40代未経験でIT系転職はありだけどリスクあり?おすすめは?

悩み多きサラリーマン

・新型コロナの影響がどの程度出るかはこれから。

・元々今の会社の売上も頭打ちで業界内も元気がなくて将来が不安。

・40代でも景気の良いIT業界なら経験を生かして転職できないかな。

新型コロナ禍にあってさえ、IT系職種・IT業界は突出して売り手市場が続いています。

2021年3月に大手人材サービス会社のdodaが発表した職種別求人倍率では、IT系は8倍を超えますが「販売・サービス」は0.53倍、「事務・アシスタント」系では0.2倍です。

新型コロナの影響をモロに受けてしまった人が、将来性もある人手不足の他業界へ転職を考えることもうなずけます。

問題は、現在の仕事の経験やスキルがどこまで活かせるかという点です。

特に40代以降のシニアが未経験でIT業界へチャレンジ、しかも現場からとなるとハードルもリスクも高い挑戦になることは間違いありません。

それでもチャレンジしたい!という方向けに、僕がかろうじておすすめできる選択肢について解説します。

もくじ

40代未経験でIT業界へ転職するなら「顧客対応系」がおすすめ

結論から言うと、営業、プリセールス、ユーザーサポート、カスタマーサクセスマネージャーなど、顧客と直接接する職種です。理由は、今までの経験を活かしやすいのでリスクが低いこと、AIや自動化によって仕事が奪われにくいことです。

逆に今流行りの「Webプログラマー」などの開発系はオススメしにくいです。理由は後半で解説しているので、ご覧ください。

コールセンター

別記事でも解説しましたが、コールセンター系と保守系ユーザーサポートに分かれます。

コールセンターは製品サポートや企業内に設置された社員向けのサポートチームになりますが、大体3ヶ月程度で独り立ちできるような教育プログラムが組まれていることが多いですので、基本的なITスキルがあれば未経験でも入りやすさがあります。

サポート系の仕事に必要な「基本的なITスキル」は何かというと、ユーザーや顧客と電話をしながら情報をデータベースに入力することが多いので、ブラインドタッチは必須です。加えて、ウィンドウズ7以上のOS、エクセルやワードの基本操作が問題なくできるレベルが最低限です。

キャリアパスとしては、リーダー、マネージャー、コンサルタントへと上がっていくパターンと、基礎知識を身につけた後は上位サポートエンジニアやカスタマーサクセスマネージャーなどが候補になります。

保守系サポートエンジニア

保守系サポートエンジニアとして代表的な職種はパソコンメーカーの訪問サポートがあります。

こちらもレベルに応じて1ヶ月〜3ヶ月程度の座学・実地研修があり、一人で業務をこなせるようになるまでしっかりとサポートされます。


基本的に自宅からの直行直帰で、事務処理、研修、打ち合わせなどの他はオフィスに立ち寄ることはありません。

1日の訪問件数は大体4〜6件程度ですが、スケジュール調整によっては1日の特定時間に固まることもあれば、場所も時間もバラバラといこともあります。また、基本的に電車での移動となるので、ある意味体力に自信がないと辛いと思います。

くまた


収入は基本給+歩合になり、訪問件数によって収入が上下します。あまり極端にぶれないように調整はされますが、「動いてナンボ」大きく稼ぐことは難しいでしょう。

コンサル、営業

他の業界で営業やコンサルの経験がある場合、その業界特有の事情、課題、ITへの要望などの知識・経験が付加価値になります。

もちろん希望する会社の最低限の商品やそれを支えるIT知識は必要ですが、当然トレーニングはありますし、技術面はプリセールスやエンジニアに任せることができます。

くまた

転職エージェントや転職サービスを利用する時には、自分強みである業界経験がIT業界でも付加価値になること、その経験を持って転職先の会社に売上や利益をもたらすことができることを論理的に説明でないとダメです。

