければ必要とされませんよね。
人事担当者がまずチェックするのは、応募者の経歴がどの程度求人条件にマッチしているかです。
例えば、売上が伸び悩んでいる製造業会社が営業部門の立て直しのために企業の経営層とのパイプやコネを持っている経験豊かな営業経験者や営業部門のリーダーを求めているとします。
当然採用担当がチェックする優先度の高いポイントは、次の3つです。
あなたがこの3つの経験が全くないのであれば、書類選考に通らないことはわかると思います。
では3つとも該当するのに落ちる場合はどんなケースでしょうか?
ここに転職エージェントなどの転職サービスを使う理由があります。
人事・採用担当とのパイプを持っている転職エージェントを活用することで、企業側の裏の事情、潜在的ニーズについても手に入れることができるからです。
企業側のニーズにも優先度と求められるレベルに違いがあります。
先程の例でいれば、
など「条件の中の条件」がある場合がほとんどです。
求人条件から見えない企業側のニーズを把握することで、書類選考通過率や成功率は上がります。
転職エージェントは簡単な登録をするだけで、転職相談や応募書類作成・面接のアドバイスを利用できるので、使わないという選択はありませんよね。

成功率を上げて効率的に転職活動を進めるための転職エージェントの組み合わせ方については「目的別おすすめ転職エージェントランキング【転職成功率を上げる組合せ方】」も参考にしてください。
そもそも履歴書・職務経歴書の作成マナーが守られていない
まず応募書類作成の大前提である以下の点をチェックしてみてください。
日本人の思考は減点法が基本で、80点を割り込むととたんに成功率が下がります。
選考担当者が履歴書を読み始めた直後に誤字脱字が続いたら、書類選考の通過率はガクッと落ちること間違いなしです。

社会人としてある程度の経験があるにもかかわらず、ケアレスミスが連発している応募書類を出してくる人が通らないことはハッキリしていますよね。。。
文章のスジがとおっていて、読み進めるとすっと頭に入ってくる流れがあることが大切です。
殴り書きのような字の汚さ、誤字脱字、文字間・行間の詰め過ぎなどで読みにくい書類は、仕事だとしてもあなたもよみたくないですよね?
また忘れがちですが、
など、企業側担当者へのちょっとした気配りは、見る人はしっかりと見ていますし、できる人とできない人の違いとしてとても目立つものです。
即戦力の「即」には注意
入社直後にバリバリと働いてあっという間に成果を出すことを期待されている人のようなイメージが強くないでしょうか。
以前のように入社後のトレーニングに十分な時間とお金をかけられなくなったり、市場の変化が激しく定型的なトレーニングが効率的でなくなっているという企業側の事情も見え隠れします。
常識的に考えても、入社後新しい環境になれるだけで3ヶ月はかかります。
営業職など成果が数字に出やすい職種であればいいですが、経理や法務、人事と行った事務職の場合は客観的に比較できるものがありませんから、上司の感覚に頼りがちですよね。
一番短期間での評価が難しいのは管理職。
自分の成果がチームや部門の成果を基準に判断されますから、より長期的な視点にたっての評価となるでしょう。
このように、職種やポジションによって「即」の意味は変わるのです。
どの会社、業界に転職しても「即」の中身は、
のことと理解しておけば、客観的な数字がなくともあなた行動は高く評価されるはずです。
コミュニケーション力が求められる仕事の例として新しい営業チャンネルの構築を例にあげれば、
というすべての段階においてその基礎にコミュニケーションがあることは容易に理解できると思います。
より良い関係を創るためにどのような能力が必要なのか、それはどうやって手に入れるのか、明日から始めることを始めることが転職準備にもつながりますし、それができるようになると自然と準備が整うだけではなく、実績も上がることにつながりますよね。
このように、書面であってもあなたが与えられた仕事をどんな段取りで進めて結果を出すのか、再現できるのかを具体的に説明することで、説得力のある履歴書のPRや職務経歴書になると思いませんか?
自分の持っている価値を提供できること
会社に価値や成果をもたらす第一のものは、業界・製品・サービスに関する知識や経験です。
知識は新しいサービスを産み、経験は効率を上げ品質を高めます。
逆に言うと、そのレベルを理解し、そのレベルを持っていることを証明する必要がありますし、それが自己PRの内容になるでしょう。
コネクション・人脈も重要な要素です。
ここでも競業避止義務との兼ね合いはありますが、社外のコネクションが多く、上位マネジメント層とのコネクションが多ければ、それは企業にとって非常に価値のある「資産」になります。
部長職以上であれば、そのコネクションの質自体がその人の付加価値の大半と評価されるケースもあるでしょう。
企業ニーズと自分の希望の8割位はマッチしておきたい
企業側のニーズを理解したら、年齢や経験、業務に必要な資格など必須条件はなにかを確認します。
このギャップが大きい場合は企業側が求めている人材とあなたのスキルや経験があってないということです。
簡単にいうと、りんごを買いに行ったらバナナを渡された様なものです。
当然通過率はぐっと下がることはおわかりいただけると思います。
もし、あなたにとってその会社でなくてはいけない理由があるのであれば、アプローチの仕方を考える必要があります。
今までの実績や経験から、足りない部分を補うだけのポテンシャルや可能性があることをアピールできるように準備を進めないといけません。
希望者の多い大手上場企業、業界でも有名な企業、部門長以上の高いポジションは競争が激しいです。
書類選考も通りにくいでしょうし、非公開案件となっている場合も多いと思います。

