転職で得るものと失うものを考える

「リストラに備える=転職に備える」でも書きましたが、転職の検討を始める際に、転職の前後で何が変わるのか=リスクを把握し、自分が新しい会社に対して何を望むのか明確にするためのリストを作成します。これは面接時の質問リストを作る際のネタにもなりますので、オススメです!

情報の入手場所としてまず当たるものは、各企業のIR情報のページ、会社四季報、業界地図、転職情報サイトの募集要項などです。

1. 自分にとって絶対的に譲れないものを決めておく

比較の前にひとつ大切な作業があります。

それは、今持っているもので絶対守りたいものと転職によって必ず手に入れたいもの、そしてそれはなぜか?、いつまでに達成したいのか、優先順位はあるか、を書き出しておくことです。

これが分かっていないと、転職活動中に迷った時に判断する基準が甘くなったり誤って、転職後に後悔する可能性を上げてしまいます。

例えば、将来海外での勤務を希望して、次の職場で英語での交渉力を強化したいような場合、給与は高いけど英語は読み書きができればいいという会社に転職してしまうと、目的達成に必要な力がつかないことになります。

転職はそう頻繁に訪れるチャンスではありませんし、失敗する可能性もあります。

失敗した時のリカバリーができるかどうかも、この段階の調査に影響を受けますので、納得行くまで時間をかけましょう。

2. 比較表の項目を洗い出す

最初に項目を洗い出します。
典型的なものは、大項目としては、

    一般情報、会社情報、処遇、社風

一般情報の中項目として、

    業界でのランキング、市場シェア、市場の成長率、市場の課題

会社情報の中項目として、

    売上、営業利益、資本、社員数、年齢構成比、ROE、ROI、社員一人当りの売上額、社員一人当りの営業利益額、平均年齢

処遇の中項目として、

    平均年齢と平均給与、福利厚生、企業年金の有無、有給休暇制度、社員報奨制度、社員教育プラン

社風の中項目として、

    業界の特色、創業の歴史、経営理念・社訓、本社所在地と風土、社内イベント、知り合いの有無、経営層の著作、副業の可否、組合の強さ

このあたりの情報を集めることで、その会社のことがかなりよくわかるのではないかと思います。

3. 比較する時の注意

こうした情報を集めることで、自分がその会社に求めることが叶うのかどうかの判断にも役立つでしょう。

例えば、給与を上げたいのであれば、自分がその会社の平均年齢に近ければ、平均給与と自分の今の給与の差額が一つの目安になるでしょう。

また、会社の成長に合わせて給与が上がっていくことを期待するのであれば、東証一部上場企業よりもマザースで元気のある成長企業を選ぶべきかもしれません。

もしすでに心に決めた会社がいくつかあるのであれば、あなたがなぜその会社に惹かれたのか、も簡単にまとめておくと面白いかもしれません。

比較後に、自分のイメージがどう変わるかを知ることで本当に自分が求めていることが見えてくる場合もあると思います。

その他に注意すべき点は以下の通りです。

  • 自社の情報をなるべく客観的に書く。感情的な評価にならないように。。。
  • 業績は過去数年の推移で見る
  • 株価の推移、投資家の声など、市場の評価を調べる

4. 比較して転職後の変化を想定する

情報が出揃ったところで、転職後に何が起こるのかを考えてみます。
※以下はあくまでも一例です。

まず一般情報の比較でわかるのは、その会社がこれから成長する余地があるのかどうか、成長のために解決しなければならない課題は何かです。

この時注意すべきは、成長が鈍化していても、さらに業界を細分化すると、特定分野だけ伸びているような場合もあるので、そこがあたなの狙い所であれば評価を変える必要がるという点です。

例えば、外食業界は厳しい状況ですが、立食レストランなどが伸びていたりしますよね。同じような事例は各業界にあると思いますので、候補がそういう強みを持っているのかを確認します。

また、別記事でも触れましたが、AIやロボティクスの進歩で人間が手作業で行っていたもの、定型化された作業はどんどん人の手を離れています。希望する業界、業種、会社の業務がそういうITや生産技術の進歩による影響をどう受けるのかもしっかりと確認しましょう。

例えば、経理業務の定型的な処理が自動化されるのであれば、自分はどういう付加価値をその業務にもたらせばいのか、そのためにはどんな知識や能力が必要となるのかを国内外の事例をあたり、情報を集めます。

次に、会社情報でわかることは、会社の体力、将来性、経営効率、業務効率、社員の持つ付加価値などです。

短期・中期で黒字倒産などの経営リスクがないかをしっかり確認します。

せっかくいい商品、技術力を持っているのに、市場の期待と裏腹に消えていった企業の例は、枚挙にいとまがありません。

乗り換える船の底に穴が空いていないかを確認しておきましょう。

処遇については、日々の生活に直接影響するものですから、わからない点は契約条件の交渉の段階で遠慮せずに確認するようにしましょう。

ただ、五月雨で質問してしまうと印象が悪くなりますので、こうした一覧でまとめて一度で済むようにすべきです。手戻りも少なくなってお互いの時間節約になります。

最後に社風です。実はこれが一番わかりにくい点にもかかわらず、すぐに影響が出てくる厄介な要素でもあります。

特に日系企業は、本音と建前で看板は綺麗なのに、裏側が・・・なんてことも多いかと思います。一流と思っていた会社がある日突然新聞の一面を飾ることも珍しいことではなくなっています。それくらい市場の変化が激しく早いとも言えますが、外からは実情が見えにくいということも言えます。

なので、社風については、表に出てくることだけではなく、業績や業界の特徴を踏まえて、なおかつなるべく内部にいる人の口コミなどの情報を入手して、いい面も悪い面も手に入るだけの情報を集めておくことが大事だと思います。

この時注意すべきは、インターネットや情報誌などのメディアに頼り過ぎないということです。

以上、長くなりましたが、個人的に一番大切に思うのは、自分にとって何が譲れないことなのかという点です。

これさえ手に入れることができれば、あとは目をつぶろうと覚悟できるかどうかが転職で後悔しない秘訣と思っています。

やはり、求めすぎるとがっかりしてしまうことも多いですから。。。。