
・非正規で働くのが不安でしょうがない。いつ首を切られるか
・黒字にもかかわらず会社がリストラを始めた。自分が対象にならないかビクビクする毎日
・このまま同じ仕事を続けていいのかどうか悩んでいる
結論から言えば、「安定した仕事」の意味は変わってしまっています。
「収入源」を複数持つことがより重要になっているからです。
仮に安定を企業の寿命と定義するなら、かろうじて大手製造業が当てはまるかもしれませんが、ほとんどの人にとって1つの会社で会社員人生を終えることはとても難しい時代になっています。

つまり、あなたも転職を前提としたキャリアプランを考える必要がある時代ということです。
昭和の成長期と異なり、終身雇用・年功序列を続ける会社もどんどん少なくなっていますよね。
この前提に立って、生活を支える働き方やキャリアを作っていく方法を解説したいと思います。
安定した仕事を探すよりリスクに備える働きかたを考える

まず、社会人としてリスクの高い選択は、1つの会社に依存して収入源を他に持たないことです。
新型コロナはこのリスクをはっきりと突きつけてきました。
影響を受けない企業はないかに思えましたが、逆に売上を伸ばしたり、成長の機会を得た企業もあります。
想定外のことが起こる前にリスクを「正しく」分散することはできませんが、考えられる可能性の高いパターンをもとに備えることはできます。
ここから、安定した仕事を探すのではなく、最悪を想定した上で備えることが生活の安定につながることを学ぶべきです。
では、どう備えればいいのでしょうか?
次の4つのポイントを順番に解説します。
- 複数の収入源を持つ
- 成長性・将来性のある業界、職種を選ぶ
- 需要に対して供給の少ない希少価値のあるスキルを身につける
- コモディティ化しにくいスキルを身につける
複数の収入源で生活基盤を安定させる
個人でとれる一番即効性の高い対策は複数の収入源(主業、副業、夫婦で4つの収入源、金融資産、企業年金など)の確保です。
副業でも金融資産でも企業年金でもいいのですが、明日会社をクビになっても生活を守ることができることが重要です。
もちろん、あなただけではなく配偶者も主業に加えて副業を持つことでさらにリスクを減らすことができます。
成長性・将来性のある業界や職種を選ぶ
次に、仕事の選び方で注意すべきポイントになります。
他の記事でも解説していますが、一生は無理でもある程度の期間にわたって生活を安定させるためには、成長性・将来性のある業界・企業を選ぶことです。
成長と衰退、そして生まれ変わりが同時に起こっている激しい環境下にあって、生き残る企業の条件はどんな条件で、その業界の各社がどのような計画を立てているのかなどを知らずに会社を選ぶことのリスクをお分かりいただけるかと思います。
ITによるデジタル化の進展と新型コロナ禍は、金融、運輸、小売、建築など多くの業界に根本的なビジネスモデルの変更を迫る大きな波になりました。
要は、今いる会社や興味のある会社がそうした変化の影響をどの程度受けるのか、影響の程度を経営層や業界がどう捉えてどんな対策を打とうとしているのかを知ることが、キャリアパスの構築に必要な最初の条件となります。
やりたかった仕事が消えて、全く未知の仕事が増えていくのが今起こっている変化なんですよね。。。
アフターコロナ・ウィズコロナでは、IT業界、食品業界、家電業界などが成長性に期待できます。
デロイトが毎年発表している企業の成長率ランキングなども参考にすると、投資の集まる場所がどこなのか、それらの企業の顧客は誰なのかを知ることができますので、ぜひ参考にしてください。
このように社会のニーズや技術の進化が激しい時代では、会社の選び方がキャリアや人生に大きく影響します。
成長性や将来性のある会社・職業をどう選ぶかについては「成長性や将来性のある会社や仕事を選ぶために知っておくべきこと」でまとめていますし、転職などキャリアアップするタイミングについては「転職のタイミングとキャリアアップを企業の寿命とライフサイクルから考える」で解説していますので、興味があればご覧ください。
国内市場への依存度が高く、人口減の影響を受ける業界
医療、金融、水産物・農産物業界、地銀・信用組合、自動車業界、旅行業界、小売業界、教育業界、公務員などが特に大きな影響を受けます。
安定した仕事の代名詞である公務員でさえ、地方公務員・教員は人口減に伴う限界集落の増加などの影響をこれからも受け続け、需要はますます減るでしょう。
教職系については、オンライン学習環境が進化すると、国内だけではなく外国勢の参入でより厳しい立場に立たされると思います。
情報に敏感な親は、インドのトップ大学卒のインド人を家庭教師につけ、英語教育と同時に受け冴えています。
こうした業界は、M&Aで体力を強化し海外市場の開拓に乗り出したり、インバウンド需要をあたらな市場として開拓することで生き残ろうとしています。
例えば、地方銀行や信用組合はこれから本格的なM&Aになると言われていますし、自動車業界ももう一段の合併・吸収があってもおかしくありません。
つまり、その業界の業務経験・知識に加えて語学力があれば市場価値に希少性を加えることができると思いませんか?
今からでも十分間に合いますので、ぜひ英語力強化へ投資してください。
>>ITエンジニアが年収とスキルを上げるために英語力を身につける方法は?
IT化、機械化、自動化によって仕事自体が消える職種
代表的なものは事務系全般、財務会計系、法務系、警備系、運輸・運送系、清掃、窓口業務などです。
特に事務系の職種はここ10年減り続けており、直近の求人倍率も0.2倍前後になっていますので、短期的な選択としてはアリですが、3〜5年以上続けることはリスクが高いと思います。

