やりたいこと、やりがい、新しい経験などを求めて転職を決めたのに、年収ダウンを提示されることも少なくありません。
あなたの求めるやりがい・経験・スキルを身につけることができる職場が、必ずしも平均年収が高く、業績のいい会社とは限らないからです。
独身ならまだしも、配偶者や子供のいる方にとっては自分の人生だけではなく家族の人生を巻き込むことになりますよね。
もしかしたら引っ越しが必要だったり年収が想像以上に年収が下がる場合は、お子さんの進学を私立から公立に変更しなければいけない可能せも出てくるかもしれません。
子供にとって進学は人生を大きく左右しますから、あなたのやりたいことだけで転職は決められないですよね。
この記事では転職で年収が下がるリスクに対して何を覚悟してどんな準備をすべきかについてまとめてみました。
未経験の分野へチャレンジしたりやりがいを求めて転職を考えている人は、ぜひ最後まで読んでください。
こんな転職理由は年収が下がる?

転職の動機には、
など、いろいろな目的があると思います。
行きたい会社でやりたい仕事を得て年収もアップするなら理想ですが、未経験の業界・職種の場合はそうそう上手く行きません。
どんなリスクを覚悟しなければいけないか、個別に解説していきます。
未経験・新しいチャレンジ・新しいスキルが欲しい
新しい経験やスキルを求めて未経験の業界・職種へのチャレンジする場合、社会人としてのマナーや常識などどこで働いても必要となる基本の経験以外は、全くゼロから学び・身につける必要があります。
企業側にとっては投資であり成果の回収には時間がかかりますから、大量採用ではなくかなりポジションを絞った募集になるはずです。
「未経験可」で募集する以上、求めるものはポテンシャルや本人の情熱・仕事への適性が評価の中心になります。
投資である以上失敗のリスクは考えているはずですが、無制限のリスクを受け入れているわけではありませんから、試用期間や評価基準を厳しくしたり、年収を一般の転職者よりは低くする場合が多いといえます。
募集企業の平均年収や企業が所属する業界の平均年収、商品やサービスの将来性などを総合判断してどこまでであれば年収が下がっても納得できるのか、あなた自身の基準をはっきりと決めておくことが大切です。
数値で見えるわけではないので選考過程や基準は外からはとてもわかりにくく、準備が難しいとも言えます。

知り合いのいる会社で従業員紹介制度が使えたり、企業側の人事担当と太いパイプを持つ転職エージェントから募集の背景や求められる人材像の詳細情報や入社後の期待値など、選考基準に影響を与える内部情報が手に入るとグッと有利になるはずです。
企業の方向性やビジョンに惚れた
確かにビジョンや会社が進もうとしている方向性に感動を覚えることは意外と多いのですが、個人的にそれが転職理由になるかというとそうれはないかなと思っています。
勤めている会社のトップがワンマンだったり、創業家の人間が世襲しているような場合、そのビジョンや経営方針が合わなくて転職を考えることもあると思います。
気をつけて欲しいポイントは、例え現在の経営陣に惚れたとしてもその人たちも永遠にいるわけではないということです。
※ネットのデータを見ても社長の任期は大体5〜7年が平均値
もちろん10年を超える長寿政権もあるはずですから平均値で語っても意味が少ないかもしれませんが、あなたが求めるビジョンがあなたのサラリーマン人生の長さとイコールではないことは覚えておくべきですし、市場のニーズの変化で変わることもあります。
会社のトップがゴールを明確し示して社員をリードすることは大切ですが、それだけにその内容を徹底的に理解して変わらないものと変化し続けるものを仕分けて、あなたが求めるものが本当にそこにあるのかを見極めて欲しいと思います。
評価制度の充実した会社に行きたい
個人的には評価制度だけで転職を考えることは反対です。
など評価制度と年収に不満を持つことも多いと思います。

