
エンジニアに転職したいけど、英語ができると有利なのか?
ネットの情報の99%は英語っていうけど、エンジニアのスキルアップにも英語は必要なのか?
将来正社員へキャリアアップしたいけど、まずはスキルアップ。英語はその後でいいかな?
最初に言い切ります。
エンジニアに英語力は絶対に必要です。
もちろん英語力がなくてもエンジニアとして生きていけます。
英語が話せなくても楽しく働けます。
でも、もしあなたが選択肢を広げ、望むキャリアを手に入れ、給料を高くしたいのであれば、英語はMUSTです。

英語力以上にリターンのいい投資はないと僕は信じていますし、実感しています。
今のスキルと経験で、英語の話せる自分と話せない自分でどれくらい給与が違うか試しに調べてみてください。
同職種・同業界で英語を使うポジションの求人を調べたり、転職エージェントの無料キャリア相談を利用して査定してもらってもいいと思います。
意外とみんな気がついていないんですが、スキルアップを考えてたとき、英語ってレバレッジの効き方がめちゃくちゃチートなんです。
普通は、
IT
IT x 財務・管理会計
IT x 財務・管理会計 x 法務
のように興味や方向性にそってキャリアのパターンを自由に組み合わせて自分だけの強みのパターンを作ることができます。
でも英語だけは特別で、
(IT x 財務管理会計 x 法務)x 英語
みたいに、スキル全体に対して掛け合わせることができるんですよね。
それは英語だけが「Global Language」だから。
このレバレッジのヤバさに気がついている人は意外と少ないと僕は思っています。

参考までに僕の英語力とキャリアは下記の通りです。
- TOEIC790点
- 留学経験全くなし。出張で2週間が海外最長滞在期間。
- 10年以上、10社以上の外資系企業へITサービスを提供。
各社とも社内公用語は全て英語。 - 3年間、200名のグローバルチームをマネジメント
メール・会話は全て英語。日本にいながら1日数時間は英語づけ
(契約書作成、外国法務部門との交渉、顧客向け月次報告書作成など)
これを見て気づくと思いますが、僕の英語は「独学&現場たたき上げ」です。
留学しなくても、ビジネス英語力は十分に身につきます。
とはいえ、お金も時間もある人や会社が留学費用出してくれるのであれば、留学も選択肢に入れましょう!日本人のいない場所を選べば効率はとてもいいので。
ゴタクはいいから英語学習の始め方を教えてくれ!という方向けにはこちらのまとめ記事をどうぞ!
エンジニアに絶対英語力が必要な理由

圧倒的な情報量。ITに関する最新かつ1次情報は全て英語と思っていい
まず、この表を見てください。同じ単語を日本語と英語で検索したときの検索結果数の比較です。
検索語(日本語/英語) | 日本語で検索 | 英語で検索 | 倍率 |
---|---|---|---|
サイバーセキュリティ/CyberSecurity | 26,000,000 | 526,000,000 | 20.2 |
IPアドレス/IP Address | 47,400,000 | 2,090,000,000 | 44.1 |
プログラミング/Programming | 126,000,000 | 2,080,000,000 | 16.5 |
デジタルトランスフォーメーション/Digital Transformation | 4,030,000 | 477,000,000 | 118.4 |
デジタルマーケティング/Digital Marketing | 58,300,000 | 2,970,000,000 | 50.9 |
サーチエンジンオプティマイゼーション/SEO | 594,000 | 614,000,000 | 1033.7 |
ぱっと見で理解できると思いますが、圧倒的な情報量の差です。
上の表からも大体平均で20倍や30倍はありそうですよね。
単純な単語の比較ですらこれですから、各種業界レポート、ブログ記事、研究論文などの数を比べ始めたら比較にならないでしょう。
英語ができることの一番のメリットは、この莫大な情報を手に入れることができることです。
IT=情報技術ですから、まさに情報量と質が命。
これ以上に価値のある英語を学ぶ理由はないと思います。
圧倒的な情報の速さ。日本語訳されるタイムラグは時に致命的
最新の情報が全て英語であれば、僕たちがいつも読んでいる海外のネットニュースは古いの?という疑問が湧きますが、答えは「さほど」古くありません。
ほぼリアルタイムでしょう。
しかし、英語ができないのであれば最新技術やビジネスモデルに関する情報は「誰か」の翻訳を待たなければいけません。それは1日かもしれませんし、1年かもしれません。
例えば、アメリカのアマゾンで新刊ランキング1位になった本が、日本語訳されて日本で出版されるまでどれくらいかかるでしょう?
僕の知る限り、大体1〜2年です。有名なハリー・ポッターの第1巻は2年半かかっています。

