
同期はどんどんキャリアアップしているのに、自分は何年も同じポジション、同じ仕事、同じ給料。子供が成長した時学費が出せるんだろうか、実家の親の健康も不安。。。
僕たちは皆歳をとるにつれてたくさんの不安を抱えるようになります。
背中にべったりと張り付いた不安は、みぞおちの奥に黒くて重い塊を押し込んできて、それだけ気持ちが落ち込んでいくことがありませんか?
人間の本能にはしっかりとした危機感知能力があると僕は信じています。
漠然とした不安でも、必ず理由や原因はあるはずです。
この記事では、その不安の正体を突き止める方法と対策を解説したいと思います。
不安はまず紙に書いて言葉にすることが大切

「見えない恐怖」という言葉をよく聞きますが、人間は見えないものを本能的に恐れます。
見えないから必要以上に相手を恐ろしいものに、巨大なものに、悪意のあるものに思い込んでしまって、必要以上に臆病になるものです。
であれば、見えるようにすればいいんです。
思い浮かぶだけの不安を5個でも10個でも100個でも、どんどん書き出してください。
それだけで恐怖は消えて、冷静な思考が戻ってきませんか?
まずは冷静になること。
不安と闘うための第一歩です。
代表的な不安の原因や理由を書き出す

紙に書き出した不安は、次の二つに分けてみます。
① 自分に原因・理由があるもの
例 非社交的な性格、市場価値のないスキル、経験不足
② 自分以外に原因・理由があるもの
例 教育や税制などの社会制度、会社の業績、市場の衰退
この原因や理由を正面から見つめることができれば、あとは不安を消すためにどう行動するかを考えるだけです。
もちろん、すべての不安がすぐに消えるわけではないと思いますが、少なくとも自分が何をすべきかははっきりするはずです。
ここからは、あなたを含めて一般の社会人が感じやすい仕事関係の不安の原因を解説していきたいと思います。
自分に原因・理由があるケース
最初に自分の中に不安の原因や理由があるケースについて3つ解説します。
スキルに不安がある
スキルへの不安は、以下のパターンがあります。
・就職や転職の直後で十分な経験がまだない
・経験はあるが同じポジション・役職でスキルアップしている実感がない
・デジタル化などの最先端技術の登場で古くなってしまった
・新しい技術を学ぶチャンスがない
最初の経験値不足は時間の問題ですから、スキル不足というより「その仕事でやっていけるか」という不安の方が大きいかもしれません。
残りの3つののパターンはやや深刻で、選択肢としては、
・独学+異動・昇進のチャンスを掴む
・転職
でしょう。
ドライかもしれませんが、スキルは身につけるだけではなく、それを磨くために「活かす場所」が必要ですから、自分だけでは解決できません。
たとえ身につけることが今の会社でできたとしても、活かせる場がなければ意味がないですよね。
まずは身につけたいと思っているスキルを持っている人の話を聞いて、スキルとキャリアを積み上げていく方法を具体的に探すところが第一歩になります。
その次に、そのスキルやキャリアでどんな仕事がるのか、どの程度の実績が必要か、その仕事の将来性はあるのかなどを転職エージェントの無料相談などを活用して裏付けをとってください。
経歴に不安がある
経歴の不安も時間が経つにつれて大きくなってしまう傾向があります。
・短い期間で転職を繰り返している
・キャリアの途中で長期間の空白がある
・市場価値が生まれるだけの実績を積んでいない
これらのパターンでは、収入が低い、仕事が続かず収入が途絶えがちになって生活不安が大きくなると思います。
最初に予防策ですが、20代の方であれば、早急に戦略的な転職計画=キャリアプランを作成し、職歴・社歴を重ねていく計画を立てるべきです。
30代に入った方は、キャリアにプラスして希少価値をあげるスキルを身につけることをおすすめします。
今までの経歴からあなたの強みを絞り出して、それに掛け合わせた時に市場価値や希少性が生まれるスキルが理想です。
僕のお勧めは英語力を身につけ、伸ばすことです。

理由は別記事でもまとめていますが、どんな仕事と掛け合わせてもプラスアルファの市場価値を加えやすいからです。
>>ITエンジニアが年収とスキルを上げるために英語力を身につける方法は?
例えば、事務職ばかり経験してたとしても、そこに英語力が加わることで貿易事務や外資系ITのセールスアドミンなども候補に入るようになります。
あなたがキャリアとして進みたい職種や業界で自分の経歴やスキルにプラスすることで価値の出る「何か」を探してください。
学歴に不安がある
学歴に不安を感じるのは、現在の仕事に不満があって転職を考える時が多いと思いますが、あなたが実績を積み重ねて、業界の知識・経験も十分に持っているのであれば、学歴はそれほどデメリットにならないと思います。
転職を考えた時に学歴が頭に浮かぶのであれば、まず今の仕事で十分な実績とその分野では誰にも負けないというレベルまで経験を積むことを最優先すべきです。
学歴社会を「就職・出世・転職には一定以上のランクの大学を卒業していないと不利に働く」という定義で考えると、今の日本は中国、韓国、インドと比べても全く学歴社会ではないと思っています。
ただし、学歴があると選択肢が広がる場合があることも確かです。
例えば新卒や第二新卒では比較的学歴の重要性が高いでしょう。
一方、中途採用では外資系トップのコンサルタントや金融系の上位マネジメント職など、特定の会社の特定の職種・ポジションにどうしても転職したい場合で、その職が特定大学の特定学部卒しかとっていないとか、特定学部卒あるいは院卒でないと応募できない場合は、選択肢はありません。
どうしてもその職に就きたい場合、20代の方であれば今からその大学、学部、大学院にチャレンジする価値はあるでしょうが、30代後半以降は投資効果という点から考えると大学や大学院へのチャレンジはかなり大きなリスクを負うはずです。

