履歴書作成 虎の巻3原則

履歴書は何と言っても最初の関門であり、ここを通らないことには何も始まりません。
通過率は3割以下といわれますが、個人的にもっと低いのではと感じています。

作成にあたって考えておくべき点を、採用担当者が一番注目するポイントと間違えてはいけない基本的なポイントに分けて、積極的にアピールしていきたいポイント随時加えながら説明します。

1. 採用担当者が一番注目するのは?

履歴書の作成でいちばん大切なことは、履歴書を読み、面接に進む候補者を絞り込む採用担当者が何を期待しているかを知り、その期待に答える内容を簡潔にまとめ、かつアピールすることです。

「この人にあってみたい、もっとこの先の話が聞きたい」と思ってもらえるかどうかです。

では、どこを一番重要視し、何を期待しているのでしょうか。

a. 自己PR

やはり何と言っても自己PR です。その人を雇った場合にどう会社に貢献できるのか、情熱を持って仕事に取り組んでくれるのか、すぐやめたりしないか、論理的に主張を組み立てて、わかりやすく伝える力があるかとそれを実現するための熱意を持った人物であるかをここで判断します。

まず書き方ですが、履歴書はプレゼンテーションであって、報告ではありません。

あたなたを雇うことがその会社にとって利益になる可能性が高いことを伝える資料です。
しかし、履歴書は1枚だけの資料です。アピールするために何頁も使えません。

最大限紙面を活用するためには、自分の強みを絞込み、論理的一貫性をもたせ、かつ目立たせる必要があります。
「私が貴社に貢献できる強みはXXXです。なぜならば・・・」と最初に結論を書いて文章がダレないようにします。
また、実績については数値でまとめると具体性が出るだけではなく、簡潔な表現になりますのでおすすめします。

b. 志望動機

志望動機で採用担当が注目するのは、なぜこの会社を選んだのか、貢献するためにこれまでの経験をどう活かすのか、入社してから何をやりたいのかが明確になっているかです。
その点からも、もし大学の専攻が応募職種の業務に関係するのであれば、研究テーマをその募集内容にからめて書くと良いアピールになります。

履歴書は文章ですし、場合によっては何十人、何百人といった応募書類に目を通します。志望動機は自己PRと重複する部分もありますので、表現がくどくならないよう一貫性を持たせて書かないと、読む側も苦痛になって心証を損ないかねません。

自己PRとと志望動機を合わせ読むことで、あなたという人間を採用担当者が具体的にイメージできるような内容になっていれば最高です。

上記を踏まえるとわかっていただけると思いますが、履歴書の使い回しは絶対に厳禁です。

2. 基本的なポイントとアピール

履歴書は候補者の社会人としての一般常識が問われる書類です。

どんなに採用担当者の心をつかむ「ストーリー」ができていたとしても、基本的なポイントを押さえられていないとストーリーに辿り着く前に書類審査で落ちてしまうのです。

「神は細部に宿る」と言います。清書する前に基本的なポイントを確認しておきましょう。

a. 丁寧にしっかりとした字で書きましょう

敬体(です、ます)と常体(だ、である)が混在すると読みづらさが出てしまいますので注意して下さい。

b. 誤字脱字は致命的です

自分ではわかりづらいので、時間をおいて確認し、できれば第三者に見てもらいます。また誤字脱字、記載の誤りがあった場合は、修正液でなおさずに最初から作成し直しが鉄則です。

c. 作成日は最新にします

予備を作って提出前に日付を入れる場合は、内容を読み直して変化(資格の取得など)があれば必ず作成し直しましょう。

d. 生年月日と年齢があっていますか?

