「失敗しない転職のタイミング」をお金から考える【日系と外資系で違います】

この記事の概要
・転職のタイミングには、キャリア的なタイミング、市場的なタイミング、時期的なタイミングがある
・キャリア的には最高の実績を挙げた時がお勧め。ただし、昇進が絡むときには要検討
・市場的なタイミングについては、IT業界はそれほど心配する必要なし。これから10年以上人材不足が予測されていて、未経験者にもハードルは低め
・時期的なタイミングについては、ボーナス支給のタイミング、住宅ローンなどの支払いのタイミング、慶弔や突発的なイベントに備えた資金計画を作ること

・IT転職のベストなタイミングっていつ?

・転職市場的にベストな転職タイミングはいつ?

・1年で転職してはいけいない時期ってあるの?

「転職のタイミング」には大きく分けて、

・キャリアプラン上での転職のタイミング
・転職市場の状況を考えた上での転職のタイミング
・1年のいつ転職するのがいいのかのタイミング

の3つがありますので、それぞれ解説します。

目次

キャリアアップするための転職のタイミング【3パターン】

一番いいタイミングは今の会社で最高の実績を記録したとき

僕自身の経験としても、周りで転職に成功している知人の例でもこのタイミングがベストです。

理由は、気持ちも実績も「上向き」であり、転職先の会社からしても魅力的な人材と評価されやすいからです。

逆を考えると分かりやすいと思いますが、今の職場から逃げ出す様に転職を考えている人に魅力を感じるでしょうか?

もちろん、ブラック企業からの脱出などは別問題ですのでここでは省きます。

やる気に満ちて実績もあり、再現性の高いスキルを証明できるのであればこれ以上のタイミングはありません。

新型コロナの様な自分ではコントロールのできない何かが起こって、次の年も同じ様な成績を残せるとは限りませんから、タイミングさえ合えば今の会社で絶好調の時がベストな転職タイミングと言って間違いありません。

ただ、相当な引き止めにあるでしょうから、「退職ブロック」対策をしておかないと転職のタイミングがずれてしまい、内定取り消しなんてこともよく聞く話ですので、周囲への相談などは十分注意してください。

転職しようと決心したら昇進が決まった場合

悩ましい例としては、実績を評価されて次年度から昇進する様な場合です。

転職先での給与を決めるとき、ベースとなるのは現在の年収ですが、通常昇進して管理職になる様な場合は10%以上給与が上がるのが通常です。

会社の業績、市場の状況などから昇進後のキャリアを積んでから転職した方がより有利な場合もありますので一概言えないところが難しい点です。

僕のおすすめは、転職先で昇進後と同等のポジションを用意してくれて、年収もそれに見合った提案であれば前向きに考えます。

昇進予定を証明できる書類やメールなどを保管しておいて、転職先にポジションがアップし年収が変わることを伝えることである程度は考慮してもらえることもありますからぜひ試してください。

面談の場で実績と実力とともに、転職後に業績へ貢献できることを証明することができれば、昇進予定の証拠を評価して良い条件を提示してくれる会社もあると思います。

もし、ポジションは絶対昇進後のポジションで転職したいのに、あくまでも現ポジション・現年収での提案しかもらえないのであれば、転職せずに昇進してキャリアを積む方がその次の転職に有利になると思います。

産休・育休のタイミングは難しい

女性の場合、出産を検討しているときは転職のタイミングがとても取りづらいと思います。

おすすめは、現職で出産し、育休をとって現場復帰、1〜2年働いて仕事の感覚を取り戻し、実績を積んだ後で転職するパターンです。

理由としては、産休には条件がありませんが、以下のように産休にはいくつか取得条件があるからです。

参考:厚生労働省「産休&育休」

転職後1年は産休が取れませんので、新しい職場で産休も取れない状況はかなり辛いと思います。結果としてせっかく転職したのにすぐに退職せざるを得ないなんてこともありますので、キャリアプランを人生プランと合わせてタイミングを考えてください。

転職市場の状況を見て転職のタイミングを決めた方がいい?

