
・事務職希望だけど、求人がほとんどない
・レストランのホール係のパートをしているけど、給料は安いまま
・ホテルや会社の受付をやっていたけど、自動化で仕事がなくなった
「あと10年で消えてなくなる仕事」を知っていますか?
オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が「雇用の未来ーコンピュータ化によって仕事は失われるのか」で発表した自動化などで失われると予測される職業たちです。
その中で紹介された主な職業には以下のようなものがあります。
・銀行の融資担当者
・不動産ブローカー
・電話オペレーター
・レジ係
・給与・福利厚生担当者
・レストランのウェイター
・受付・秘書業務
・ホテルの受付係
・データ入力作業者
・簿記、会計、監査の事務員
・建設機械のオペレーター
職種で言えば、一般事務、銀行員、ドライバー、スーパーやコンビニの定員などですが、すでに僕たちの日常から消えつつあるものも多くなっていますよね?

これらの職業はデジタル化、自動化と相性が良い定型作業であり、人間が担当する場合も短期間のトレーニングで身につけることのできる比較的単純な仕事や、複雑だけれども機械やロボットの方が人間よりも正確にできる作業や仕事です。
では、どんな仕事が生き残り、その仕事はどんなスキルを必要とするのでしょうか?
第4次産業革命の裏で起こっているのは労働人口減少と生産性向上の津波
最近メディア、雑誌、ネットを騒がせていたAI、IoT、ビッグデータなどのことばは「第4次産業革命」を支える中心的な技術とされます。
「インダストリー4.0」と呼ばれたりもします。
この発表では技術革新がもたらす新しい価値に焦点を当てていますが、その裏側で起こることは最初にあげた多くの仕事が「消えていく」世界です。
街に溢れる色々なお店から働く人が消えつつあります。
・ガソリンスタンドの無人化
・駅の自動改札
・コンビニやスーパーのレジの自動化
・コンビニ自体の無人化
・タブレットで注文できるレストランではスタッフ削減
・コールセンターの自動化
・為替や株取引の自動化でディーラーが不要に
・電車の自動運行
そして毎日自動化やロボット化などで新しい技術が日々仕事を奪おうとしています。
・自動車、飛行機、船舶、電車、トラックの自動運転・自動航行
・空港のチェックイン
・ネットショップやネット銀行の拡大によって実店舗を削減
確かに日本の労働人口は減少期に入り、これから加速度的に働ける人が減っていきます。
厚生労働省は2030年までに労働人口は600万人減ると試算しています。東京都の人口の半分に等しい労働力が消えることになります。
人生100年時代で技術が進化しても消えにくい仕事とその仕事に求められるスキルと身につけ方を考えます。
年収1,000万位上の年収を得る会社員はどんな能力を持っているのか

転職サイトのエン・ジャパンが35歳以上のユーザーに対して行った「第4次産業革命」に関するアンケート調査を行いました。
このアンケートでは、
・これから働き方や雇用にどんな変化が起こると思うか
・職を失う不安があるか
・不安がないと答えた人は、その理由は何か
が含まれています。
このアンケートを元に、市場価値の高い年収1,000万円以上の会社員がどんなスキルがあれば第4次産業革命後の世界で生き残っていけると考えているのかを元に、身につけるべきスキルを考えていきます。
デジタル化や自動化は仕事を奪うか?
年収が1,000万円を超えている会社員は7割が仕事を失うことへの不安を持っていません。

では、この自信はどこから来るのでしょうか?
デジタル化や自動化で働き方や雇用に何が起こると考えているか
まず「年収1,000万円以上の会社員」が技術革新によって働き方や雇用にどんな変化が起こると考えているかについて確認しましょう。

第1位 働く時間と場所の柔軟化:66%
第2位 労働生産性の飛躍的な向上:59%
第3位 人材の流動化:43%
第4位 雇用の減少:34%
第5位 高所得者と低所得者の二極化:42%
ここから読み取れることは、以下の通りです。
・高所得者ほど働く場所や時間が自分の都合に合わせられるようになると考えている
・仕事の効率が上がることで雇用が減少するだろうが、自分は大丈夫と考えている
・雇用の減少や働き方の変化によって人材の流動化は進む
不安がない理由は?
ではなぜ「職を失う不安がない」のでしょうか?

第1位 判断が必要な仕事だから:59%
第2位 対人間(交渉・教育など)の仕事だから:50%
第3位 経験がものをいう世界だから:26%
第4位 仕事を作る立場だから:42%
第5位 先端技術の分野に強みを持っているから:16%
ここから読み取れることは、以下の通りです。
・人や仕事の管理をするポジションは無くならない
・経験・実績は重要だが、それ以上に仕事を作ることが重要
・先端技術に強い
ITスキルを身につけ自ら仕事を効率化し、新しい仕事を創ることが生き残るための戦略であると読むこともできます。
今後働き続けるために必要なもの
年収1,000万円を超える会社員は自信を持って働き続けることができるというために、必要なスキルはなんであると考えているのでしょうか?