笑えない話ですが、生年月日と年齢があっていない場合も散見されるようですので、事前に早見表などで再確認します。

e. 履歴書の写真は文字に表せない「あなた」を伝えます

3ヶ月以内が理想です。万が一剥がれてしまったときのために写真の裏には必ず撮影年月日と氏名を記載します。原則髭はNGです。できればデパートの写真館などでプロに取ってもらうことをおすすめします。スピード写真と比べると少々値が張りますが、出来栄えを考えると個人的に伊勢丹写真室などおすすめです。

撮影前に目的とどんな印象を与えたいかを伝えておくと、カメラマンの方が撮影時にそれに合わせて指示をくれると思います。

髭の他にNGなものとしては、髪が寝癖ではねているもの、風景などが背景になっているスナップ写真、大幅に修正されて本人かどうか分からないもの、一度剥がして使いまわしたものなどでしょうか。

f. 自己PRや志望理由

アピールしたいことが多とは思いますが、限られた欄にびっしりと文字を羅列しただけでは読みづらさがまして敬遠されます。難易度は上がりますが、別紙で作成し、概略を履歴書に掲載することも検討すべきと思います。

g. 保有免許・資格はなんのためか?

保有免許・資格については、取得年月順に、正式名称で書きます。正式名称はわからなければ必ず調べて書きましょう。ここでも手間を省いてはいけません。

「免許・資格欄」のポイントは、ずばり自分の強みやアピールポイントに沿って、応募する職種・業務に活かせるものに絞るという点です。たとえば、経理であれば簿記、海外業務が多ければTOEIC、法務であればビジネス法務検定などでしょう。

ただし、語学系の資格と経理系の資格は汎用性が高いので、どの職種で書いてもかまわないと思いますが、海外関連業務がほとんど見込めないポジションに対して英語力をアピールしても、採用担当者には響きませんよね。

また、認知度が高く取得が比較的容易な免許や資格は記載しても他の応募者との差別化にはならないので、あえて記載しなくてもいいかと思います。ただ、応募職種に密接に関連し、その免許・資格が業務上必須であれば、忘れずに記載しましょう。

資格には期限があるものも多いので、期限切れになっていないか注意してください。

語学系の資格でTOEICやTOEFLなどは資格というよりも、受験時の能力を示すだけですから取得年度が古かったり、点数が600点を割るような低いスコアの場合は、逆にマイナス評価になりますから注意しましょう。

目安として、取得から2年以内のものを記載するようにします。たとえばTOEICの場合は、スコアを取得したのち公式認定証を再発行してもらいたいときは2年内という制約があります。

これは、2年経ったら良くも悪くもスコアは変わるでしょう?ということです。ただし、スコアが800点を超え、継続的に英語を使う業務についていた場合はこの限りではないと思います。

全く資格が無い場合は、無理に書かずに「特になし」でいいと思います。

業務で必須の資格を持っていない場合は論外ですが、期限切れの資格を書いたり、管理職のポジションで簿記3級など書いてしまうとかえって人物を疑われかねません。免許・資格についてあくまでプラスαの加点ですので、割り切って置くほうが返って潔いいのではないかと思います。

一方であなたが20代であり、業務に関連する資格を勉強していて受験日も決まっているのであれば、「○○資格取得勉強中。○年○月○日受験予定」と書くことで、評価される可能性があります。

もし、その会社が若手を育てたいという意思を持っての募集であれば、資格欄でなくても自己PRで書いていいかと思います。

h. 学歴の書き方

新卒と異なり、転職の場合は学歴は高校から書きます。生年月日と同様、入学と卒業の年月日がきちんと揃え、学校名、学部、学科は正確に書きましょう。わからない場合は、ホームページで確認してから記入します。学部の再編などで名称が変わっていた場合は、卒業証書などで確認するといいでしょう。

i. 経歴の書き方

短期のプロジェクトなど期限が決まっている場合を除いて、一般的に、アルバイトや派遣社員の採用ですら採用側は頻繁に仕事を変えている人は避けます。正社員で募集する場合は長期で就業してくれる人を求めるからです。

日系企業の場合は長期就業を前提に組織が設計されていますので、重要なポジションの人が短期で入れ替わると業績に大きく影響してしまうからです。

絶対ではないにしろ、経験的に短期で食を変えている人には問題があるということを採用担当者は持っていると思います。ポイントは、それが本人の問題かそれ以外かです。

能力にも人柄にも問題はなく、むしろ優秀であるのにたまたま運悪く倒産や業務縮小で転職を余儀なくされたりする場合もあれば、家庭の事情で転勤や退職、休職を選ばざるを得なかったケースもあるでしょう。

