転職でいちばん気になることはなんといっても給料・年収ですよね。
でも転職者のうち6割の人は年収が変わらないか下がっています。
「それなら転職よりも副業や独立だ!」という方もいるかもしれませんが、僕の経験からもよほど営業力と人脈に自信がある人でなければ、フリーランスや個人事業主はリスクが高すぎておすすめしません。
年収がアップした40%の人がどうやって年収を上げたのか知りたくありませんか?
そこでこの記事では、サラリーマン・OLが「転職というツールを使ってどうやって年収を上げるか」をテーマに情報をまとめてみました。
年収をぐっと上げたいという方は、ぜひ最後まで読み進めてください!
※逆に転職で年収が下がるパターンにはどんなものがあるのか興味があれば、次の記事も参考にしてくだださい。
転職で年収アップするために知っておくべき情報とノウハウ

「隣の芝は青く見える」。
人の給料ってものすごく気になりますよね。
東洋経済などのビジネス系の雑誌も毎年特集を組んでいますし、転職会議やOpenworkなどの会社のクチコミサイトでも年収は重要なコンテンツになっています。

イロイロな年収・給与の情報を集めて現在の年収が高いのか低いのか、自分の現在位置を確認することが年収アップの最初の一歩です。
転職で年収を上げたければ、あなたの今の年収が適切なのか、転職したら年収は上がるのか下がるのかを初めに調べておきましょう。
ネットで簡単に年収査定ができるサービスもありますが、「ネットで年収査定を試してみたら驚愕の結果!転職で給料は上がるのか?」で紹介した通り、正直言ってばらつきがひどくてあまり参考になりませんでした。
あなたの経験やスキルをもとに現在の年収が高いのか安いのか、市場価値に比べて低いのか高いのかについては転職エージェントの転職相談やキャリアカウンセリングで確認してください。

日本人の平均給与は436万円
国税庁の民間給与実態調査によると、令和元年における日本人の平均年収は約436万円でした。
10年前の平成22年が412万円なので、10年かけて6%弱しかあがっていない計算です。
なんとも寂しい数字ですね。。。

計画的にスキルや経験値を上げてキャリアアップの転職をすれば、3~5年で年収を大きく上げることも十分に可能です。
男女格差
愕然とするのは男女の平均年収の差です。
ちょっと古い資料ですが、国税局によると男女間での給与格差は次の通りでした。
なんと年収で2倍の差があります。
女性の場合、結婚して家庭に入ると子育てとのバランスと税制を考えて、パートで日中の数時間程度で年収をおさえている人が多いと思いますが、それを差し引いても大きな差ですね。
結婚・出産というイベントが、女性のビジネス・キャリア、年収という点ではマイナスの影響が大きいということが言えます。
年齢別
男女差同様国税局のデータを元に見てみましょう。
年齢 | 平均 | 男性 | 女性 | 男女差 |
---|---|---|---|---|
20 – 24 | 282 | 307 | 258 | 49 |
25 – 29 | 373 | 413 | 311 | 102 |
30 – 34 | 450 | 513 | 307 | 206 |
35 – 39 | 499 | 589 | 291 | 298 |
40 – 44 | 520 | 645 | 286 | 359 |
45 – 49 | 537 | 695 | 275 | 420 |
50 – 54 | 568 | 737 | 283 | 454 |
55 – 59 | 546 | 702 | 273 | 429 |
引用:国税局「年齢階層別平均給与」より
上記の家庭・就業環境や条件が違うとはいえ、年収から見た時の女性のビジネスキャリアは厳しいですね。
経験を積んでキャリアをあげる20〜30代は家庭を守り、40代になって再度正社員で働こうとしてもスキル・経験ともに得ることができなかったために、平均的な男性正社員と同じ条件・年収では働けない・・・。

女性の雇用条件、特に年収は企業が社会性を持ち続けるための最低条件として設定すべき社会課題だと感じています。
個人的にはスキルや経験を重ねるごとに男女の年収差の比較的少なくなるIT系の職種や外資系企業をここでもお勧めします。
外資系企業への転職に興味のある方は、「【外資系あるある】転職で外資系企業にチャレンジする人が知るべきノウハウ」もぜひ読んでみてください。
女性にとってのキャリアと年収
出産・子育ての主役である女性はライフイベントがたくさんあります。
2020年はジョブ型の人事制度が注目されましたが、日系企業のほとんどは変わっていません。

「仕事ができる人=残業できる人、家庭より仕事を優先できる人」のままです。
男性の育休取得が話題になりますが、ほとんどの企業でまだまだ浸透していませんし、大企業でさえ堂々と長期休暇を取るにははばかられる雰囲気が残っています。
育児・教育という点ではお母さん軸のオペレーション(選択肢のない強制)ですから、正社員ではなく「やむなく」派遣やパートを選ぶ女性が多いでしょう。
扶養控除を得るための年収の上限も制約になっていますよね。

こんな環境で女性がキャリアを作って年収アップしていく場合の絶対条件は「働きやすく、男女の年収格差が少ない会社を選ぶこと」です。
「2021年卒版 ホワイト企業ランキング」や「働きがいのある会社ランキング」など、働きやすい会社を選ぶための情報もたくさん手に入るようになってきました。
ホワイト企業の特徴や探し方は「ブラック企業の求人にだまされるな!求人票チェックポイント徹底解説【ホワイト企業の特徴は?】」を参考にしてください。
年収アップする高収入の仕事ってどんなものがあるの?

