
転職の目的は転職活動をがんばることではなく、行きたい会社の内定をサクッともらうことです。
もちろん、その結果として転職成功とクラスアップが大切です。
ここでいうクラスアップは、ポジションをあげる、スキルをあげる、年収をあげる、あるいはその全てを実現することです。
転職先が決まらないうちに会社を辞めたものの転職先が決まらず、生活のために気の向かない転職した人をたくさんみてきました。
内定は早ければ早いほど生活にこまるリスクは減るわけですが、誰にも知られたくないからと一人で転職活動を続けてしまうと、望まない転職になる確率が高くなります。

自己PRや志望動機のアピール力がなかったり、誤字脱字も見落として、書類選考で落とされる可能性も上がりますね。
日々の仕事、家庭のイベントに加えて、
・企業・業界研究
・履歴書・職務経歴書の作成
・希望にマッチした会社のリストアップ
・面接・面談
などをするわけですから、転職エージェントをトコトン利用しましょう。

任せられることは任せてラクをしないと、効率も成功率も下がります。
この記事では、
・なるべく短い期間で満足のいく転職を成功させる
・転職活動で起こりがちなトラブルを防ぐ
という2つを目的として、転職の各段階ごとに転職サイトや転職エージェントを活用するポイント・理由を解説します。
失敗しやすいポイントの対策をして短期間で働きたい会社の内定をゲットしましょう!
転職エージェントは転職成功率と満足度を上げ「クラス」をあげるために使う

僕が転職エージェントの利用をおすすめするのは次の様な理由からです。
① 行きたいと思う会社が見つかりやすくなり、
②企業の内部情報や求人の背景がわかり、
③求められるスキル・経験から自己アピールを組み立てることができ、
④書類選考・面接の通過率=内定率が上がり、
⑤結果として年収、ポジション、スキルが上がる
そして最も重要なポイントは、こうしたメリット全てに「再現性」があると言うことです。
どう言うことかというと、別記事でも紹介している「社員紹介制度」や「SNS転職」は人脈や運といった要素がすごく強いというポイントです。
いきたい会社に知り合いがいなければ「社員紹介」はしてもらえませんし、SNSでつながっていなければ声をかけてもらうこともありません。
でも転職エージェントは違います。

基本的に誰に対しても仕事を紹介してくれますし、担当キャリアカウンセラーがあなたに合う非公開求人を紹介してくれることもあります。
そもそも求人の80%は非公開求人と言われていますから、転職エージェントに登録しないと応募できない求人がたくさんあるんです。
さらに、ネットにはない「生」の情報や一般公開されていない情報も登録さえすれば簡単に手に入ります
派遣社員として未経験でIT業界へ入った後、僕はこうした転職エージェントの強みを最大限に生かして、外資系SIer→日系SIer→外資系SIer→外資系ベンダーとキャリアを重ねてきました。

主に外資系を中心に転職をし、毎回得しているので必ず転職エージェントを活用します。
その結果、転職のたびに30%以上年収を上げることができています。(年収を上げるための転職戦術についてはこちらの記事を参考にしてください)
もちろん、担当キャリアカウンセラーも普通の人です。
ぜんぜんソリが合わずなぜか会話が噛み合わなかったり、ホウレンソウが下手くそで日程調整が進まずイライラしたりしたことがないわけではありません。
それは担当交代をお願いしたり、複数の転職エージェントを並行利用することで避けることができます。
仕事をしながら、家族との時間を守りながらの転職活動は時間が足りません。

効率的・効果的に転職活動を進めて、成功率を上げるためにもプロの助けを徹底的に利用することがサクッとでも満足度の高い転職をするためのコツだと僕は思っています。
転職活動が長期化しやすい7つの悩みと転職エージェント活用のポイント

下の図は大まかな転職活動の流れとやるべきタスクの一覧です。

実際はもっとたくさん注意しなければいけないことがあります。
準備や情報収集が足りないと書類選考や面接に落ち続けて、転職活動も長くなることを理解しておくべきです。
では、転職活度の中で起こりがちな悩みやトラブルって具体的にどんなものでしょうか?
ありがちな悩みやトラブルを一覧表にまとめましたので、ご覧ください。
転職活動の段階 | 転職で起こりがちな悩み・トラブル・問題 |
検討 | 情報を集める時間もなく、相談できる相手もいない |
応募企業決定 | 応募できる会社が見つからない |
書類準備 | 自己PRや志望動機がうまく書けない |
応募 | 書類選考に落ちまくる。何が悪いかわからない |
面接 | いつも最終面接で落ちる。何が悪いかわからない |
内定・条件交渉 | 交渉が苦手で年収の希望をうまく伝えられず、 年収がほとんど上がらなかった |
引継ぎ | 引継ぎが進まなかったりしつこい引き止めにあって、 退職日が決まらず内定取り消しになった |
実は「ありがちなトラブル」には以下のような共通項があります。
・誰にも相談せず、もしくは相談できずに一人で転職活動を進めなければならない
・初めての場合は何から手をつけていいか、何が必要なのか、何をチェックすべきかもわからない
・何をするにも時間がたりない