そうした場合には、別紙で職務経歴書を作成し、なぜ転職回数が増えてしまったのかについてわかりやすく説明するといいと思います。

特に大型プロジェクトに従事して、そのプロジェクト完了後に退職を選んできて結果として回数が増えたような場合には、プロジェクトの種類や内容が同じであれば、記載を工夫してひとまとめにする方法もあると思います。

この辺の細かなテクニックはぜひ転職エージェントなどを活用してアドバイスをもらうといいでしょう。

j. 趣味欄に落とし穴がある場合も。。。

意外とチェックされているのがこの趣味欄です。

最近では過労死問題を踏まえてワークライフバランスを唱える会社も増え、社会の風潮もそれに向かっていますが、応募するポジションが土日にも営業しているデパートなどの販売業、介護職などのサービス業、総務系管理職の場合に、趣味が土日の活動を必須としていると不採用になる可能性があります。

採用側が業務よりも趣味を優先するリスクを避けるためです。

ただ、その趣味があなたの人生にとってとても重要で、趣味といえども仕事と同様に大切にしたいのであれば、まさにワークライフバランスの問題ですので、それを受け入れてくれる企業を探すしかないでしょう。

その場合、当然選択肢は狭まりますので、転職活動が長期化するリスクを負う覚悟と準備が必要です。

「転職で得るものと失うものを考える」でも書きましたが、自分にとって譲れないものは何か、なぜ譲れないのかを考えて家族の理解を得た上で決めて下さい。

k. 本人希望欄は誤解を招かないように注意

意外と書きにくい項目だと感じています。

本番はあくまで面接ですので、言質とならないように記載内容にはいくつか注意が必要ですが、いくつか明記する必要があります。

まず、待遇面については「貴社規定でお願いいたします」が原則です。

実際は交渉するのですが、ここで具体的な金額などを書いてしまうと心証を悪くして面接にたどり着けないケースもありますし、そもそも要望や背景を記載するには欄が狭いですので、誤解を与えないよう簡潔に済ませたほうがいいでしょう。

次に、募集が複数職種である場合は、自分の希望する職種を明記します。

引き継ぎの関係で入社可能時期が決まっている場合はその旨記載します。

これは「面接本番です!」の「7. 就業条件(給与など)の確認」でも触れましたが、有給消化をどうするかにも関係しますので、きちんと要望を伝えて、先方の希望と併せて決定します。

勤務地が現住所と離れている場合、引越しが必要と思われるのであれば、内定後に転居する旨書いておくとアピールになるでしょう。その場合、面接の際に会社から引越し費用の補助が出るかを確認しましょう。

l. 履歴書をメールに添付ファイルとして送信する場合

ファイル名は「履歴書+氏名」にします。

また、セキュリティ観点からパスワード付きZIPにして、パスワードはの送付は別メールで送るとより安全です。ただし、パスワード付きZIPの場合、送付前に設定したパスワードで問題なく開けるか再確認してから送りましょう。
送ったはいいものの、先方で開けない場合、心証が悪くなりますので。。。

3. 予行演習で気づいたことを反映していく

ざっと基本的なポイントをおさらいしてきましたが、最後に一つ。

運良く相思相愛の企業に恵まれ一発で転職が決まればいいですが、普通は複数社へ応募し、何度か面接を経て、最終決定すると思います。面接は当然提出した履歴書を見ながら進みますので、それに対する質問や面接の雰囲気から得るものが多々あるでしょう。

面接が終わったらそのまま帰らずに、できれば近くのカフェで面接の内容と感想をまとめて、必要であれば履歴書を更新していきましょう。もちろん、更新した内容は面接の様子を伝えた上で、予行演習で協力してくれた家族・知人、転職エージェントにレビューしてもらうことをおすすめします。