そういった「ブランド」を第一に求める場合でも「その会社でなければいけない理由」が自分の幸せとつながっていることを条件から外さないでほしいです。
転職・退職理由を職場や他人の責任にしていないか?
転職の書類審査で企業側担当者が最も気にする点はこの転職・退職理由です。
変わりつつあるとはいえ日本社会は終身雇用がまだまだ残っています。
中途採用者に対しても、長期で働いてくれる「仲間」を求める状況はそれほど変わっていないと感じます。
本当の理由・原因がどこにあるとしても、前職場や給与への不満など自分以外が原因で転職を決意したような表現は同じことが起こってすぐやめるのでは?と不安を与えてしまうリスクがあります。

企業は自分たちのニーズにマッチして、長期に渡って貢献してくれる人材=投資価値のある人を探します。
短期間で離職の危険がある人や能力的に不安要素が文書から見え隠れする人は当然書類選考でふるいにかけます。
だからこそ退職理由や志望動機はしっかりとした論拠=筋を通すことが絶対条件になります。
何らかの不満があったとしてもそれはひとつの「きっかけ」に過ぎず、そこから気づいたやりたいことや夢があったからこそ転職を選んだことを伝えなければなりません。
なりたい自分、ゴールがぶれていると採用側にはネガティブに伝わりますし、会社への不満と受け取られてしまい、採用側の希望・要望から外れていると判断されてしまうリスクが高くなります。
例えば、人間関係が退職の理由であれば、それをきっかけに自分が活躍できる環境を考え直したとか応募先の会社のホームページに記載されている経営陣の理念やメディアの記事に掲載された対談の内容に共感し、こんな会社で働きたいと思ったなど、プラス思考の理由が良いと思います。
また、「クリエイティブな仕事がしたい」というのも見方によって全く異なる印象を与える要注意キーワードです。
仕事の違いによって創造性が変わるわけではありません。

クリエイティブなのは「仕事の内容」というより「仕事の仕方」であることをお忘れなく!
「やりたいことがわからない」「求人情報じゃなくてどうやれば市場価値が上がるのかを知りたい」そんなふうに悩んでいませんか?一人で悩むと堂々巡りでいつまでたっても解決せず、時間がムダに流れてチャンスも逃します。
自分にとってベストなキャリアを作るために何をすべきか?を知りたいならマジキャリなどのプロのキャリアコーチに自己分析をしてもらって、本当にやりたいことに見つけるのもありです。
\自分の強み・弱みがわからないなら/
あなたが自分では気がつかなかった現在のキャリアの問題点・課題、異業界や異業種への転職の可能性も広げてください。
自己PRすべきだけど自分の強みがわからない
履歴書の自己PR欄に書けることが少なくても、「電話対応」や「来客対応」など重要性が低い、だれでもできる仕事のことまで書かないように注意しましょう。
また、言いたいことをすべて書くのではなく、強みや実績など本当にアピールしたいことに絞って自分の希望の押しつけにならないように注意することがポイントです。
外資系に応募する場合は冒頭のサマリーがいちばん大切
外国のレジュメ(履歴書)は日本に比べて種類が多く、個性的です。
手書きは絶対にしないし、基本的に写真ははりません。
特徴的なことは、冒頭にあなたの経歴や仕事に対する姿勢・ビジョンをまとめる「サマリー」部分があることですね。
実は、ここが英文レジュメのキモだったりします。