ハリー・ポッターであればベストセラー確実でしょうから、出版社もできるだけ時間を短縮して発売しようとしますが、何人読むかわからないビジネス書や技術文書は英語そのままの場合もすごく多いんですよね。
つまり、英語ができないと手に入らない情報があり、日本語への翻訳を待っていると年単位のタイムラグがあるということです。
しかも、どの本が(情報が)翻訳されるか、どう翻訳するかは出版社側の(メディア側)の選択次第です。つまり、この時点で1次情報が何かしらのバイアスがかかった2次情報になってしまうデメリットもあるんですよね。
これ、今時のスピードの速いビジネスには致命的です。
このタイムラグがあってこそ成り立つビジネスが日本には多いかもしれません。
昔から、「アメリカで10年前に流行ったものが日本で今流行する」と言われていました。
インターネットのおかげでさすがに10年はないと思いますが、アメリカでもうかるとわかったビジネスを日本に輸入し、コピーしてかせぐのはよくあるパターンですね。
「時間差」というギャップを利用した賢いビジネスです。
給与の高い外資系への転職が選べるようになる
結論から言うと、英語ができることで、日系の「利益がいい」会社に加えて外資系の会社を選ぶ選択肢が増えるということです。
いい給料が欲しければ、「売り上げがいい会社」でなはなく「利益がいい」キャッシュリッチな会社を選ばないとダメです
外資系にはキャッシュリッチ=もうかっている会社が多く、だから社員にいい給料を払えているということです。
「GAFA」という言葉を聞いたことがあるかと思います。Google/Apple/Facebook/Amazonの略ですが、いずれもアメリカの企業です。
IT企業に限ってみても、トップ10に日本の会社が入ることは無くなりました。
こうした会社は世界中から優秀な人材を集め、今までにない技術・サービスで利益を積み上げて、もうけたお金でさらにいい人材を雇うという好循環を作っています。

1−2年前のニュースで、アメリカの某大手金融がインドの工学系大学のトップ1%の卒業生に対して億単位の年収でヘッドハントしているというニュースを読みましたが、そんな話はごろごろしています。
利益の元が優秀な人材であることをよくわかっているんですよね。
僕が常駐していた外資金融会社では、新卒社員の年俸が800万でした。。。
もちろん、当時30代の僕の年収よりはるかに多いですよ。
個人的にすごく大きなメリットだったのが、国内外の優秀な外国人、経営層との人脈ができたことです。
外資系は日系以上にコネ社会である、と言うのが僕の経験&持論です。
中長期的にキャリアを考えれば、これがどれだけ大きなメリットかはカンタンに理解できると思います。
エンジニアで英語が堪能な人材はまだまだ少ない=希少価値あり
僕が派遣でIT業界に入った頃から、バイリンガルのエンジニアは本当に少なかったですが、比率的には全く増えていないと思います。
それは、英語ができる人は増えたけど、バイリンガルを必要とする仕事も企業も増えたからです。
結局は増えるスピードが遅いので、価値は下がっていないんです。
何度でも言いますが、英語ができて損することはないです。今から始めてください。
実践的なビジネス英語を身につけるためのコツ