カスタマーサクセスマネージャー

2018年にビジネスSNSのLinkedinが今後最も有望な職種Top10の一つとして選んだのが「カスタマーサクセスマネージャー」です。

IT業界の将来性を解説した記事↓でも同じ内容を書いていますが、再掲します。

IT業界の将来性と転職リスクは?30代でも大丈夫?【おすすめIT系職種は?】

ユーザーサポートは製品の障害問い合わせに対して(受動的(=リアクティブ)」障害から速やかに復旧するための手助けをし、ビジネスへの影響を最小限にすることが目的です。

カスタマーサクセスの仕事は顧客ビジネスの推進・成功のために「能動的(=プロアクティブ)」に製品の利用・活用を促し、また助けることが仕事の目的になります。

最近多くの製品やサービスが「サブスクリプション」と呼ばれる月額・年額の課金方式で提供されるようになりましたが、このビジネスモデルでは「解約率」をいかに低く抑えるかがビジネスの成否を分けることになります。

例えば100社が加入したとしても、翌月に110社が解約した場合ビジネスが成り立ちません。常に加入社数>解約社数でなければいけません。

解約を防ぐには製品やサービスを利用してもらい、売り上げや利益が増加することが必須です。

カスタマーサクセスマネージャーは中長期の活用計画を立てて顧客と合意し、売上や利益目標を達しするために両者が協力しながら計画を実行していきます。

サブスクリプションモデルのビジネスは、Apple MusicやSpotifyなどの音楽配信サービス、アマゾン・プライムなどの動画・書籍サービス、Hulu、Netflix、YouTubeなどの動画配信サービス、Kindle Unlimitedやdマガジンなどの書籍サービス、プレイステーション・ナウやニンテンドー・スイッチ・オンラインなどのゲーム、最近では洋服、アクセサリー、バッグなどファッション系、レストランやカフェなどの飲食のサブスクリプションサービスも増えてきました。

くまた

こうしたサービスを支えるカスタマーサクセスマネージャーの需要は今後も高まっていくと思います。

※興味があれば、具体的な求人情報については、転職サイト・転職エージェントを利用してチェックしてみてください。

同じ職種でIT業界へ転職

当たり前ですが、IT系の会社といえども人事、経理、法務などのバックオフィス系の仕事はたくさんあります。

もちろんエンジニアや営業などのフロント系の職種ではありませんから理論年収は下がりますが、平均年収自体が高い業界なので、他の業界に比べてバックオフィス系の給与が劣るわけではありません。

業界特有の知識や経験・自社の商品・サービスに関する知識も必要ですが、フロント系職種のようにそれがないと仕事ができないわけではありません。

「将来性のある業界・仕事をしたいけど、IT系は無理だよなぁという方は一度検討してみる価値があると思いますよ!

40代未経験者にITプログラマーをオススメしないワケ

僕が未経験40代にプログラマーはお勧め理由は、AIの進化が早く決められたコードを書くだけのプログラマーの「作業」は奪われる可能性が高いこと、AIの助けによって効率化したコーディング作業はより少ない人数での開発を可能とするはずだからです。

40代未経験でITプログラマーは投資効果とリスクを比べるとリスクが高い

つまり、今未経験でプログラミングを始めてある程度実績を積んだ頃に進化したAIに仕事の大部分を奪われかねないリスクがあります。

40代の未経験者が付加価値の高いトップレベルのプログラマーになるには時間が足りないのではないか。

・チャレンジした結果、50歳前にAIや日本語を使いこなすオフショアプログラマーに仕事を奪われ、再度キャリアチェンジとなるとしたら相当苦労する可能性が高い

要は、投資効果とAI進化やオフショア開発拡大による仕事を失うリスクを比べると、未経験40代の人にとってリスクの方が高く見えてしまうんです。

そもそも全く足りていないプログラマーを補うためにオフショア開発も拡大していくと想定しています。しかも日本語が堪能な外国人プログラマーやエンジニアが増えています。

僕が初めてインド人エンジニアに会った時はリーダークラスの人しか日本語を話せる人がいませんでしたが、今はリーダー含め複数のエンジニアが流暢な日本を話しています。

また、グローバル展開している企業は社内公用語だけではなくITシステムの言語も英語に統一しています。つまり、オフショアのエンジニアやプログラマーは日本語が話せる必要がなくなってきてもいるんです。