僕個は評価制度は社内の評価ですからそれよりも自分の市場価値をどうやって高めていくかにエネルギーと時間を使ったほうがよほど生産的だと考えています。
どんなに社内評価が高くても、転職活動を始めて市場価値査定してみたら年収ダウンしたなんて話はよく聞きます。
転職で年収が上がる人は4割いますが、6割は下がると言われています。
これは社内価値だけを気にして市場価値を高めることができいなかったからではないかと僕は思います。
別の記事で市場価値を知り、高めていくことの大切さを解説していますので、興味のあるかたはぜひ参考にしてください。
成長性・将来性のある会社に転職したい
これもよく聞く転職理由ですし、企業や業界、市場をしっかりと研究して判断するのであれば、チャレンジする価値は十分あると思います。
しかし、いま成長を続けている会社でも明日それが続くとは限りません。
人間にライフサイクルがあるように会社にもライフサイクルがあり、あなたの転職のタイミングが会社のライフサイクルで言うと成長期から成熟期に差し掛かる時だと、思ったよりあなたの期待する年収は提示されないかもしれませんし、入社後の伸び代も少ないと思います。
※転職のタイミングとして考えるポイントをまとめていますので、次の記事を参考にしてください。
企業の持つ技術力や商品開発力、財務体質なども将来性や成長性を評価するときに大切なポイントですが、成長サイクルのどこにいるのか、その場所があなたのキャリアにプラスになるタイミングなのかについてもしっかりと見極める必要があります。
会社の成長性・将来性について考えるポイントをまとめてありますので、次の記事も転職活動の参考にしてください。
社員を大切にする会社(教育・福利厚生・勤務地の自由)で働きたい、ワークライフバランスを良くしたい
結論から言えば、あなたと家族の将来にとって価値のある選択肢を用意する会社を選ぶことができるならば、会社の制度を理由に転職を選ぶことはありだと個人的にも思います。
社員をどれだけ大切にできるかが会社の成長性や将来性を大きく左右する時代になりました。
人口減でそもそも人手が足りない上に、働く人が自分の人生を賭けるに値する価値のある会社かどうかを非常にドライに評価するようになっていますよね。
福利厚生についても今までのように会社から押し付けられるようなものではなく、社員が選択できるようになったり、物や施設利用権ではなく自社株や税金補助、健康増進費用などの支援、家族を含む医療保険の提供など、社員が人生の質を高めるために役立つ福利厚生が増えています。
また、新型コロナ禍で在宅勤務や勤務地を社員が自分の意思で選べるように制度を変えるなど社会の変化に合わせて社員のニーズを先読みして素早く柔軟に制度を変える会社も増えています。
仕事にやりがいも重要ですが、収入を得て生活を作り家族を守るための手段でもあります。
社員をどう大切にしているかがこれからの会社選び、転職先選びに重視される基準になっていくと思います。
憧れの企業・職業に転職したい
憧れの企業・職業に転職したいという人に対しては、僕は「やってみなはれ」派です。
あなたが憧れるほどの結果を出していると言うことですから、それなら中に入ってあなた自身の目で耳で感じた方がいいと思うからです。
ただし、「こんなはずでは」と失望してしまうこともあるかもしれませんから、失敗したときのリスクにどんなものがあり、金銭的にどれくらいのインパクトがあるかは試算して、生活への影響が少なくなるように準備だけはしてくださいね。
未経験や新しいスキル、やりがいを求めて転職するときも同じですが、特に家族のいる方は、会社の将来性・成長性の研究・調査は絶対にやってください。
加えて、研究結果を元にその会社のライフサイクルがあなたのキャリアにプラスになるタイミングなのかどうかも確認しておくことを強く勧めます
転職で年収を下げてしまうリスクを言葉にしてみる

転職目的ごとに年収が下がるリスクを解説してきましたが、大切な共通ポイントはリスクを言語化しておくと言うことです。
何かを得るには何かを手放したり失ったりするリスクを受け入れる=選択すると言うことですから、それがなんなのかは言語化=文字に書き出して、得るものと失うものを比較してください。
言語化することで見えていなかったリスクや失うものに気づくことが多いものです。