上のトラブル一覧、ぱっと見で「どう頑張っても一人じゃうまくいかないだろうなぁ」と感じませんか?
準備から内定後の引継ぎ・退職までの流れの中でありがちなトラブルと知っておくべき対策などをまとめましたので、転職活動の参考にしてください。
準備段階

・なにをやれば良いかわからない、やっていることが正しいかわからない
・相談できる相手がいない
転職活動は家族以外には相談しにくいものです。
社内で相談相手を探すことはリスクが高いですし、どこから漏れるかわかりませんから相談相手は見つけにくいですよね。
転職活動を自分だけで進める人が意外と多い理由はここにあります。
初めての転職であれば、ひとりぼっち感はさらに深くなり不安も強くなりますよね。
キャリアプランという大きな絵を描くためだけではなく、転職活動の細かなことも相談できる相手として、プライバシーも守ってくれる転職エージェントのキャリアカウンセラーは最適です。

「現時点での自分の値段も価値もわからない」という方は、知らないうちに転職失敗のリスクを上げています。
無料のキャリアカウンセリングを活用して、キャリア診断・年収査定しておくだけで、転職活動計画は立てやすくなりますし、成功率も上がります。
応募先企業を決める

・応募先が見つからない
・忙しくて時間がない
・応募書類がうまくまとまらない
・異業種・異業界にチャレンジ
準備段階の悩みと共通している悩みとしては「時間不足」があります。
仕事をしながら転職活動を並行するのがふつうと思いますが、まとまった時間が取れなくて履歴書や職務経歴書のチェックもキチンとできずに送ってしまい、書類選考に落ち続ける人も多いと思います。
企業研究や自分の経験・スキルにマッチした求人のリストアップもやり始めたらキリがありません。
>>【コレでOK!】転職成功率を上げる企業研究の必須チェックポイント

転職エージェントを使う一番のメリットは、第三者目線であなたのキャリアや市場価値、企業側の情報を教えてくれる点です。
転職求人情報の8割を占めると言われている非公開求人などは募集していることを知らなければ応募すらできませんし、募集の背景や企業の内情がわからないとブラック企業につかまることもあります。
>>転職エージェントの非公開求人は競争倍率が低く内定率が高い?!

転職エージェントを利用することで、設定した条件であなたにマッチする可能性の高い求人をリストアップしてくれますし、気になった会社の経営状況や求人の背景なども転職エージェントが教えてくれます。
それを元に自分で情報を加えていけば、応募先を絞り込む作業もうまくいきますよね。
応募書類をまとめた後もキャリアカウンセラーのチェックを受けて誤字脱字から自己PRや志望動機の内容までチェックしてもらえますし、問題があれば指摘・アドバイスしてもらえます。
特に経験のない異業界・異職種にチャレンジするときに押さえるべきポイントやアピールの方法などのアドバイスは絶対に助かるはずです。

何千・何万という求人情報を持ち、多くの転職をサポートしてきた実績とデータベースを持つ転職エージェントにしかできないことがたくさんあります。
自分以外の転職者がなぜ成功しているか、なぜ失敗しているかを知ることで、あなたの成功転職率も大きく上がります。

特に同じ業界、同じ会社、同じポジション、同じ年齢など共通項が多ければそれだけ情報の正確さがあがり、あなたにとっても価値のある情報になるはずです。
個人でこれを全部やろうとしても時間がかかりすぎますし、ムダが多すぎます。
ふつう企業側では転職サービス提供会社との癒着など社内コンプライアンスの問題が絡むため、特定の会社だけに募集をかけることはありません。
一般的に転職エージェントA、B社に募集をかけて、C社には取引がないため募集をかけないということはよくあります。

もしあなたが転職エージェントC社にしか登録をしなければ、応募のチャンスを逃すことも十分ありえるんです。
これが複数の転職エージェントや転職サイトに登録するべき理由の一つです。
書類準備〜書類選考

・書類選考に落ちまくる
・何故落ちたかわからない
・同じミスを繰り返しても気が付きにくい
もしかすると第三者のサポートが欲しくなるのは、求人に応募しても書類選考がぜんぜん通らないことに気づいたあたりかもしれません。
何通送ってもまったく書類選考に通る気がしないと自分が社会に必要とされていないのかと落ち込んできます。
そんな時に客観的に履歴書や職務経歴書の内容をチェックしてアドバイスがもらえたらと思いませんか?