IT業界への転職の場合は、市場の状況はそれほど問題にならないと思います。

IT業界への転職についての記事でも詳しく解説していますが、IT業界は極端な人材不足が続いていて、それはこれから10年以上続くと予測されています。

もちろん、必要とされるスキルを持っていることが条件ではありますが、未経験者にとってもハードルが低い状況が続きます。

IT業界への転職市場で重視すべきは「技術動向」ですが、「人材需要」という点ではそれほど重要視しなくてもいいと思います。

未経験でIT業界にチャレンジする方にとっては、5年先くらいまでのキャリアパスをしっかりと想定してから最初の入り口である職種と会社を選ぶとその後のキャリアアップがスムースに行くと思います。

お金から考えるおすすめの転職時期

転職で一番期待することの一つは給与が増えることだと思いますが、転職のタイミングや給与次第で結果的に年収額が下がってしまうことがあります。

想定年収が最初から満額入るわけではないのです。

基本給と賞与の割合

まず考えておくべきことは、給与と賞与の割合です。

年収が増えたとしても、賞与の割合部分の増加が大きく、基本給が下がってしまうことも十分あります。

すでに説明の通り、最初の半年は賞与支給額が下がることもありますから、その上基本給が少ないとなると家計への影響は少なくありません。

キャリアチェンジのときは、基本給が下がることも十二分にありえますから、転職後2年程度の家計の収支を試算して、不足が予想される場合は事前にどの程度貯蓄をして備えておけば良いのかを計算しておくといいと思います。(実は、私はこれをすっかり忘れていて、大失敗。危うく借金するところでした。。。)

転職1年目はボーナスなしと考える

一番影響が大きなものが賞与(ボーナス)支給のタイミングの違いです。

一般的な日系企業は、会計年度が4月始まりで賞与は6月/7月と12月/1月になっているかと思います。

例えば、3月末に転職し、4月1日から勤務開始であれば、最初の賞与は6月/7月に3ヶ月分が支給され、満額のボーナスは12月/1月になります。

これだけで単純に25%賞与支給額が下がる計算です。

これは転職前後で会計年度が一緒の場合ですが、日系から外資系またはその逆になるとこのブレが大きくなる可能性があります。最初の年はボーナスなしと考えておいた方がいいです。

特に外資系の場合、賞与が年一回だったり、そもそも賞与が12分割されて月給に含まれており、業績次第で年一回追加の支給があったり、4半期に一回の支給だったりと色々なパターンがありますので、支給のタイミングと想定支給額を確認・試算して、想定額が入らなかった場合の対策を考えておかないと想定外のトラブルにあいます。

クレジットカードの引き落としができずにブラックリストに乗ってしまうことのないように注意してください。

税金の壁、増税、住民税、年金

次に試算しておくべき点は、税金です。

国税局が税金の情報を広く公開している「タックスアンサー」に所得税率の一覧「所得税の速算表」があります。
【参考】タックスアンサー:No.2260 所得税の税率

これを見ていただければ一目瞭然ですが、900万円以下と以上で大きな壁があり、10%も違います。

ざっくり課税年収899万円であれば課税額は1,431,700円ですが、900万円になると2,334,000円となり、902,300円も増えることになります。

例えば、850万の年収が910万になると税金が不得手手取りが転職前より少なくなってしまいます。

また、転居を伴うのであれば住民税の変化も把握しておかないと更に困ったことになりかねませんので、事前に比較表を作っておくことをオススメします。

転職前後のお金の流れをシミュレーションしておこう!

他に考えておくべき金銭面での変動要素は、退職金、ローン、クレジットカード、家族のイベント等があるでしょう。

退職金

退職金も注意が必要な要素の一つです。

私の知人が、あとひと月で勤続10年というところで退職し、退職金が100万くらい違ってしまって悔しい思いをした方もいました。

会社の福利厚生制度の詳しい内容は知っているようで把握していないことが多いものです。

転職を考え始めたら、就業規則と一緒に福利厚生の仕組みもしっかりと調べて、損をしないように準備しましょう。

ローン、クレジットカード

ローンやクレジットカードも転職によって審査が通りにくくなります。

特に一部上場企業からベンチャーや成長期の外資系企業へ転職する場合は、会社の持つ与信力がことなります。

以前であれば通った審査が通らなくなったり、与信額が下げられたり、金利が上がったりしますので注意しましょう。

もちろん、逆に一部上場企業への転職であれば、こうした要素は改善されることもあります。

こうした点からも企業選びが人生に当たる影響の大きさを理解していただけるのではないでしょうか。

家族のイベント

意外と見落としな要素が家族に関するイベントです。

旅行や入学、卒業、結婚などの祝い事だけではなく、葬儀などの弔事、法事など人生には何かとお金がかかります。

転職直後の資金調達は難しくなることもありますから、余裕資金には追加の余裕を持てるように準備できると安心ですね。

転職のタイミングは日系と外資系で違うのか?