後から「こんなリスクがあるなら、これを失うなら転職しなかったのに・・・」とならないよう、冷静になってリストを見直してください。
未経験者にとって年齢の壁は熱い
未経験者募集の場合、その人の情熱以上に厳しく評価されるポイントが年齢です。
企業側が投資リスクを想定していたとしても、入社後なるべく早い段階でいい結果を期待していることは間違いありません。
当然ラーニングカーブ(仕事を学び始めてから一人前になるまでの学習曲線。どれくらいの伸び率で身につけていくかを評価する)がなだらかに上がっていくよりも短期間でぐんぐん伸びていく人材を選びたいと思うのが普通ですよね。
その場合、どうしても年齢の若い人を選ぶ傾向が強くなります。
あなたが30代後半〜40代前半で未経験の分野にチャレンジするのであれば、ふつうは20代よりも大きい年収ダウンを覚悟する必要があるはずです。
年収ダウンのリスクを抑えたいなら、
など、あなたにとっても投資価値の十分ある会社・業界・職種を選ぶ必要があると思います。
第二新卒や20代後半であれば人材不足から積極的にポテンシャル採用している会社もありますし、そもそもそれほど高い年収レベルではないと思いますからやりたいこと・身につけたいスキルにチャレンジしてもリスクに対するリターンが十分に期待できると思います。
もちろん、会社・業界の将来性や成長性が高い方がいいですし、平均年収が高い会社を選べるのであれば積極的に選ぶべきだと思います。
未経験や新しいチャレンジが必ず年収が下がるわけではない
意外に思うかもしれませんが、場合によっては未経験転職でも年収が下がらないケースもあります。
例えば、
こうした場合には年収が下がらないことや年収が上がることも十分にあります。

実際、僕の前回の転職は同じIT業界ではありましたが売っているサービス・商品は全く異なったためゼロからの勉強が必要でしたが、前職の経験が評価されて年収はアップしています。
また、営業やカスタマーサポート、プリセールスなどの顧客対応系の仕事は売っている商品・サービスの知識・経験も重要ですが、顧客対応経験の方が重視され評価が上がるが多いと思います。
製品・サービスの知識は比較的短期間で身につけることができますし代わりにできる人がたくさんいますから、顧客対応経験などのある程度の経験年数が必要で修羅場をくぐってきた実務経験の方がよほど希少価値があると評価されるからです。
「仕事は一生懸命やってきたけど、特段履歴書にかける技術も経験もない」と感じる人は、ぜひキャリアの棚卸しをして、転職エージェントなどにチェックしてもらい実際の市場価値を査定してもらうことをおすすめします。

「やりたいことがわからない」「求人情報じゃなくてどうやれば市場価値が上がるのかを知りたい」そんなふうに悩んでいませんか?一人で悩むと堂々巡りでいつまでたっても解決せず、時間がムダに流れてチャンスも逃します。
自分にとってベストなキャリアを作るために何をすべきか?を知りたいならマジキャリなどのプロのキャリアコーチに自己分析をしてもらって、本当にやりたいことに見つけるのもありです。
\自分の強み・弱みがわからないなら/
あなたが気がつかなかった現在のキャリアの問題点・課題、異業界や異業種への転職の可能性も広げてください。

あなたの気が付かない市場価値があなたの経歴には眠っているかもしれませんよ!
交渉の進め方で年収ダウンを避ける
例え年齢や経験が壁になって年収ダウンの可能性が高いとしても、転職の方法次第では年収ダウンの金額を少なく押さえることができるかもしれません。
具体的には、
① 知り合いがいる会社に「社員紹介制度」があれば、紹介してもらう
社員の紹介であれば、給与条件は緩みます。
その社員が社内で優秀と評価されていれば普通に求人へ応募するより遥かに有利となることは間違いありません。
転職を考え始めたら、知人・かつての同僚をリスト化して、頼れる人脈があるかないかを確認する価値は十分にあると思いますよ。
② 以前勤めた会社に「アルムナイ制度」があれば、出戻りを検討する
転職が複数回あって、次に行きたい業界がかつて働いた会社のある業界であれば、出戻りを考えてもいいかもしれません。
もちろん、その場合には元いた会社が退職者を受け入れる文化があり、あなたへの評価がある程度高いこと、あなたが退職した原因が既に解消されていることなどが条件です。
③ 時間的に余裕があれば「スカウト型」の転職エージェントを使って、ヘッドハントを待つ
どんな転職でも、自分から応募するより誘われた方が条件交渉は有利に進められます。
あなたが時間的に余裕があって資金的にも問題がなければ、現職で経験・スキルを高めつつヘッドハントを待ってみるのもいいと思います。
この場合、ビジネスSNSのLinkedinやスカウト型の転職エージェントに登録して、定期的にプロフィールや職務経歴をアップデートし、転職意思があることをはっきりと示しておくことが大切です。