結論からいうと、英語を使う(話す、聞く、書く)時間をどれだけ作れるか、確保できるか次第です。
ただ、「Hello」くらいしか思い浮かばない段階で高額な英会話学校やオンライン英会話に申し込む必要は全くないですよ。
日常会話でよく使う英単語や表現、仕事でよく目にする英単語など身近なところから勉強するだけでも全く違います。まずは、読み書きがある程度できるところまで、自習しましょう。
僕が常にやっていた一人でもできるレッスンは「シャドウイング」。無料教材を音読したり、カラオケで英語の歌を歌う、映画のセリフや会議の録音などを聞いてネィティブスピーカーのセリフ・発言を自分で口にしてみることです。
あまりにおすすめなので、英語のシャドーイングに関する記事の参考リンクを一つ貼っておきます。
ググれば無料の英語教材はたくさん出てきますが、僕のお勧めは以下のとおりです。

僕が英語を身につけたプロセスを振り返ると、圧倒的にインプットよりアウトプットの時間が多かったんですよね。僕がやったことを書き出してみます。
- 英語と使うプロジェクトには自分から手をあげる→「英語の仕事はくまたへ」となった
- 本は英語の原書を読み、音楽は洋楽を聴き、映画は洋画を「英語」字幕で見る
- 日常的に使う表現は全てテンプレートを作っておく。例えば、スケジュール調整、ユーザーにトラブルの状況を聞く英文メールやお詫び、協力感謝など
- 転職エージェントは必ず外資系も複数登録。その中で気の合うエージェントとは3ヶ月に1度程度は情報交換を行う。もちろん英語で。MessangerやLInkedinのアカウントを交換して、チャットも英語でやるとチャット独自の英語表現も学べる。こうやっていると、相手もこちらの英語のレベルが分かるので、自分にあった案件を進めてくれるようになる
- 英会話スクールは5カ所くらい回って体験レッスン。これだけでも結構お得。その中から気に入ったところを選び、日常会話しにいくのではなく特定のトピックについて事前に準備して「プレゼン=自分の話したいこと」を話しにいく。本で読めば理解できることには時間を使わないように注意していた
今なら、社会人の英会話サークルやイングリッシュパブ、日本語を学びたい英語を母国語とする外国人とお互いにレッスンをする、とかもありかと思います。
映画については無理にビジネス英語に合うものとかを選ばずに、自分のお気に入りの映画(日本の映画であっても英語版は結構ありますよ)を英語字幕で見直すことから始めるのがおすすめです。

ストーリーがわかっているから、「耳慣れたセリフを英語でいうとどうなるのか」なんかも理解しやすいですし、楽しいです。
不思議なもので、喋れるようになると英語が聞こえるようになるし、聞いた言葉をいちいち翻訳しなくなるんですよ!
でも、やっぱり一番いいのは少しでも生の英語を使う仕事を見つけることです。
理由は単純、お金がかからず毎日英語を使う環境が手に入るから!
会社から教育補助などが得られるのであれば、それももちろん活用しましょう。
勉強の目的が英語と知れば、上司から英語絡みの仕事を回してくれるかも知れませんよ?
英語ができるとどれくらいの給与が期待できるか、キャリア選択肢は増える?

契約社員以上だと年収で+50〜100万くらいですが、ポジションやスキルによってものすごくブレます。あくまで目安にしてください。
外資系大手人材会社のロバート・ウォルターズが毎年給与調査報告書を公開していますので、そちらも参照してください。
参考:ロバートウォルターズの給与調査2020