書いた本人が気が付きにくい点、表現として避けた方がいいもの、経験を踏まえてもっとアピールすべき点など書類審査の通過率をあげるためのアドバイスは僕もとても助かりました。
書類選考でおちた求人に対して再度応募してもムダになりますから、最初からプロのアドバイスを活用することをおすすめします。
>>転職で書類選考に落ちるワケ【自己チェックでは通過率は上がらない】
面接

・何を話して良いかわからない
・いつも最終面接で落ちてしまう
書類選考に通ることがゴールではないのですが、意外と手を抜きがちなのが面接対策です。
転職エージェントを利用しない場合、面接が一番最初にキャリアや志望動機、自己PRをする場になります。
いきなり初めて会う相手、しかも自分のキャリアがかかった場面で、自己PRや志望動機を説明し、納得してもらうのはハードルが高いですよね。
普通の人であれば相当緊張するはずです。
転職エージェントを利用すれば自己PRや志望動機を第三者に説明するチャンスができますし、それに対するフィードバックがもらえます。

転職エージェントとしてもあなたに成功して欲しいわけですから、募集企業の状況や求人の背景を踏まえて、面接を通過するために必要なアドバイスをしてくれるはずです。
そんな配慮もできない担当者であれば遠慮なく交代してもらいましょう。
事前準備も情報もないままのぞむ面接と相手の状況やニーズを理解して予行演習済みでのぞむ面接。
成功率が高いのはどちらかははっきりしていますよね。
内定〜引継ぎ

・年収交渉など苦手
・リファレンスになってくれる人がいない
・入社日が決まらない
内定前後で大きなチャレンジになるのが年収やボーナスの条件、入社日についての交渉です。
もちろん自分でできる方はいいですが、初めての転職だったり交渉ごとが苦手な方は不安ですよね。
その場合は転職エージェントを使って交渉してもらう方がスムースにいきます。

転職エージェントは会社の人事担当から詳しい内容や増やせるかどうか含めて予算感なども理解しているはずですので、自分の希望を伝えれば会社側が受けてくれる範囲かどうかのあたりもつきます。
キャリアカウンセラーはあなたの市場価値を踏まえて、希望と会社側の予算のギャップが大きいようなら事前にアドバイスがもらえるはず。
ギャップの大きさを事前に知ることができれば、その会社を応募対象から外すことで効率的な転職活動ができますよ。

あなた一人で転職活動をすべてやるという場合は、求人の背景や会社の予算感などの情報はまず手に入りません。
最終面接まで進んだあげくに自分の希望がそもそも通らないことを知ることもありうるわけです。
無駄になる時間を考えると、リスクが大きすぎるんですよね。。。
この点転職エージェントが代理で交渉してくれたり、交渉の際のアドバイスをもらえることは心強く、大きなメリットの一つと言えます。

特に初年度の収入については入社のタイミング、賞与のタイミングや支給条件で大きく下がるリスクもありますので納得のいくまで交渉することをおすすめします。
転職活動に関係するお金の話
見落としがちですが、転職活動で考えて置かなければならないお金の話について触れたいと思います。
主なものは、転職活動費、退職金、最後のボーナスを受け取るタイミングにするか、源泉徴収、所得税、住民税、有給消化をどうするか、企業・厚生年金、転職活動が長期化した場合の生活資金の確保などです。
この内、特に計画的に考えて置かなければならないのは、企業・厚生年金と生活資金です。
転職の始め方を解説した記事↓もありますので、そちらもご覧ください。
>>初心者向け転職活動の始め方。リスク管理とPlan Bで生き残れ!
転職活動費
転職活動にも当然お金がかかります。
主なものは以下の通りです。
・交通費(Uターン、Iターンの場合は新幹線や飛行機代など高額になる可能性あり)
・宿泊費(遠方での面接の場合)
・外食費(面接前のカフェでの待機やランチ代など)
・応募書類(応募数分必要、証明写真代、切手代など)
・書籍代(業界や職種に関する勉強・情報収集)
・服飾費(スーツ、シャツ、ネクタイ、靴など)
・引越費用(遠隔地への転職の場合)

こうした費用はある程度見積もることができると思いますので、転職活動の初めの段階で準備すると急な面接にも慌てずに済みます。
生活資金の確保が一番大切

転職の際に僕が一番気をつけたことは、転職活動期間が意図せず長期化した場合の生活資金でした。
リストラや倒産などの会社都合の退職・失職の場合、失業保険はハローワークで受給資格を確認後1週間ほどで支給されますが、自己都合の転職の場合、支給は3ヶ月後です。
3ヶ月間は収入なしですので、その間の住宅ローンやクレジットカードの支払いを含めた生活資金の確保が必要となります。
また、書類審査・面接に落ち続けて、失業期間が半年、1年と長期化してしまうと余程お金に余裕がないと目先の生活資金を稼ぐために、意図しない転職を選ばざるをえない場合も出てくるでしょう。
キャリアアップやキャリアチェンジのための転職が、真逆の結果をもたらすことになりかねません。

