・新型コロナの影響で会社の業績がめちゃくちゃ悪化している。転職を考えておいた方がいいか?
・転職活動を始めようと思ったんだけど、新型コロナの影響が心配。
・中途採用は減る?採用中止とかにならないか?
新型コロナの企業への影響が本格化するのはこれからですが、自分の会社の将来が心配ですよね?
この記事を読むと、IT業界が新型コロナの影響を受けるか、これからIT求人はどうなるのか、おすすめの職種は何かがわかります。
直撃を受けている航空・運輸・旅行・宿泊・飲食・医療業界意外にもどんどん広がっていくでしょう。
そんな中で、人材獲得への投資を積極的に進める会社もあります。
この記事では転職先としてIT業界を選ぶ方向けに新型コロナの影響と取るべき対策をまとめてみました。
新型コロナの影響〜これから何が変わるのか〜

IT系職種の求人倍率は高止まりしつつ、回復していく
新型コロナの影響は非常に広範囲に及んでいます。
直近の有効求人倍率を見ても全産業で大きく下落している傾向は変わらないのですが、情報通信系だけは異なっています。
減ってはいるのですが、減っても非常に高い倍率になっています。
これはIT業界への転職リスクと将来性を解説している記事でも説明していますが、IT業界全体が極度の人材不足がつづいているためです。そして、この傾向は10年以上は確実に継続すると考えられています。
しかし、デジタル広告だけは注意が必要です。
業績悪化に伴って企業が真っ先に削るのが広告予算なので、この分野だけは一時的位大きく採用が止待っていますので、デジタルマーケティング系はしばらく厳しい状況が続くと考えられます。
業務委託やフリーランスには厳しい状況
売り上げや利益が下がったときに企業が真っ先に取る行動が「コスト削減」ですが、これは言い方を変えると「外部への支払いを減らす」ということです。
これによって派遣切りや雇い止めなどがよくニュースになりますが、業務委託やフリーランスも同様に契約を切られ始めています。
そうは言っても、必要な人材を調達しなければいけないので、直接雇用へ切り替えて自前で業務を回せるように「内製化」が進んでいます。
別記事でも未経験者がフリーランスへチャレンジすることを僕は薦めていませんが、新型コロナによって既存のフリーランスの方にも厳しい状況になってきています。
「Web面接」がリファラル採用、アルムナイ採用の増加
新型コロナ感染拡大を防ぐためにあっという間に「Web面接」が広がりましたが、これだけでマッチングを完了するには不安が残ります。
人材採用コストは非常に高価な投資になるので、ミスマッチをできるだけ避けようとした企業は社員の紹介(リファレンス)による採用や退職した元社員の採用(アルムナイ)による補充を進めています。
これらの手法であれば、「Web面接」を補ってマッチ度の高い人材の採用ができるからです。
今からでも遅くありませんから、自分の人脈を総点検して仕事を紹介してくれるだろう人を特定し、定期的なコミュニケーション取るようにしてみるとチャンスが広がると思います。
採用を増やしているIT系分野・職種はなに?

新型コロナで在宅勤務が大幅に増えました。
この結果起こったことはネットワーク環境が整っていない会社が非常に多かったこと、加えて、リモート会議ができるソフトウェアとそれを支えるシステムを十分に準備していなかった会社が多かったことです。
通信キャリア・ネットワーク系、セキュリティ系
結果として通信キャリアやネットワーク構築、運用・保守に強みのある企業の求人が大きく増えてきています。
企業内のシステムを使う場合、セキュリティの強化が必須ですので、ネットワーク環境の整備と同時にセキュリティ環境を整えるためにセキュリティ関連企業へのニーズも大きく増えています。
ネットワーク・セキュリティ業界は元々新しい通信規格「5G」によって人材ニーズが高い状況でしたので、新型コロナの影響によってさらに採用ニーズが増えていくと想定されます。
EC、決済システム系
また、在宅が増えることで消費行動も変わりました。多くが買い物を最低限に控えてネットショップ購入するようになりましたので、これに関連して運輸系、キャッシュレス決済が大きく伸びています。
今までネットショップやキャッシュレスを利用しなかった人がその利便性に気がついたことで一気に裾野のが広がったので、Web系や電子決済系の求人もさらに増えると考えます。
転職する方にとっての注意は、こうした「特需」が発生している分野・業界・職種への応募は、「特需」が終わった後にその会社がどうなるのかをしっかりと調べておくことです。
元々自分のキャリアパスとしてその業界を選ぶのであればいいのですが、たまたま求人が増えたからそこへチャレンジというような理由では内定もなかなか出ないと思いますし、そもそもキャリアパスにつながらないのでおすすめしません。
採用を止めている会社と積極的に採用している会社の違いは?