厳しい現実ですが、企業にとっても40代以降の採用(投資)はリターンを得られる期間が短いというリスクを負うことになります。

それゆえ「即戦力(=初期投資が少なくて済む)」を求めるワケなんですよね。

また2016年ですから4年前の資料になりますが、転職サイトのTypeが300人に対して行った調査「「コードで食っていく」は何歳まで可能か?」の結果を載せておきます。

“ 実に6割以上のエンジニアが、課長に相当するポジションまでに開発から足抜けしなければならないという。これは、【Q1】で大体40歳前後に開発(コーディング)業務から離れると答えた人たちに多かった

「開発業務を離れた方が高給をもらえるから」
「プログラマーより別の役割(SE、PM、ディレクターなど)の方が評価されるから」

といった理由が関連していると推測される。「創る人」としてのキャリア形成で最初の節目が、まさにこのくらいに訪れるということなのかもしれない。“

参照:キャリア転職サイトタイプ「コードで食っていく」は何歳まで可能か?エンジニア300人調査で見えた理想と現実より抜粋

実態としてキャリア形成のために40歳前には半数以上のプログラマーが管理職へステップアップし、コーディングから離れている実態があります。

4年前の記事ですので、今とは少々状況が異なる部分もあると思います。最新の情報は転職エージェントなど生の情報を持っている情報源に確認することをオススメします。

それでもプログラマーになりたい、チャレンジしたい方へのアドバイス

もし、そんなことはない、AIの進化はそんなスピードで進むとは思えないしチャンスはまだあるからやってみたい、オレは一生プログラマーとして生きていくという方へ向けたアドバイスとしては3つです。

50歳以降のキャリアを見据えて付加価値を重ねることを忘れないでください。

・DevOpsリーダーなど、ビジネス寄りの管理職にステップアップする

・AI、IoT、セキュリティなどの分野に特化したプログラマーを目指す

・英語力などの語学力の付加価値をつける

くまた

就職については正直、大手企業への転職は難しいと思います。

人を育てる資金のある大手企業はコストの安い若手から育てるでしょうし、そもそも付加価値の低い初級プログラマーレベルの仕事は外注するからです。

さあ、プログラミングを学ぼうという方へ

全くの未経験の方が転職を目指してプログラマーを希望する場合は、今の仕事を続けながらオンラインのプログラミングスクールで学ぶべきです。

独学はオススメしません。理由は時間がかかるからです。

40代にとって何より価値のあるものは時間です。20代・30代と同じ感覚で時間を使うことはできませんから、ここは投資して時間を買うべきです。

スキルアップしたいサラリーマンの最強ツール!スキマ時間でオンライン学習

資金的な余裕があって、会社を辞めても生活に困らないのであれば、紹介予定派遣とセットになっているプログラミングスクールなども選択肢に入れていいと思います。

まとめ

ここまでの内容を簡単にまとめます。

・オススメはサポート系で、リーダー、マネージャー、コンサルとステップアップするキャリアが作れる

・業界経験を活かすには営業またはコンサルもあり

・プログラマーはオススメしないが、チャレンジする場合は50歳以降のキャリアを見据えて早い段階でステップアップすべき

・やはり40代は投資できる時間は少なくリターンを得る期間も短いというリスクあり

・IT系職種ではなく、今と同じ仕事でIT業界を目指す

40代未経験でIT業界・IT系職種を目指すときには自分が負っているリスクを徹底的に洗い出して、冷静に評価することから始めてください。

その上でリスクを冒してもチャレンジする価値があるかどうかを判断すべきです。

あなたの成功を祈っています!

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