転職7つのリスクを書き出す 〜その2〜

前回の内容に加えて、2回目は経済面のリスクについて書き出して見たいと思います。

4. 生涯年収や生涯利益が減ってしまうリスク

周囲の状況に流されて、キャリアプランもなくいきなり転職するような無謀なケースだけではなく、実力が上がって経験も積み上げてきているにもかかわらず、会社の業績が上がらなために長期間昇給がなかったり、差別化要素が少ないポジションやIT化や自動化、外注が進んでいるポジションへの応募の場合、市場での付加価値が認められず給与が減る可能性もあります。

また、私の周囲を見ていると、30歳を過ぎてからの他職種・他業界へのキャリアチェンジは、このリスクがより大きくなるように感じます。経験・能力が少ないという点だけではなく、それらを得るに数年はかかるからです。

予防策としては、事前の業界・会社研究をしっかりと行って、中期及び長期的にその仕事の需要、付加価値などの将来性を見据えてキャリアデザインをしておかないと、転職後に想定外(本当は十分事前に想定できたはず)のリスクに直面することになります。

経験や能力が欲しくて転職するキャリアチェンジの場合で年収増の希望・期待が低かったとしても、現収入とのギャップを埋めるためにどの程度の期間がかかるのかや将来的にどの程度まで望めるかについては試算をし、人生プランを見直しておくことで家族の協力も得られますし、より仕事に集中できる環境を作ることができるのではないでしょうか。

5. 転職先の業績が悪化もしくは倒産するリスク

老舗の大企業に突然新聞の一面を飾るような事件が発生して業績が極端に悪化してしまうニュースに触れる機会が増えました。

別記事でも詳しく書きましたが、転職したはいいものの、直後に会社が倒産の憂き目にあうようなリスクを最小化するためにも、事前の情報収集が必要です。

・企業が発表する投資家・株主向けの財務状況報告書、中期計画書
・上場企業であれば、株価の推移や市場の評価

例えば、下記のようなような場合は、要注意だと思います。
※これらは現職でも常に注意しておくといいでしょう。

・借入金が巨額

・過去数年経常利益が赤字

・支払い期限を延ばしてきたり、期限前の売掛金の回収に走り始める

・突然異業種への参入を発表し、周囲が驚く

・財務・経理部門長が突然交代

・給与の遅配(ここまできたらもう・・・)

6. キャリアアップのリスク

今までの経験を活かしたキャリアアップでは、市場にあなたの能力・経験を持っている人が少ない場合は市場価値も高く、転職によって昇給を見込めると思います。
一方で、社風に馴染めず前職では経験しなかった人間関係で悩んだり、今までの経験や身につけた技術を活かせないリスクはあります。

こうしたリスクは事前の調査で可能な限り低くしておく必要があります。

私の場合は、転職先に知り合いがいたので、決断前に2、3度食事を共にしてその方の転職前後に感じたギャップの話をじっくり聞きました。

特に入社後に担当するプロジェクトや業務が自分の経験のない業界であるような場合は経験・技術を活かせない場合もあり、戸惑うことが大きように思います。その意味で、転職先企業はどんな業界のどんな顧客を持っているかまで調べておき、その業界商慣習や課題を勉強しておくことで、リスクを低く抑えることができるでしょう。

また、東証一部上場の子会社などへの転職で、課長職以上で転職する場合には、部長から上のポジションに上がれるかどうかもポイントです。こうした子会社の場合、親会社の出世コースを外れた人がパラシュートで降りてきて、生え抜き社員のポジションを埋めてしまうことがあるからです。

せっかく転職したのに、数年で越えられない壁が見えてしまうのは、なんとも勿体無い話です。それがわかった時にはより一層転職が難しい状況に変わっている場合もあるわけですので、長期的な視野でキャリアを計画する上で企業研究がいかに大切かがお分かりいただけると思います。

兵法よろしく、戦略=何を目指すのかと戦術=どう実現するのかを分けて検討すべきです。

キャリアアップの中で特殊なケースになるかもしれませんが、子会社から親会社への転籍というケースもあります。

この場合は、出世競争がより激しくなるというデメリットもありますので、こちらもキャリア戦略・戦術が重要ですね。私の知り合いでも、子会社に残った人の方が順調に出世して給与も上がった場合がありました。

7. キャリアチェンジのリスク

キャリアチェンジの典型的なリスクは、「思っていた仕事と違う」ようなケースです。その職種への憧れが強く、想いだけで転職すると取り返しに大きな負担を強いられます。

このリスクを防止する一番の対策は、何と言っても情報蒐集です。例えば、

・現在その業界で働いている人の話を聞く
・業界新聞があれば購読してみる
・幕張メッセや東京ビックサイトで催される業界イベントに行ってみる
・もしその会社が工場見学を開催していたり、資金と時間に余裕があれば、株を購入して株主総会に出てみる
・職エージェントを使って意中外の会社の面接を受けてみる

などなど、とにかく手に入りうる情報を事前にかつ貪欲に集めるべきだと思います。

こう見てくるときりがないようですが、どれを取っても転職後の状況に大きく影響することばかりですので、時間を十分にかけて情報を集め、考え、評価し、転職するかしないかの最終判断の基準としていただきたいと思います。

急がば回れ、です。