冒頭部分のサマリーは作るときに一番気をつけるべきところで、僕はココにめちゃくちゃ時間をかけます。
なかなか参考になるものがないのですが、ビジネスSNSのLinkedinを使っている人は、世界中のエグゼクティブの自己紹介文をチェックしてください。
すごく結構参考になります!
キーワードの使い方に注意する
自己PRで気をつけたいのは、「ステップアップ」や「スキルアップ」といったキーワードの使い方です。
応募者の世代によって、アピールの効果も異なりますし、人事担当側の受け取り方も変わります。
自分の年齢に合わせて「ステップアップ」「スキルアップ」の定義付けをしっかりしないと、期待と裏腹にマイナス評価をされかねません。
例えば、管理職募集は通常即戦力を期待します。
40代の方が応募する場合、企業側はすでにその能力を持って業績に貢献してきたことを期待します。
「ステップアップ」や「スキルアップ」といった文字が自己PRに踊っていると、経験値が足りないと判断されて書類選考に落ちてしまいます。

言葉や表現の違い使い方、使う場所で受け取る側の印象が180度変わってしまうこともあります。
あなたの言葉から相手が持つ印象を常に念頭に置いて作成してください。
アピールする内容に具体性をもたせてイメージしやすい内容にする
履歴書や職務経歴書では人事採用担当者が具体的なイメージを持てる内容になっているかどうかということも大切です。
例えば営業職の方が実績をアピールするときは「20xx年の売上目標に対して120%達成し、部門売上に貢献しました」と書くだけでは足りません。
その目標達成のために始めたこと、改善したこと、またあえて止めたことなどを具体的に書いて「これなら再現性のある実力をもっている」という印象を読み手に与えることで書類選考通過率があがります。
アピールできるものが無い!という場合
一方、実績が少ないのであれば、自分の仕事に対するこだわりや大切にしていることについて、その理由や目的を添えて説明すると人柄や仕事に対する姿勢が具体的に伝わるのではないでしょうか。
今の会社で3年以上の社歴があり、社内の人脈もあるなら、信頼できる同僚に「やってみたいポジションに就くために自分に何が足りないのか」を聞いてみてください。
自分の気がついていなかった強みや弱みがわかりますから、よりアピール力のある自己PRを準備できますし、その後に控えている面接にも役立つはずです。

要は、何を経験したかだけではなく、どうやって実績を積み上げてきたかを具体的な例を上げて説明し、その上で「この経験があるから、こう貢献できる」とアピールするすることが上策ではないでしょうか。
反対に、盛りすぎて書類面接を通ってしまうと面接で苦労することになるから注意してくださいね。
自己PRがしっくりこない時はキャリアプランを立ててみる

初めて転職する人、2回目3回目だけど満足な転職ができていない人、転職したけど思うようにキャリアップしていない人の自己PRや志望動機は説得力が弱く、魅力的なアピールもできていない場合がほとんどです。

僕はあるSIerで働いていた時、人事部と人事考課の見直しや教育プランの策定などにも関わり、新入社員や自分の部下、プロジェクトに参加してくれた協力会社の社員の方などへキャリアプランの大切さや立て方を説明してきました。
自己PRや志望動機に自分なりのスジを通して説得力を持たせて、魅力的なアピールにするためにもキャリアプランの立て方を身につけておきませんか?
まずは自分のキャリアを振り返る
終身雇用が崩れているとはいえ、短期間で転職を繰り返す人材の評価は高くありません。
3年から長くても5年程度でキャリアアップを計画し、それを毎年見直してくのが一般的かと思います。
40代までは、次の次くらいまでを考えて、転職活動とその後のキャリアビルディングを検討すべきだと感じています。
50代からは、定年後に仕事を続けるのであれば、どんな業種に就くのかを考えるヒントになるのではないでしょうか。
キャリアの棚卸しの3ステップ
転職準備の中で一番時間をかけて行うことがこのキャリアの棚卸し=自己分析です。
自分が何をやってきて、何ができて、何をやりたいのかをはっきりさせます。
DXやAIがすごいスピードで仕事を作り、また消していますから、今の時代5年先、10年先がとても読みにくくなっていますよね。

