転職に関係する費用を考える

転職前後は経済面で考えて置かなければならない幾つかのことがあります。

主なものは、転職活動費、退職金、最後のボーナスを受け取るタイミングにするか、源泉徴収、所得税、住民税、有給消化をどうするか、企業・厚生年金、転職活動が長期化した場合の生活資金の確保などです。この内、特に計画的に考えて置かなければならないのは、企業・厚生年金と生活資金です。

1. 年金

特に年金については、次の仕事が決まらないままに退職した場合、厚生年金(第2号被保険者)から国民年金(第1号被保険者)に退職後14日以内に役所の国民年金窓口で切り替える必要がありますので注意が必要です。国民年金の場合、直近1年で未納期間があると「障害年金」や「遺族年金」がもらえない場合があるのです。うっかり忘れて不利益を受けることのないよう気をつけましょう。

企業年金については、それぞれの会社ごとに取扱が異なると思いますので、人事に確認が必要です。私の場合は退職時に一時金として受け取りました。あまり普及していないようですが、前社での年金資産を転職先の会社の企業年金に加える仕組みがありますので、この点についても損をしないよう、在職中にしっかりと調べて確認しておくといいと思います。

わからないこと不安なことについては、退職時に聞いてもいいでしょうし、役所の窓口や日本年金機構に行って確認しましょう。

すべての準備において言えることですが、情報源は可能な限り一次情報に当たるようにしてください。こうした制度は変わることもありますし、専門家の正しい情報に当たるべきです。

家族にも影響することですから積極的に自ら動くべきだと思います。

2. 生活資金

転職の際に私が一番気をつけたことは、転職活動期間が意図せず長期化した場合の生活資金でした。

リストラや倒産などの会社都合の退職の場合、失業保険はハローワークで受給資格を確認後1週間ほどで支給されますが、転職などの自己都合の場合は3ヶ月後からです。3ヶ月間は無休ですので、その間の住宅ローンやクレジットカードの支払いを含めた生活資金の確保が必要となります。

また、書類審査・面接に落ち続けてしまい、失業期間が半年、1年と長期化してしまうと余程潤沢な貯金や金融資産がないと目先の生活資金を稼ぐために、意図しない転職を選ばざるをえない場合も出てくるでしょう。 キャリアアップやキャリアチェンジのための転職が、真逆の結果をもたらすことになりかねません。

こうした経済的なリスクを考えると、やはり転職は間を置かずに新しい会社へ行けるように可能な限り在職中に決められるのが理想ではないでしょうか。

3. ボーナスは満額貰いたい!?

ボーナス支給のタイミングも考える必要があります。

会社によって条件は異なると思いますが、人事考課が完了するタイミングを考えて退職の意思表示をしないと、低い評価をされて支給額が減ってしまったり、そもそも支給要件を満たしていなかったりなど落とし穴がありますので、ここでも就業規則をしっかりと読み込んでタイミングを計っておくべきです。

ただし、転職は目的があって決断するわけですから、ボーナスのためにその目的に影響が出るようなタイミングなら、それは本末転倒です。くれぐれもやんちゃ?はお控えください。

4. 家族のイベントのことも考えましょう

繰り返しになりますが、お子様がいらっしゃる方は受験、親御さんの老人ホームへの入居、入院などを控えている場合は、そのタイミングをを考えて、費用の試算が必須です。リストラや倒産の場合はどうしようもないと思いますが、自己都合で転職を選ぶ場合は、転職後の収入の変動を一覧にまとめて家族関連のイベントタイミングで発生する資金需要をどう賄うのかを計画しておくべきです。

家族のためにも良かれと思った転職が家族の人生に悪影響が出てしまったら、泣くに泣けませんから。。。

5. 共働き

経済的なリスクを低くするためにも、もし配偶者が健康で就業しておらず、意思さえあれば働くことができるのであれば、共働きを検討しておいてもいいかと思います。

金額の多寡にかかわらず、家計を助けることにもなります。それゆえに転職は家族の理解が重要だと思うのです。

幸せのすべてをお金で買うことはできないと思いますが、お金がないことほど、心が荒む状況はありません。

そして困ったことに、人間にはリスクを見て見ぬふりをする悪い癖があります。行動の源は恐怖ですので、リスクが見えていないと、何を恐れるべきかもわからず、行動も遅くなり、リスクが現実化したときには手遅れになってしまうのです。

転職は船の進路を変えることです。

乗員全員の人生を変えるのですから、リスクを可視化し、できることはすべて検討の対象にしておくべきと思います。