だれだってラクをしてたくさんの給料をもらえて年収アップしたらうれしいですよねぇ〜!
ラクでなくても、働きに見合った給与が欲しいと思うのは普通のことです。
ではなぜ年収格差はこんなに広がってしまったのでしょうか?
理由は「働きに見合った年収」にあります。

働きの内容が市場価値や希少価値のあるものなら高い年収がもらえますが、誰でもできる、代わりはいくらでもいる仕事であれば、当然年収は安くなってしまいます。
転職で給与・年収をあげたいのであれば、高いお金を払ってでも働いてもらいたい人になる必要があります。
それを決めるのがスキルや経験であり、その値段が転職市場で決まることになります。
年収・給与の高い仕事にはどんなものがあるのか
dodaが2019年9月~2020年8月の1年間にdodaエージェントサービスに登録した人の平均年収のデータを参考にしてみます。

傾向としては、コンサルやIT・技術系の専門職と管理職の年収が高めになっていますね。
事務や販売などに比べて年収で2倍弱の開きがあります。
事務系の仕事については自動化やデジタル化で仕事自体が消えつつありますので、将来性という点でもリスクが大きく、希望者が多いので競争率も非常に高い「レッドオーシャン」と言えます。

国の政策変更で極端に数が増えて年収も下がってしまった弁護士やデジタル化・IT化で仕事が消えつつあるMR(製薬会社のMR)など、過去高年収で今はガクッと平均年収が下がってしまいました。
これから年収が下がる、仕事が消えていくものは何かについてはアンテナを張って情報を集めて、キャリアプランをアップデートすることが年収アップには欠かせない作業です。
仕事の将来性について興味のある方は「昭和で消えた仕事、平成・令和で生まれた仕事【失敗しない仕事選び】」もぜひ読んでみてください。
年収・給与の高い会社はどこか
年収・給料の高い会社についてはビジネス雑誌のPresidentが毎年発表しているのでこちらを参考にしました。

1位の31歳で年収3,000万円オーバーは凄すぎますが、上位50社はどこをとっても各業界のトップ企業の名前が並んでますね。
気をつけるポイントは、大手企業でホールディングス化を進んだために、役員クラスの高年収社員だけになっている会社も多く含まれているので注意が必要です。

社員数を見ていただければわかるとおり、こうした会社は軒並み100人以下ですが、中小企業ではないので勘違いしないように。。。
高年収の会社に転職して年収アップする方法は?

年収1,000万は日系中小企業であれば間違いなく部長クラス以上の役職者ですが、外資系IT企業だとリーダークラスのエンジニアでも珍しいことはありません。
つまり、高い年収は市場価値の高い仕事に就くことで十分手に入れる可能性があると言えます。

一流上場企業の上級管理職になるには凄まじい競争を生き残らなければいけません。
年功序列が崩壊した今、一流企業でさえエスカレーター式に給与が上がっていくことはもうないと思っておいた方がいいでしょう。
年収アップの転職方法については「年収がアップするあなたの知らない11の転職方法」で解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
年収1,000万クラスのサラリーマンの考え方に興味があれば「年収1千万円以上の会社員が将来に不安がないと言い切る9つの理由とは?」が参考になると思います。
年収アップのために大切なポイントは?


この3つが年収アップしたいときに考えておくべき大切なポイントになります。
市場価値については「35歳東京勤務のITエンジニアの市場価値とは?年収が変わるポイントは?」を参考にしてください。
キャリアと企業のライフサイクルから考える転職のタイミングについては「企業の寿命とライフサイクルから考えるキャリアアップと転職のタイミング」で詳しく解説していますので、ご覧ください。
会社や企業の将来性については「成長性や将来性のある会社を選ぶために知っておくべきこと」に詳しくまとめています。
「転職すれば年収アップするのか」を調べる方法は?