Linkedinの場合、あなたの会社の人事もチェックすることができますから、十分注意してください。
転職先の昇級パターンを知っておくこと
年収が下がるリスクを押さえるためには、応募先に会社がどういう条件でいついくら年収が上がるのかを知っておくことが大切です。
別記事でも解説していますが、外資系企業の場合年収アップのチャンスは入社時の交渉だけと考えた方がいいです。
会社・業界の特徴や人事制度次第で入社後の年収アップ・ダウンの可能性は変わりますので、必ず確認するようにしてください。
年収を下げてまで転職することに意味はあるのかをとことん考える
誰がみてもどう考えても転職で年収が下がる可能性が高い、それも10%以上は下がると言うときは、年収を下げてまで転職することに意味はあるのかをとことん考えてください。
下がった年収を取り戻して、将来アップするのは相当大変です。
例えば、これから3年ごとに3回転職する計画を立てたとして、一度年収ダウンしてからの転職と年収アップし続ける転職を比較してみましょう。
2回目以降は10%年収アップすると仮定します。
※各回の想定年収(3年間の合計年収)
単純計算ですが9年間で994万の差が生まれます。ざっと最初の2年分の年収です。
もちろん、未経験で転職したおかげで新しいスキルや経験が身について、あなたの市場価値が上がって2回目・3回目の転職で20%・30%の年収アップになる可能性もあります。
未経験でのチャレンジをあなたの市場価値を上げる「価値ある投資」にするために、あなたの希望するキャリアパスを歩いている人を探して、その人の年収がどう変化しているを調査してみることも大切だと思います。
身近にそうした人がいない場合は、転職エージェントに相談してあなたの希望するキャリアがどんな可能性を持っているのかプロの目から評価してもらうことをおすすめします。
どこまでのダウンを許容できるかを家族と相談する
転職で年収が下がるとしても、あなたが独身であればそれほど気にする必要はないかもしれません。
しかし家族、特にお子さんがいらっしゃる場合は、ご家族全員にあなたの転職が何を意味するのか、家族の人生のどう影響してどんなリスクがるのかを丁寧に説明すべきです。
転職で引っ越しが必要になれば、お子さんの進学への影響だけではなくて友人関係も失われる可能性があります。
年収が下がれば生活レベルを下げざるを得ませんから、私立を目指していたのに公立に変更しなければいけなかったり、習い事を辞めなければいけなくなったりと将来の可能性を奪うことも十分にあります。
親になった以上、あなただけの「やりたいこと」をやったために家族が不幸になるのは本末転倒です。
働く理由は一つではありません。
あなたが働く理由を書き出して、優先順位をつけてみてください。
その上で、どうしてもチャレンジしたい場合は、必ずご家族へ理由を説明し、家族の人生に影響することについてはどうやってそれを避けるのか、避けられない場合はどうするのかの合意を取るべきだと僕は思います。
家族を不幸にする仕事って、意味がないと思いますので。
生活レベルの見直し
家族にも説明し、リスクも理解してもらい、年収ダウンへの理解ももらえたなら次にやるべきことは年収ダウンに備えることです。
節約や副業・配偶者も働くことで収入源を増やすことが一般的なものですが、あなたの副業については慎重に検討してください。
新しい職場が副業を禁止している場合もありますし、そもそも未経験の場合は副業の前に本業で経験・スキル・知識を上げて、早々に結果を出さなければその先のキャリアが失われてしまいます。
あなたの時間も資金も限られているわけですから、投資すべき対象を絞って転職が失敗に終わらないよう、計画をしっかりと立てましょう。
目標設定や実行計画の立て方については次の記事も参考にしてください。
同業他社への転職はコンプライアンスに注意
同業他社が実は憧れの会社だったり、経営陣のビジョンに惚れて転職を決意するような時はコンプライアンスに気をつけてください。
通常は「競業避止義務」が雇用契約書に盛り込まれていて、一定期間が経過しないと同業他社に転職できないと規定している会社がほとんどです。
また、勤めている会社にとってあなたが持っている情報が会社の業績や将来性に大きく影響を与えるような場合には、退職時に相当もめるはずです
年収アップ!と思ったら転職直後に年収が下がる?!