直撃を受けた会社とその会社を主要取引先にしているIT企業
当然ですが、採用を止めている企業は航空・運輸・自動車・旅行・宿泊・飲食などの新型コロナの影響をもろに受けている業界、そしてその周辺業界です。
転職先として上げた会社については、主要な取引先にこれらの業界・企業が含まれていないかを確認し、また業績については当分の間は定期的にチェックしてください。
再生をかけて「デジタル化」を進める業界・企業
ただ個人的に注目しているのが、新型コロナの影響の大きかった業界・企業がこれを機会に一気に「デジタル化」へ舵を切るだろうということです。
また、「デジタル化」を進めてはいたものの、危機感が低かったり緊急度が低くて滞っていたプロジェクトなどが一気に動き出していますので、新たな人材需要を掘り起こしたのではないかと考えています。
元々遅れていた業界が生き残るために一気に動き出す結果、IT人材需要はこれからも高止まりして、人材獲得競争が激しくなり、競争に負けた企業は業績を落として倒産というシナリオも十分にあり得ます。
例えば、新型コロナの影響で転職面接も「Web面接」になりましたが、システムを準備していなかった会社は当然採用が進みません。
このようにちょっとしたところにその会社の「危機管理能力」や「危機対応力」などがはっきりと現れますので、注意して観察して欲しい点です。
売り手市場だからといって景気のいい求人に飛びつかず、その会社の経営状況や中期計画をしっかりと研究した上で自分のキャリアにあう候補を選び出してください。
企業研究・情報取集がこれからの転職で一番大切
そのためにも情報を集めて業界・企業研究が欠かせません。
別記事でもおすすめの転職エージェント・転職サイトを紹介していますのでぜひ参考にしていただき、合わせて転職エージェントや転職サイトで定期的に情報を集めて転職・キャリアアップのタイミングを逃さずに捕まえて欲しいと思います。
そしてこうした出遅れた業界・企業をターゲットにしているのが「コンサルティング業界」です。
もしあなたがその業界・会社出身で十分な業界経験・知識を持っているのであれば、未経験だとしても「ITコンサルタント」へチャレンジしてみる価値はあると思います。
未経験者でIT系職種へチャレンジしたい人へのアドバイス

新型コロナでインパクトを受けた業界・企業は避ける
やはり新型コロナの影響が大きい業界はこれからが正念場ですので転職先としては避けた方がいいと思います。
未経験でIT業界にチャレンジする方に注意して欲しいのは、こうした企業は業績回復の緊急度が高くなっているので即戦力を求めますからあまりチャンスは回ってこないでしょう。
万が一そうした業界・企業で「未経験可」などの求人があっても飛び付かずに、その会社の業績や募集内容、口コミを必ず確認してください。
人脈(コネ)を最大限活用する
既に解説した通り、企業の採用活動は「Web面接」に切り替わっています。これだけでマッチ度の高い人材を採用することが難しいため、社員紹介(リファラル採用)や元社員の採用(アルムナイ採用)が補助手段として活用されています。
自分の知人・友人・親戚・元同僚など、コネクションを一度棚卸してリファラルやアルムナイで転職のチャンスがないかもぜひ確認してください。
最新スキルへの投資を忘れない
別記事でも解説しましたが、IT人材需要はこれから5年くらいで一気に最新技術へとシフトしていきます。
今IT業界で働く人もこれからチャレンジする人も技術トレンドを理解して自分のキャリアプランを作り、スキルアップへ投資しないとせっかくの追い風を捕まえることができずに終わってしまいます。
英語力を磨いて外資系IT企業への転職、英語が必要な部門への異動など、選択肢を広げておくこともおすすめです。
まとめ

ここまでの解説をまとめておきます。
- IT人材へのニーズは高止まり
- 「デジタル化」の潜在的なニーズが顕在化してくるので、ニーズは増えると予測
- 転職候補企業の主要取引先の業績には注意
- 当分は「即戦力」へのニーズが中心
- 採用はリファラル・アルムナイを活用。人脈棚卸をしておく
- 最新スキルや英語力への投資をして選択肢を広げる
新型コロナのインパクトはIT業界の場合他の業界とは状況が違っています。
確かに人材不足は深刻なので、求人は潤沢にありますが、自分の強みを考えずに闇雲にチャレンジしても成功率は低いとはずです。
情報を集め、スキルを磨き、タイミングを合わせることで満足度の高い転職ができると思います。