また、運輸・運送系は陸でも海でも自動化が進み始めています。新型コロナでこの動きを加速するでしょう。
その他の職種もあなたが20〜30代でこれらの職種で働いているのであれば、10年内に大きくキャリア変更を強制される可能性が高いので、常に情報収集を怠らず、複数のパターンでキャリアプランを作ってリスク管理をする必要があると思います。
需要に対して供給の少ない希少価値のあるスキルもしくはスキルセットを身につける
次に、個人としてできる対策です。
希少価値のあるスキルもしくはスキルセットとは、特定の資格がなければできない仕事や今のスキルに別のスキルを掛け合わせることで希少性を高め、市場価値をあげることです。
特定の資格としては、医師、弁護士、会計士、税理士などの士業が中心でしたが、いずれも人口減に伴う市場の縮小、技術革新や自動化で将来性が大きく下がってきています。
ただ、こうした資格は国家資格でもありますので、プラスアルファのスキルを掛け合わせることで新しい価値=希少性を取り戻すことは可能です。
同様に、一般の会社員でも実務経験、業界経験に異なるスキルや経験を加えてあたらな価値を生み出せばいいのです。
身近な例で言えば、語学力です。
自動翻訳は進化していますが、まだビジネスの場で利用できるほどではありませんし、人間同士の会議全てにおいて機械翻訳に任せることはセキュリティリスクもありますから、普及にも限界があるでしょう。
「英語ができると年収は上がるのか?どうして?【生涯年収5千万アップ】」でも解説していますが、英語は投資対効果の高いスキルですからぜひチャレンジしてください。
市場価値の詳細やあげ方については「35歳東京勤務のITエンジニアの市場価値とは?年収を上げるポイントは?」を参考にしてください。
コモディティ化しにくいスキルもしくはスキルセット
コモディティ化しにくいスキルとは、以下になります。
- 需要に対して供給が少なく、極端に増えることがないもの
- その資格を持っていると一定品質が保証されるもの
- その資格がないと就業できない職種
例えば、看護資格、外国の弁護士資格や会計士資格、ITセキュリティ監査資格などがあります。
かつてこうしたスキル・職業の代名詞であった弁護士資格は、国の弁護士増員施策によって縮小する市場へ大量投入された結果、希少性が失われ、平均所得は大きく下がりました。
ただ、外国の弁護士資格を持つことで希少性は大きくアップします。問題は、投資金額が相当大きくなること、取得までさらに数年かかることでしょうか。
同じことが他の資格やスキルに起こらないとは言えませんが、まだ有効な資格スキルは残っていますので、自分のキャリアに加える価値があれば積極的にチャレンジして今のスキルに掛け合わせて希少性をアップするべきです。
これは職業選択の段階でも影響しますが、一般事務職など短時間で身につけることが可能な仕事・スキルは避けることが大切です。
また、ビジネスパーソンとして持つべき汎用的なスキルを解説した「履歴書に書くことが何もないならポータブルスキルをアピールしよう!」などもキャリアプラン作りの参考にしていただけたらうれしいです。
まとめ

ここまで解説してきたことを簡単にまとめます。
- 安定した仕事を探しても見つからない
- 生活を守る手段を考える
- 複数の収入源を持つ
- 成長性・将来性のある業界、職種を選ぶ
- 需要に対して供給の少ない希少価値のあるスキルを身につける
- コモディティ化しにくいスキルを身につける
まずは今の不安定な状況から抜け出すことが最優先だと思いますので、一時的かつ短期の選択肢として事務職や窓口業務、清掃、警備、運送もありですが、できるだけその先のキャリアでプラスにできる何かを身につけるやり方を見つけて欲しいと思います。
皆さんのキャリアアップが成功するように祈っています!