転職で理論年収が増えたとしても、賞与の割合部分の増加が大きく、基本給が下がってしまうことも十分あります。
最初の半年は賞与支給額が下がることもありますから、その上基本給が少ないとなると家計への影響は少なくありません。
キャリアチェンジのときは、基本給が下がることも十二分にありえます。
転職後2年程度の家計の収支を試算して、不足が予想される場合は事前にどの程度貯蓄をして備えておけば良いのかを計算しておくといいと思います。(実は、私はこれをすっかり忘れていて、大失敗。危うく借金するところでした。。。)
転職1年目はボーナスなしと考える
一番影響が大きなものが賞与(ボーナス)支給のタイミングの違いです。
一般的な日系企業は、会計年度が4月始まりで賞与は6月/7月と12月/1月になっているかと思います。
例えば、3月末に転職し、4月1日から勤務開始であれば、最初の賞与は6月/7月に3ヶ月分が支給され、満額のボーナスは12月/1月になります。
これだけで単純に25%賞与支給額が下がる計算です。
これは転職前後で会計年度が一緒の場合ですが、日系から外資系またはその逆になるとこのブレが大きくなる可能性があります。最初の年はボーナスなしと考えておいた方がいいです。
特に外資系の場合、賞与が年一回だったり、そもそも賞与が12分割されて月給に含まれており、業績次第で年一回追加の支給があったり、4半期に一回の支給だったりと色々なパターンがありますので、支給のタイミングと想定支給額を確認・試算して、想定額が入らなかった場合の対策を考えておかないと想定外のトラブルにあいます。
クレジットカードの引き落としができずにブラックリストに乗ってしまうことのないように注意してください。
税金の壁、増税、住民税、年金
次に試算しておくべき点は、税金です。
国税局が税金の情報を広く公開している「タックスアンサー」に所得税率の一覧「所得税の速算表」があります。
【参考】タックスアンサー:No.2260 所得税の税率
これを見ていただければ一目瞭然ですが、900万円以下と以上で大きな壁があり、10%も違います。
ざっくり課税年収899万円であれば課税額は1,431,700円ですが、900万円になると2,334,000円となり、902,300円も増えることになります。
例えば、850万の年収が910万になると税金が不得手手取りが転職前より少なくなってしまいます。
また、転居を伴うのであれば住民税の変化も把握しておかないと更に困ったことになりかねませんので、事前に比較表を作っておくことをオススメします。
転職前後のお金の流れをシミュレーションしておこう!
他に考えておくべき金銭面での変動要素は、退職金、ローン、クレジットカード、家族のイベント等があるでしょう。
退職金
退職金も注意が必要な要素の一つです。
私の知人が、あとひと月で勤続10年というところで退職し、退職金が100万くらい違ってしまって悔しい思いをした方もいました。
会社の福利厚生制度の詳しい内容は知っているようで把握していないことが多いものです。
転職を考え始めたら、就業規則と一緒に福利厚生の仕組みもしっかりと調べて、損をしないように準備しましょう。
ローン、クレジットカード
ローンやクレジットカードも転職によって審査が通りにくくなります。
特に一部上場企業からベンチャーや成長期の外資系企業へ転職する場合は、会社の持つ与信力がことなります。
以前であれば通った審査が通らなくなったり、与信額が下げられたり、金利が上がったりしますので注意しましょう。
もちろん、逆に一部上場企業への転職であれば、こうした要素は改善されることもあります。
こうした点からも企業選びが人生に当たる影響の大きさを理解していただけるのではないでしょうか。
家族のイベント
意外と見落としな要素が家族に関するイベントです。
旅行や入学、卒業、結婚などの祝い事だけではなく、葬儀などの弔事、法事など人生には何かとお金がかかります。
転職直後の資金調達は難しくなることもありますから、余裕資金には追加の余裕を持てるように準備できると安心ですね。
まとめ

ここまでの内容を簡単にまとめます。
・未経験・年齢・経歴によって転職は年収が下がるリスクが高い
・転職して失うものと得るものを紙に書き出して言語化し、見えていなかったリスクをあぶり出す
・未経験だからといって必ず年収が下がるわけではない。社内価値より市場価値を高める努力をする
・あなたの転職は家族の人生を大きく変える可能性のあるイベント。必ず理由・目的・リスクを共有すること
・年収が下がることが分かっているなら対策もしっかりと練っておく
・一度下がった年収は戻すためにものすごく大変。転職にそれだけの投資価値があることを確認すべし
年収が下がってもやりたいことが見つかったなら、それはそれでとても幸せなことです。
ただし、そこにどんなリスクがあるのか、そのキャリアを選ぶことでどんな未来になるのか、何をゴールとして生きていくのかについては、見直しながら納得のいくキャリアを歩いて欲しいと思います。
転職があなたとあなたのご家族に豊かで価値ある時間を与えてくれることを祈っています!