日系IT企業から日系IT企業への転職の場合

もし日系IT企業に勤めていて日系IT企業に転職するのであれば、半期や年度終わりのタイミングで転職すると、手続き的にもスムースですし、気持ち的にも切り替えがやりやすとお思います。

通常このタイミングの直前がボーナス支給時期と夏休みや年末年始のお休みの時期と重なるため、有給消化するタイミングとしてもいいと思いますし、異動や転勤、組織変更などもこの時期に行われることが多いと思いますので、手続き的な面から見ても進めやすいと言えますね。

会社によっては勤続年数3年、5年、10年などで特別手当や特別休暇が出る場合がありますので、タイミングが合うのであれば、しっかりもらった方がいいと思います。

女性の場合は、出産などの大きなイベントが絡んでくるとタイミングが難しいですね。おすすめは産休明けから1年程度現場復帰して、実務の感を取り戻し、市場の状況を見た上でタイミングを取った方がいいと思います。 

日系IT企業から外資系IT企業への転職の場合

外資系IT企業への転職を希望する場合はちょと注意が必要です。

まず、希望する外資系IT企業の会計年度を調べましょう。

外資系IT企業の場合、日系企業の様に日本の年度に合わせて会計年度を設定している例は少なく、1月〜12月、2月〜1月、12月〜11月など様々なパターンがあります。

見落としがちで影響も大きいので再度説明しますが、ここでも考えておくべきことはボーナス支給のタイミングです。

例えば、転職先の外資系IT企業が1月始まりだった場合に、7月のボーナスをもらって8月は有給休暇の消化、9月入社としましょう。

この場合、新しい会社では既に1年の3/4を終えていますので、その年のボーナスは出ません。

また、外資系IT企業はボーナスの制度も色々です。

  • 年収にボーナスを含み、12カ月で按分して毎月の給与に含まれる場合
  • 四半期に一度業績と人事評価によって支給される場合
  • 半年に一度の場合
  • 一年に一度の場合

先の例で言うと、一番最後の「一年に一度のボーナス」の場合は、転職後1年以上ボーナスが出ないことになります。

通常はボーナス支給の条件として3カ月〜半年程度の勤務実績がある場合にのみ支給するケースもありますので、四半期に一度のボーナスの場合で半年間の勤務実績がボーナス支給条件として決められている場合は、9月入社で最初のボーナスは翌年の9月になります。

もし住宅ローンなどでボーナス月の支払いを設定しているときは1年分の支払い金額をあらかじめ貯めておくなどの対策を取っておかないと大変なことになります。

それ以外にも色々な突発的なイベントが起こるのが人生です。

転職後は仕事が落ち着くにも生活が落ち着くにも時間がかかりますので、余裕のある資金計画を立てておくことを強烈にお勧めします!!

引き継ぎを考えたときの転職のタイミング

もしあなたが事業開拓や案件金額の大きい会社の業績に影響するようなプロジェクトや業務を担当している責任者や中心メンバー、リーダーであれば、転職のタイミングはそのプロジェクトの進捗や完了予定を考えないと後々後悔することになると思います。

おそらく中途半端にやめることが気持ちの悪い方も多いと思いますが、それ以上に自分への信用・信頼を落としてしまうことにもなりかねないので、こうした重要プロジェクトの担当になっている場合は、しっかりとやり遂げてから転職を考えるべきです。

最初にも書きましたが、転職は実績=信頼・信用を高めておくことが成功の秘訣です。

間違っても転職すること自体を目的にして、市場価値を落としてしまう行動にならないように注意してください。

【くまたの裏情報】

もし同じ業界内や近い業界での転職を考えている場合には転職のタイミングをその業界の繁忙期からはなるべく外すように気をつけたほうがいい場合があります。

これは辞められる側の気持ち=転職先企業が同じ立場に立たされたときに感じるかもしれません。

一年で一番忙しい時に躊躇わず転職する姿を見て、「将来自分が同じ目に会うのではないか」と引いてしまうケースがあるからです。

担当業務やプロジェクトをしっかりと仕上げ、引き継ぎもしっかりと終わらせて胸を張って退職できるように準備を進めておきたいところです。

まとめ

ここまでの解説を簡単にまとめます。

  • 転職のタイミングには、キャリア的なタイミング、市場的なタイミング、時期的なタイミングがある
  • キャリア的には最高の実績を挙げた時がお勧め。ただし、昇進が絡むときには要検討
  • 市場的なタイミングについては、IT業界はそれほど心配する必要なし。これから10年以上人材不足が予測されていて、未経験者にもハードルは低め
  • 時期的なタイミングについては、ボーナス支給のタイミング、住宅ローンなどの支払いのタイミング、慶弔や突発的なイベントに備えた資金計画を作ること

転職は本人に取ってだけではなく家族にとっても一大イベントです。

解説した3つのタイミングを総合的に考えて、「オトクな」転職を実現さえてください!

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