数年の投資をして、手に入る可能性のあるものがなんであるのかを計算して検討しないと、リターンに満足できないこともあるので十分時間をかけて考えてください。
自分以外に原因・理由があるケース
次に、自分ではコントロールできない条件や状況に原因があって不安を感じてしまう場合を解説します。
収入に不安がある
収入が不安の原因になる場合、現在の収入が今の生活や将来の生活を守るためには全く足りていないと感じている場合がほとんどです。
例えば、多すぎる住宅ローン、親の介護、子供の養育費、上がらない年収、健康不安などがありますが、足りない収入を補うには、
・昇進
・転職
・副業やアルバイト
・金融資産の運用
・生活レベルを下げる
などで収入を上げるか生活費を下げて余裕を作る、もしくは複数の収入源を作ることが選択肢になります。
収入を増やすためには魔法ありません。まずは自分の手足を動かして少しでも多く稼ぐことを考えるべきです。
年収が上がらない
一方、収入が上がらない原因にもパターンがあります。
・低賃金の仕事
・非正規で収入が安定しない
・会社の業績が悪くてベースアップがないどころか賞与が削減
賃金自体が低く不安定な理由は、短期間のトレーニングで誰にでもできる仕事だったり、デジタル化によって失われれつつある仕事である場合がほとんどです。
負のスパイラルから抜け出るためには、市場価値のあるスキルを身につけて年収の高い業界・職種を目指すことをお勧めしますが、それには3〜5年程度の長期的なキャリアプランが必要です。
そして、キャリアプランを作ったら、絶対に第三者にチェックしてもらってください。
家族でも友人でも同僚でも構いません。
独りよがりの実現性のない計画では、いくら時間をかけて作ってもあなたにとって価値はありません。
もしパッと思いつく人がいなければ、転職エージェントの無料相談を活用してください。
プロの目で厳しくチェックしてくれるはずです。

給与制度が自分にあっていない
次に、給与制度が自分にあっていなくて収入が安定しない場合です。
・営業成績で給与が大きく上下する
成績次第で手取りの収入が大きく変わってしまうことで生活が安定せず不安であれば、おそらく営業などの成果主義で給与が決まる職種はあなたには向いていないでしょう。
結果として継続的な自己投資も貯蓄もできないのであれば、職種を変えるか転職することで基本給を上げないと、年齢ばかり上がってしまい転職が難しくなります。
この場合は、社内の異動も選択肢としてとれるケースも多いと思いますから、早めの判断をすることをおすすめします。
>>未経験におすすめのIT系職種と転職に有利な資格はコレとコレ!
業界の規模が縮小傾向、会社の業績が右肩下がり
あなたの会社が含まれる業界の市場が小さくなっている場合や会社の業績が数年にわたって右肩下がりであれば、大手・中小問わずに会社の将来性が少ないと言えます。
もちろん、将来性ゼロではありませんので、次のポイントを確認してください。
・国内人口減によって大きく影響を受けている場合、あなたの会社が海外市場進出やネット店舗などの成長継続の戦略を持っているか
・金融テックや物流テックなど最新のIT技術の活用によって、新しい価値を生み出せるか
どちらかがYesであれば、その業界・会社でがんばる選択もありだと思います。
どちらもNoであれば、転職一択です。
人口減にも対応せず、デジタル化も遅れているということは会社としての寿命を迎えつつあると僕なら考えます。
たとえ職種的に将来性があっても市場自体に将来がなければ、他業界の会社へ同じ職種で転職することがあなたのキャリアを守る唯一の手段ではないでしょうか。
人間関係の不安
人間関係の不安については、精神的に我慢できない時はさっと逃げても良いと思いますが、どの職場でも少なからず起こってしまう問題でもあります。
仕事にストレスを感じる原因が上司や同僚だったり、会社に行くのが辛いようなときは、まず第三者に相談することをお勧めします。
自分でコントールできない不安の中でも負担の大きい不安です。
一人で抱え込まず、また軽く考えずに第三者の意見を聞いて、自分の状況を客観的に把握してください。
別記事でブラック企業や上司との付き合い方なども解説していますので、ぜひ参考にしてください。
>>ブラック企業の求人にだまされるな!求人票チェックポイント徹底解説【ホワイト企業の特徴は?】
まとめ

ここまでの内容をまとめてみます。
・不安は具体的な言葉にして、可視化する
・書き出した不安の原因を分析する
・自分に原因があれば、その原因を取り除く努力をする
・自分以外の原因であれば、代替手段を考える
・多くの不安は収入を上げることで解消できる
・人間関係の不安は、まず第三者に相談する
不安は放っておくとどんどん大きくなり、いつの間にか自分だけでは手に負えなくなってしまったら取り消しがつきません。
特に年齢を重ねるほど、挽回することが難しくなる不安もたくさんあります。
大切なことなので繰り返しますが、まずはあなたの不安を具体的に書き出してください。
不安の原因がわかれば対応方法は必ずありますので、一人で抱え込まずに周囲や各種相談窓口を活用しながら、前に進みませんか?
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