特に不満もなく同じ会社で働き続けていると、外の世界の情報は耳に入りにくくなります。
それがある日突然会社がリストラや整理解雇を発表。
このまま続くと思っていた平和な日々が目の前で崩れていく恐怖はたとえようもないですね。
ラッキーなことに僕は倒産の経験はないのですが、M&Aで買収される側にいたことはあります。

その時は整理解雇があるかもしれないと思いましたので、自分はどうなるのか、数ヶ月の間結構不安な気持ちで過ごした記憶があります。
「すぐ転職したいわけじゃないけど今の自分の値段が気になる」「転職を始めたいからまず今の市場価値が知りたい」という人にはネットで手軽に調べることができますので3つ方法を紹介します。
最初は、転職会議やOpenworkといった会社のクチコミサイトで自分と同じか近い年齢・ポジション・職種の人の年収を調べる方法です。
一番手軽ですが、登録しないと詳しい情報をみることができない場合もありますが、大体の目安にはなると思います。
二つ目が、転職サービスの「年収査定」サービスを使う方法です。
これについては実際に使ってみた記事がありますので、興味のある方は「ネットで年収査定を試してみたら驚愕の結果!転職で給料は上がるのか?」を参考にしてください。
三つ目が、転職エージェントのキャリア相談などを受ける方法です。
気になる会社や業界に転職して給与が上がるかどうか、年収を上げるために自分に足りないものは何かなど、現在の自分の市場価値と値段を詳しく知りたいなら、この方法をおすすめします。


僕は年に2回は懇意にしている転職エージェントのキャリアカウンセラーと会って情報交換しています。
転職エージェントを使うメリットは年収アップ以外にも、転職活動期間を短くし、効率的に進めることができるなどたくさんあります。
イマドキの転職活動は情報戦なので、興味のある方は「知るだけで失敗率がグッと下がる「転職あるあるトラブル」&回避策」の記事も参考にしてください。
未経験の業界に転職して年収アップするにはどうすればいい?

どの業界にも独特の商慣習や求められる経験スキルがあります。
普通に考えれば、未経験で転職していきなり年収アップして、高収入をもらえるわけがないと思うかもしれません。
でも、「なくはない」のです。
例えば潰れそうになったIBMを再建したルイス・ガースナー氏はIT業界未経験でしたし、JALを再建した稲盛和夫氏も製造業界出身です。

例えがおかしいと思う方もいるかもしれませんが、僕の言いたかったことは「市場価値は技術力や業界知識だけではない」という点です。
もしあなたに「1,000人に1人しか持っていない何か」があれば、あなたの給与は確実にアップします。
経験や学歴に自信がない方でも市場価値のある「1,000人に1人しか持っていない何か」を身につけていく方法がありますので、紹介したいと思います。
市場価値はかけ算で決まる
プロフィールにも書いていますが、僕は未経験・派遣社員でIT業界に入り、その後幸運にも(努力もものすごくしましたよ!)正社員となって転職を重ねることでキャリアと年収を上げました。
では僕の学歴はというと大したことはありません。文系の専門学校を出ているだけです。
ただし、英語が得意でした。
当時派遣で外資系IT企業に入るとき、TOIECで735点ほどあったと思います。
今でもほとんど変わっていないのが不思議ですが、IT業界で英語ができる人は少ないままです。

つまり「ITスキル」x 「英語力」で僕の市場価値は平均よりグッと高くなったワケです。
統計的にも上級の英語力があることで、転職成功率も年収も上がるという結果が出ています。
興味があれば「英語ができないと生涯年収で5千万円以上ソンする理由【おすすめ英語学習法】」をぜひ参考にしてください。
前職・前々職で大規模なプロジェクトや部門長を経験することで、管理職としてのスキルと経験も身にきました。
また、実力さえあれば比較的学歴要件が低くなる外資系を選んだこともプラスだったと思います。

結果、「ITスキル」x 「英語力」x「管理職経験」というスキルセットになってさらに市場価値は上がりました。
これが転職のたびに2〜3割年収が上がったからくりの一つです。
転職しても年収が上がらない、交渉がうまくいったことがないという人は、スキルや経験が全く足りていない場合もありますが、実は自分の中に眠っているお宝に気がついていない、それを表現できていないという人もたくさんいます。
自分では気が付かない価値に気づく方法を知りたい人は「鍛えると市場価値が上がる8つのポータブルスキル&アピール方法」とをぜひ参考にしてください。
まとめ

ここまでの内容をまとめておきます。
・サラリーマンの平均年収はこの10年ほとんど上がっていない
・年功序列・終身雇用が崩れた今、企業の規模よりも社会のニーズに応えて組織をリードする経営者のビジョンが将来性や成長性に影響する
・高年収企業ランキングにはホールディングス系も多いので鵜呑みにしないこと
・給与はブランドや規模から個人の市場価値に移った
・外資系は実力さえあれば学歴要件が緩くなるので年収を上げやすい
・女性のビジネスキャリアを重ねて年収を上げる環境は日本にはない。英語が得意なら外資系も選択肢に入れるべき
・年収を上げるためには、スキルと経験に付加価値の高いスキル、例えば英語力などを掛け合わせることで希少価値のあるスキルセットを「創る」こと。

まだまだ書ききれないことがたくさんありますが、記事内で紹介したたの記事も参考にしていただき、アフターコロナ、デジタルトランスフォーメーションという新しい時代の波に乗ってください!
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