そんな変化の激しい時代に融通の効かない計画を緻密に練ってもあまり意味はありません。
僕は、譲れないことやかなえたい夢を最終的な人生の目的据えて、そこにたどり着くまでにどういうキャリア=通過点を考えておけばいいか、という作り方を心がけています。
時系列で経歴を洗い出す
まずは時系列で自分の経歴を洗い出し、それぞれについて必要となる能力・スキルと身に付けたことを併記して一覧にまとめます。
これはまずは箇条書きでいいので、一気に書き出します。
加えて、個々の項目がどの程度のレベルなのかも付け加えます。
レベルについては、経験年数や業務の責任から5段階程度でつけておくといいでしょう。
主観で構いませんので自分が採用側であれば何点つけるかを考えます。

時系列でまとめ、転職エージェントへ自分の実績に対する評価を確認する際に役立つと思います。
項目としては次のようなものです。
特に重要なのが1番最後の「再現性のある能力の証明」です。
どんなに過去に実績があったとしてもそれが再現できなければ野党側にとってメリットはありません。

新しい職場で自分が何をどう取り組むことで期待に応え結果を出すのかをはっきりと言葉で説明できるように準備しておく必要があります。
どんなチャレンジをしたか、どんな失敗をしてきたのか、それをどうやって超えてきたかをまとめる
だれもが仕事で失敗した経験はあると思いますが、振り返ってみると自分のスキルがぐっとアップしたタイミングと重なっていないでしょうか?
失敗が教えてくれるのはスキルや経験の不足だけではなく、技術・プロセス・組織などが持つ同じ問題の再発を防ぐ方法も含まれています。

そうした課題をどうやって克服したのか、再発を予防するために何をしたのか、自分として何を学んだのかをまとめておくと聞く側にとっても大変興味深くまた賛同を得やすいエピソードになること間違いなしです。
過去のキャリアを客観的に評価する
一つの会社で長期間働いていると、社内での実力は上がっているように感じてしまいがちですが、外に出た途端に全く評価されないこともよくあります。

繰り返しお伝えしていますが、一年に一度は職務経歴を振り返って、転職エージェントと話す機会を持つようにしています。
将来的に企業がどのような能力を求めて始めていて、今の自分の能力や経験とどれだけのギャップが有り、それを埋めるにはいつまでに何をしなければいけないかを予想することができます。
予想できれば、あとは見積もりし、計画を立て、実行すればいいからです。
個人的におすすめのタイミングは年末年始のお休みのときでしょうか。
もしくは翌年の手帳を新調するタイミングで、次年度のキャリアプランを計画に合わせてみてもいいかもしれませんね。
例えば、担当業務がどの会社も海外への委託や提携を進め始めて、担当者には高いビジネス英語力が求められるようになっているとします。
当然その能力を身につけるには2−3年はかかるでしょうから、気づくタイミングが遅くなればなるほど転職時のリスクが大きくなります。

こういった市場が評価をする能力や経験の変化に対応するためにも、30代半ば以降は年次で棚卸してプロのチェック&アドバイスをもらいましょう。

まとめ

この記事の概要をもう一度まとめておきます。
・第三者のチェックを受けていない履歴書や職務経歴書では通過率は上がらない
・誤字脱字、学歴や職歴の内容が不正確、時系列が間違っているなど基本的なマナーを守っているか?
・企業が人材を求める背景や理由(ニーズ)などの内部情報を理解する
・企業側のニーズにあった経験・スキル、あるいはそれに近いものを持っていることアピールする
・「クリエイティブな仕事」「ステップアップ・スキルアップ」などのあやふやな言葉を使わないこと
・自己PRや志望動機がどうにもしっくりこない説得力が弱いと感じたら、キャリアプランを作ってみる
以前書いた記事と重なる部分も多いですが、改めて「採用側の視点」から応募書類作成のポイントまとめてみました。
年齢・経験を重ねても自分のことは意外とわからないものですし、自分で作成した文章の校正も普通はうまくいきません。

繰り返しますが、作成した書類はプロの目でチェックしてもらうと通過率が格段に上がります。
面倒に思う人も多いと思いますが、そのひと手間が書類選考の通過率を上げるのであればやらない理由はないと思いませんか?
書類審査で落ちてしまったら資料作成にかけた時間とお金もその求人への応募のチャンスもムダになります。
落ちなくてもいいパターンで落ち続けないためにプロのチェックを活用しながら、訴求力のある書類を作り込みましょう!