転職年齢の壁を超えるための2つの原則

人手不足の影響で35歳以降の求人が増えていますが、業界、職種、ポジションを問わず万遍なくあるわけではありません。

エン・ジャパン株式会社が公開している転職コンサルタントを対象としたアンケートでは、「35歳〜44歳、中小企業、メーカー、営業・マーケティング職」が需要のあるボリュームゾーンとの結果が出ているようです。

経験をもとにした高い専門性が、転職者に求められています。
平均以上の経験値と専門性がなければ、転職しかつ給与がアップする可能性は低いということになります。

もし能力・経験が平均値でも給与が上がる要素があるとすると、転職前の会社が業界大手で、大手だからこそのコネクションを使って業績に貢献できると判断されるような場合でしょう。

同じ理由で、すでに経営層もしくはスペシャリストとして業界でも平均以上のレベルにあるのであれば、その経験が業績アップにつながると市場が認め期待しますから、周りが放おって置かないでしょうし、大幅な給与増を望めるケースが多いと思います。

要は、経験を価値=業績に変える力、貢献する実力があれば年令による制約は少なくなり、この格差を認識し対策を練っておかなければ競争相手に囲まれて、転職活動は長期化する可能性が高くなります。

1. 企業が求める人財像を知る

ここまでお付き合い頂いた方であれば、もうお気づきでしょう。
そう、ここでもまた「キャリアプラン」に戻っていくのです。

キャリアプランの構築で大切なことは「自分を知る」ことでした。

「自分を知る」ということは、ライバルとの比較の中で、自分の強み=付加価値を知るということでした。
それらを洗い出すために、いくつか自分に質問をしてみましょう。

Q1. 同業他社で同じポジションに居る人と自分の間に経験や能力に何か違いはあるでしょうか?
Q2. また、そのポジションから上の人はどんな能力や経験をもっているでしょう?
Q3. あなたのキャリアプランが上位職者のその先に有りますか? あるのであれば、そのポジションに付くにはどんな能力や経験が必要でしょうか。

その職にある程度の年数就いていたなら、業界内の知り合いの方もいると思います。
いない場合は、それは別の問題になりますが、転職エージェントを活用して調べると良いでしょう。

情報を得たら、表を作って自分のスキル・経験と比較してみます。
その際追加で以下の質問をしてみてください。

Q4. 同じポジション、上のポジションそれぞれで何か違いはあったでしょうか?
Q5. その違いは給与の違いを生んでいますか?
Q6. もし違いがあればその能力を手に入れるためにどれくらいの時間やどんな業務経験が必要になるでしょうか?

特にQ6は大事な質問です。これは先日アップした【転職Q&A】転職すべきでない人はどんな人?で説明した「準備のできていない人」かどうかを明らかにする質問だからです。

もし希望の職種が現在のポジションよりも高く、今の自分よりも経験や能力を求められる場合、それらの習得に3年かかるようであればまだ準備ができていないといえます。企業にとって中途採用の主目的は「即戦力」だからです。

2. 市場価値を足し算で高めていく

自分の市場価値・付加価値を考えるときに、現在の職種での経験年数のみでは市場価値をほとんど生みません。その経験があってはじめてできること、達成したことは何かを訴求する必要があります。ただし、それはごく一般的に当たり前のことでもあり、ライバルたちも同じ主張をするでしょう。

金太郎飴になってしまっては勝ち目はありませんから、差別化の要素を見つけてそれを身につける必要があります。ここは企業が求める人材像につかがります。

では、差別化要素は何でしょうか。

ここでよく出てくるものが「資格」ですが、いくつか気をつけていただきたいことを説明します。

・資格は取得を目的にしない

これまた勘違いしやすいのですが、資格は能力が一定レベルに達していることを示す1通過点であり、それが実務上の実力を保証するものではないということです。

個人レベルで考えると、今まで培ってきた実務経験や知識を体系化するというのが資格取得の成果になると考えています。募集企業も実務能力を計る一つの指針にはしますが、資格=実務能力とは考えませんので、過度に資格に頼るべきではないと思います。

もちろん、弁護士のようにその資格が無いとそもそも業務につけないものもありますが、それでさえ司法修習を終えて実務経験を経て、法律家としての実力をみがいていくことになります。

理想を言えば、資格は一定の経験を積んだ後にその経験・知識を体系化し、第三者機関の客観的な評価を得る手段として活用すべきと思います。

例えば、英語力であれば、業務で英語を使い続け、実務上不自由しないレベルになった上で、次のステップに行くために何が足りないのかを英検やTOIEICの試験を通じて洗い出し、その結果をもとにキャリアプランを更新するのであれば、資格取得の意味は大いにあり採用担当の納得も得られるでしょう。

一方、業務上何の必要もなく、またキャリアアップにその能力が必要なわけではないのになんとなく取得した資格は、採用担当からも見透かされるでしょう。
もちろん、資格取得が趣味、ということであれば転職と全く切り離して考えて、応募職種と関係のない資格を履歴書に記載しなければ問題ないと思います。

・それでもやっぱり語学力があると強い

私の周りを見渡しても、語学力を持った人はやはり転職にも強く、給与も高めです。
年令に関係なく、興味があれば今すぐ勉強を始めてほしいスキルです。

これは、語学が他のスキルと非常に相性が良く、汎用性が高く、かつ相乗効果で付加価値を出しやすいという特徴を持っているからです。

日本では英語力を持った人財を「バイリンガル」と呼びますが、母国以外で働いている知人たちは最低でも3ヶ国語、できれば4−5ヶ国語を話せるような教育を子供に用意しています。それくらい語学力が仕事へもたらす幅の広がりを身をもって知っているからです。これは特にヨーロッパやシンガポールなど、多国と国境を接していたり、貿易や金融で国を成り立たせている地域に住んでいる知人に多い傾向です。

会社の選択肢も広がり、処遇も高くなり、仕事の広がりもでる語学力はやはりイチオシのスキルです。

3. 年齢の壁はなくならない。でも低くはできる

年令を重ねるに従い、経験値の伸びは鈍くなりますし、能力も目に見えて上がっていくわけではありません。
企業も社員の年齢構成を考えて採用しますし、ポジションが上がれば数そのものが少なくなります。

年齢による転職の壁があることは間違いありません。
だからこそミドル世代が転職を成功させるには「経験・能力を業績に変える力」を意識して転職活動を進める必要があると思います。