第1位 ヒューマンスキル(対人関係力):74%
第2位 変化に対応できる柔軟な思考:54%
第3位 マネジメントスキル:57%
第4位 学び続ける姿勢:49%
第5位 コンセプチュアルスキル(論理的思考力・問題解決力):57%
第1位と第3位は管理職もしくはプロジェクトマネージャーなどのそれに準ずる立場に求められるスキル、第2位と第4位からは最新の技術や市場の動向、次に求められるスキルがなんであるか情報を集め、必要なスキルを貪欲に身につけていく姿勢、第5位はそれらの行動を支える力を鍛える必要があることを教えてくれます。
気をつけて欲しい点は、これらのスキルが独立しているのではなく、掛け合わせることでスキルのレベルを上げ、その人の市場価値を高めているという点です。
では、これらのスキルはどうやって身につければいいのでしょうか?
ヒューマンスキル
ポータブルスキルに関する記事で詳しく解説していますが、ヒューマンスキルも会社や職種が変わってもあなたの仕事を支える重要なスキルの一つです。
具体的には「良い人間関係を作り、それを維持するための力」で、交渉力、傾聴力、リーダーシップ力、プレゼンテーション力、コミュニケーション力などが含まれます。
これらのヒューマンスキルは、ポジションに関係なく身につけて、磨くことができるものばかりです。
例えばリーダーシップ力は管理職のみに求められるように思うかもしれませんが、全くそうではありません。
日常的な仕事の中で、関係部署との調整を率先して行い、顧客に成果を届けるためにも必要ですし、社内外の行事へ積極的に参観して作業を取りまとめていくことにも必要です。
そこで磨かれる力には、リーダシップ力だけではなく調整力やコミュニケーション力、交渉力なども一緒に身につけることができるでしょう。
変化に対応できる柔軟な思考
柔軟な思考を身につけるために必要なことは、「多角的なものの見方」です。
「多角的なものの見方」を身につけるには、文化、宗教、歴史、芸術などのリベラルアーツで視野を広げることで物事を色々な角度から見ることができるようになり、思考が柔らかくなるでしょう。
その点でも英語をはじめとする外国語力を磨くことはとてもおすすめです。
言語だけではなく、その言葉を母国語とする国の文化や宗教、芸術も同時に学ぶ機会が増えるからです。
別記事でも英語学習の始め方を解説していますので、ぜひ参考にして行動に移していただけたら嬉しいです。
>>ITエンジニアが年収とスキルを上げるために英語力を身につける方法は?
マネジメントスキル
マネジメントスキルとは「メンバーの管理業務能力」を意味することが一般的です。
内容的には、勤怠管理に始まり、人事考課のための目標管理、チームで取り組む業務の進捗管理などが含まれます。
ただし、転職の際の求人にはそうした具体的なタスクを前提として、チームをまとめる力、プロジェクトをまとめる力、人材育成経験、店舗管理・売上管理経験、予算管理(規模は色々)など、ポジションによって様々な要件が追加されるのが通常です。
マネジメントスキルもヒューマンスキル同様、日常業務の中で意識することで身につけることは十分可能ですし、ヒューマンスキルとマネジメントスキルを磨いていく中で、「論理的思考力」や「問題解決能力」も間違いなく身についていくものです。
>>管理職未経験者でもマネジメントスキルをアピールできる方法はある?!
学び続ける姿勢
僕の周りの高額所得者たちに例外なくみられる特徴は、みな「読書家」であり「情報強者」だという点です。
貪欲に知識を求め、噂や第三者によってフィルターされたニュースではなく常に1次情報を確認するクセを身につけています。
「黒字リストラ」に関する記事でも解説していますが、業績が悪くないにもかかわらずリストラする会社の目的は、働かない、古い知識・技術しか持たないシニア社員を減らして、最新技術を持った会社の将来を担う若手に投資するためでした。
>>「黒字リストラ」は年功序列・終身雇用崩壊の象徴【至急自分査定すべし】
しかしこれを裏返すと、ミドル社員でも学んでいない社員はリストラ対象になり得るということです。
アンケート結果もこれを裏付けていますね。
事実を知り、知識を知恵に変えてビジネスをドライブしていく力、そのためにはスキルチェンジもキャリアチェンジもためらわない姿勢こそが、働き方の本質だと僕は感じていますし、アフターコロナ・ウィズコロナ時代の働き方です。
人脈づくり
身につけたスキルや経験の価値を最大化するものが人脈です。
どんなに優れていても、あなたのことを市場が知らなければあなたに市場価値は生まれませんし、キャリアチェンジ・キャリアアップする機会も減ってしまいます。
知人、友人、同僚、上司、取引先、転職エージェント、ヘッドハンター、などあなたがキャリアを積みげていくために必要な人脈を定期的にメンテナンスして、いざという時に備えてください。
まとめ

ここまでの解説をまとめます。
・第4次産業革命は働き方を強制的に変えてしまった
・収入を上げるには、高所得者の生き残り戦略を学ぶ
・何が起こっているのか、何が起こるのかを常にアンテナを張っておく
・自分の価値を最大化する人脈を持つ
情報、スキル、努力がこれからの生き残り戦略を支える3つの柱です。
人生のゴールを見据えて、今日何をすべきか、その結果どこにたどりつきたいのかを常に意識することから始めてみませんか?