僕の経験では、派遣の場合で時給で+100円〜200円です。時給で200円違うと年収ベースで40万弱差が出ますね。
英語力でキャリア選択肢が増えるという点では、外資系転職の他は海外転職や日系企業の海外展開プロジェクトへの参画と海外駐在、海外出張です。
海外出張は色々準備も大変ですが、得るものも多く今振り返るといい経験ばかりです。
日系企業に勤めていた頃、ある日本企業がフィリピンのプロジェクトに1年間人を派遣してほしいという注文が入り、僕も候補に上がりました。
この時の条件は、
・家は一軒家でメイド付き
・治安が悪いから、車で送迎
・危険地勤務手当として月額35万
・半年に1度、1週間程度の帰国可能。費用は全て会社持ち
というヒジョーに美味しいお話でしたが、残念ながら流れてしまいました。。。
ビジネス英語の実践で失敗しないコツ

これは2つだけ覚えておいてください。私がよくやった間違いです。。。
Yes・Noの使い分けに気をつける
英語会話を始めたばかりの人に多いのが、Yes・Noの使い分けを正反対に使ってしまうこと。
例えば、「俺間違ってないよね?」に対して、日本語であれば「うん、間違っていないよ」と答えるのが普通と思うのですが、これが厄介の元です。
英語で書くと、「I did not make a mistake, right?(俺間違ってないよね?)」と聞かれて日本語風の回答で「Yes」と答えるとそれは「いや、お前の間違いだよ」ってことになります。ここは「No, you don’t」です。
これ、日本人にとってすっごくトリッキーで間違えやすいんです。
少なとも僕の場合。。。
わからないことには「わからない」とハッキリ伝えること
そして、何より大事なことは、わからないことには「わからない」とハッキリ伝えることです。
わかったふりして話を進めるととんでもないことになるのは日本語だって一緒ですが、英語に慣れない日本人はつい「Yes、Yes」とか気軽に流れで相手の言う事を認めてしまいます。

この誤解を解くことに使う時間と労力と言ったらものすごい負担ですし、最悪責任を取らされプロジェクトから外され、キャリアも気付くつということになりかねません。
これは全てのビジネスシーンで言えることですが、慣れない英語が絡むと余計にややこしくなるから注意してください。
具体的な対策としては、「わからない」と言う返事のパターン、テンプレートをいくつか用意しておくことです。
会議の場などでハッキリしないことわからないことについては、文書やメールで再確認を僕は徹底していました。
例えば会議の後に「話し合った内容は以下の通りと理解しているけどあっているか?君の発言についてこちらの理解に漏れがあるとと怖いから、ダブルチェックのためにメールでも送ってくれ」と頼むことがよくあります。
次のキャリアを考えて経済・会計・ビジネス法務の知識を!

IT・エンジニアのキャリアパスにはマネージャーやコンサルタントがあることは別記事でも解説しましたが、そうしたポジションが上がるにつれて、予算管理や契約管理が必須になります。
当然、外資系であれば上司は外国人というケースも多いですし、その上司も本国への報告義務がありますから通常公用語は英語です。
コンサルタントであれば、顧客外資系企業の決済権者が外国人といことも多いはず。
つまり、経済、会計、ビジネス法務なども英語でできないとダメです。

これこそが「ビジネス英語」だと僕は思っています。
いきなりこのレベルは難しいと思いますから、まずは日本語で簿記や会計、法律の基礎知識をつけておくと少しだけですがあとから楽になりますから、こうした経営層との共通言語も学びましょう。
まとめ:英語ができると人生が楽(ラク)で楽しい

色々解説してきましたが、英語ができることのメリットを簡単にまとめますね。
- 圧倒的な量と質の情報へアクセスできる
- 給与が高い外資系企業が転職の選択肢になる
- 海外プロジェクトや海外出張のチャンスが回ってくる
- 国内外の優秀な外国人、経営層との人脈ができる
これだけメリットだらけの英語力を鍛えない理由はないですよ。
プライベートだって絶対いいことだらけです。

話せないとテンプレートの答えしかきませんが、現地の人から直接いろいろな生情報をもらえます。旅先のトラブル楽しい思い出に変えてくれるでしょう。
この記事を読み終わったら、ぜひ英語の勉強を始めてください。
マジでお願いします!足りてないんです!