こうした経済的なリスクを考えると、やはり転職は間を置かずに新しい会社へ行けるように可能な限り在職中に決められるのが理想ではないでしょうか。
共働きで収入源を確保しておく
経済的なリスクを低くするためにも、奥さんや旦那さんが働らけるなら共働きを検討しておいてもいいかと思います。

金額にかかわらず、追加の収入は家計を助けることにもなります。それゆえに転職は家族の理解が重要だと思うのです。
幸せのすべてをお金で買うことはできないと思いますが、お金がないことほど、心が荒む状況はありません。
そして困ったことに、人間にはリスクを見て見ぬふりをする悪い癖があります。
行動の源は恐怖ですので、リスクが見えていないと、何を恐れるべきかもわからず、行動も遅くなり、リスクが現実化したときには手遅れになってしまうのです。

転職は船の進路を変えることです。
乗員全員の人生を変えるのですから、リスクを可視化し、できることはすべて検討の対象にしておくべきと思います。
初年度のボーナスは満額もらえない!?
ボーナス支給のタイミングも考える必要があります。
会社によって条件は異なるので人事考課が完了するタイミングを考えて退職の意思表示をしてください。
ノリで退職届を出してしまうと、低い評価をされて支給額が減ってしまったり、そもそも支給要件を満たしていなかったりなど落とし穴にハマります。
ここでも就業規則をしっかりと読み込んでタイミングを計っておくべきです。

ただし、転職は目的があって決断するわけですから、ボーナスのためにその目的に影響が出るようなタイミングなら、それは本末転倒です。
くれぐれもノリで転職を決めるようなやんちゃ?はお控えください。
家族のイベントのことも考えましょう
繰り返しになりますが、お子様がいらっしゃる方は受験、親御さんの老人ホームへの入居、入院などを控えている場合は、そのタイミングをを考えて、費用の試算が必須です。
リストラや倒産の場合はどうしようもないと思いますが、自己都合なら転職後の収入の変動を一覧にまとめて家族関連のイベントタイミングで発生する資金需要をどう賄うのかを計画しておくべきです。

家族のためにも良かれと思った転職が家族の人生に悪影響が出てしまったら、泣くに泣けませんから。。。
転職で考えるべきタイミングについて記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
>>【まとめ】転職で失敗しないために考えるべき7つのタイミング
年金に関する手続きを忘れずに
特に年金については、次の仕事が決まらないままに退職した場合、厚生年金(第2号被保険者)から国民年金(第1号被保険者)に退職後14日以内に役所の国民年金窓口で切り替える必要がありますので注意が必要です。
国民年金の場合、直近1年で未納期間があると「障害年金」や「遺族年金」がもらえない場合があるのです。うっかり忘れて不利益を受けることのないよう気をつけましょう。

企業年金については、それぞれの会社ごとに取扱が異なると思いますので、人事に確認が必要です。僕の場合は退職時に一時金として受け取りました。
あまり普及していないようですが、前社での年金資産を転職先の会社の企業年金に加える仕組みがありますので、ソンをしないように在職中に確認しておくといいと思います。
わからないこと不安なことについては、役所の窓口や日本年金機構に行って確認しましょう。
すべての準備において言えることですが、情報源は可能な限り一次情報に当たるようにしてください。
こうした制度は変わることもありますし、専門家の正しい情報に当たるべきです。
家族にも影響することですから積極的に自ら動くべきだと思います。
行動しなければ「絶対に」結果は出ない

ここまで解説した転職エージェントを使うメリットを簡単にまとめておきます。
・あなた専属のアドバイザーができるので転職活動が孤独にならない
・客観的にあなたのキャリア・現在の市場価値をコメントしてくれる
・あなたのスキル・キャリアにマッチする求人情報が自動で集まる
・他求職者の成功・失敗例とそこからの実践的なアドバイスが手に入る
・自己PRや志望動機のチェックや第三者に説明するチャンス、フィードバックあり
・交渉が苦手なら、代理で希望条件の調整をしてもらえる
転職は椅子取りゲームです。
基本的に1件の求人は1人の人しか採用されませんから、狙いを定め、タイミングを合わせないと欲しいイスは手に入りません。
今もあなたと同じ経験やスキル持った人があなたと同じ求人に応募しています。
転職を考え始めたら、まず転職エージェントに登録して情報を集め、現時点での自分の市場価値を知るところから始めておくとスムースに転職活動を進めることができますし、書類選考通過も内定率も上がります。

「明日やろう」はバカ野郎です!
思い立ったらまず手を動かしましょう。